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どのCVCが出資・買収に積極的?各CVCの出資・買収実績と出資先スタートアップの特徴


公開日:2021年6月18日  最終更新日:2021年6月25日

近年、大手企業によるCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)ファンドの設立が相次いでいます。

CVCによる総投資額は年々増加しており、スタートアップへの投資額全体の約半分を占めるまでになっています。また、出資件数が多いCVCは買収件数も多い傾向にあります。資金調達だけではなく、M&Aによるイグジットを考えているスタートアップは、積極的にCVCとコンタクトをとることも選択肢になります。その場合、どのCVCが出資や買収に積極的なのか把握することが大切になってきます。

そこで CVC別にスタートアップに対する出資実績をランキング化し、まとめました。 CVCによるスタートアップの買収事例も合わせてご紹介します。

日本ベンチャーキャピタル協会(JVCA)にCVC会員として登録している企業83社を調査対象とし、2015年1月~2021年3月におけるCVCによる日本企業に対しての買収、出資に関する取引を集計対象にしています。

CVCの活動内容やVCとの違いを分かりやすく解説!

 

 

VC

CVC

主体

主に投資会社

主に事業会社

資金

事業会社や機関投資家からの資金

自己資金

主な目的・目標

キャピタルゲイン

自社事業との相乗効果

国内CVCの新規設立件数は過去10年で増加傾向にあり、2018年には16社が設立されました。また、国内のスタートアップ企業への投資額が急増しているなか、下図のようにCVCによる総投資額は全体の約半分を占めるまでになっています。


“Japan Startup Finance 2018” entrepedia(現・INITIAL)より弊社作成

CVCによるスタートアップへの出資実績ランキング |各CVCはスタートアップ企業への出資にどれほど積極的?

ここまでスタートアップ企業への出資におけるCVCの重要性をご確認いただけたかと思います。それでは、具体的にどのCVCが出資に積極的なのかを見るため、JVCAに登録している各CVC会員の、2015年以降のスタートアップ企業への出資件数をランキング化してみます。

順位

会社名(CVC名)

出資回数

出資額中央値

1位

ヤフー(Z Venture Capital)

49回  

5億円

2位

KDDI

46回

8億円

3位

NTTドコモ(NTTドコモ・ベンチャーズ)

41回

3億円

4位

Salesforce(Salesforce Ventures)

39回

_

5位

マネックス証券(マネックスベンチャーズ)

36回

2億円

 ※弊社独自で取得した情報に加え、CVC公式ホームページでのポートフォリオ情報やSPEEDAでの増資、少数持分取得を出資として扱っています。

 2015年から2021年を集計期間として公開されている出資情報のうち、出資先がスタートアップ企業であるものに絞ってランキング化しました。

1位はヤフー株式会社が設立したCVC(Z Venture Capital)で49件。2位と3位はKDDI、NTTドコモと大手携帯キャリアが続き、いずれも40件以上でランクインしました。気になる出資額の大きさですが、中央値をとると数億円規模の出資が多く、大きいものだと10億円以上の出資も存在しています。

CVCから複数回出資を受けたスタートアップ企業の特徴とは?

CVCから複数回出資を受けるケースも多く、なんと 約半数(48%)のスタートアップ企業がCVCから2回以上の資金調達に成功しています。なお、CVCから複数回調達した企業の約30%をコンピュータ・ソフトウェア分野の企業が占めます。

コンピュータ・ソフトウェア分野のスタートアップ企業を、CVCからの被出資回数順に代表的なもので並べると以下のようになります。

被出資回数

企業名

ビジネスカテゴリー

10回

スペースマーケット

シェアリング

9回

シナモン

AI

8回

ウフル

IoT

6回

マネーフォワード

SaaS(フィンテック)

6回

パロニム

動画技術

4回

フューチャースタンダード

AI(映像解析)

3回

ヤプリ

SaaS(クラウドアプリ)

AIやSaaS、IoTといった近年のトレンドともいえる事業分野に取り組む企業が多く出資を受けていることがわかります。特に FintechやAIに関しては多くのCVCが投資先分野にしており、ランキング内のCVCはもちろん、ソニーやマイナビ、凸版印刷なども挙がります。

上記表のスペースマーケット、マネーフォワード、ヤプリは CVCから資金調達を受けたのち、上場しました。他にも、設立から上場までのスピードが早かったGameWith(4年)、GA technologies(5年4ヶ月)も上場前にCVCからの出資を受けています。

参考記事:【2020年最新版】上場スピードランキング – 急成長ベンチャーのIPO分析 –|M&A toZ

CVC別の出資期待回数ランキング | 複数回にわたって出資してもらえるCVCは?

追加出資に焦点があたったところで、CVC別に追加出資する頻度を出資期待回数(※)として数値化し、ランキング化しました。

※出資期待回数=出資回数 / 出資社数

順位

会社(CVC)名

出資期待回数

出資回数

出資社数

追加出資事例 (出資回数)

ヤフー(Z Venture Capital)

1.54回

128回

83回

Shippio(5回)、Photosynth(4回)

GMOインターネット(GMO Venture Partners) 

1.50回

39回

26回

SenSprout(4回)、ラクスル(3回)

楽天(楽天キャピタル)

1.48回

37回

25回

楽天メディカル(5回)、ぐるなび(2回)

Salesforce(Salesforce Ventures)

1.43回

かんたんM&A力診断

60回

42回

ウフル(5回)、toBeマーケティング(3回)

TIS

1.43回

50回

35回

ココペリ(4回)、SEQSENSE(3回)

 

見方の補足ですが『出資期待回数』の数値をみると、例えば1位のヤフー(Z Venture Capital)には平均して1.54回の出資を受けることができる、ということが分かります。

この表にあるCVCは出資期待回数がおよそ1.4~1.5回なので、 約2社に1社の割合で追加出資を受けていることがわかります。

1位のヤフー(Z Venture Capital)は、あらゆる段階のスタートップを対象にしており、主な出資領域としてITサービス、AI、Fintech、ECなどの分野を挙げています。2位のGMOインターネット(GMO Venture Partners)は国内外の 幅広いステージのIT系スタートアップを投資対象としています。

出資案件別、資金調達額ランキング |CVCを含めた投資家から調達できる資金の規模は?

スタートアップ企業は、CVCを含めた投資家からどれほどの規模の資金調達を達成してきたのでしょうか。CVCを含めた各投資家から資金調達する際の額を大きいものから順に列挙します。

順位

会社名(CVC名)(共同出資社)

出資総額

スタートアップ企業名

事業分野

出資年

日本郵政(日本郵政キャピタル)

(他4社

100億円

スマートニュース

ニュースメディア

2019

ヤフー(Z Venture Capital)

(他4社

100億円

ヘイ

EC+決済

2020

KDDI

(他10社

67億円

ディーカレット

仮想通貨(取引所)

2021

ヤフー(Z Venture Capital)

(他6社)

52億円

ベルフェイス

セールステック

2020

三菱地所

(他7社

46億円

アストロスケールホールディングス

宇宙

2018

 

スマートニュースやヘイは、100億円規模の資金調達を達成しています。スタートアップ出資では50億円前後の出資がかなり大規模なものとして実施されています。

大規模出資を受けたスタートアップ企業の事業分野をみると、 ECや仮想通貨、セールステックなど、ここ数年で市場規模が拡大している分野であることが分かります。

CVCによるスタートアップ買収事例 |CVCはどのようなスタートアップ企業を買収するか?

CVCによる買収件数のうち89%は大手企業やグループ子会社を買収したケースで、スタートアップ企業を買収したケースは11%になっています。

2015年以降で CVCがスタートアップ企業の買収まで至った件数は、出資件数全体の4.7%にとどまっているのが現状です。

CVCがスタートアップ企業を買収した事例5件を紹介します。

CVC名

買収されたスタートアップ企業

買収された企業の事業

買収金額

実施年

アカツキ

ASOBIBA、アプト

サバイバルゲームフィールドの運営、パーティクリエイションサービス

2017

アカツキ

クリームフィールド

ソーシャルゲーム開発

2016

アカツキ

そとあそび

レジャー・アクティビティ、予約サイトの運営

14億

2016

ポーラ・オルビス(ポーラ・オルビスキャピタル)

トリコ

パーソナライズスキンケアのD2Cブランドの展開

38億

2021

楽天(楽天キャピタル)

ハングリード

在庫、商品、受注管理システムの提供

2015

 

アカツキのCVC活動をピックアップしてみると、CVCの性格がよく現れています。

アカツキはゲーム・IPを中心に事業展開しており、ASOBIBA、アプト、クリームフィールドといったゲーム関連の会社を買収し、ゲーム開発の強化を進めました。一方で、アカツキは「ライブエクスペリエンス事業」を開始するにあたってアウトドアサービスのそとあそびを買収しています。

このように、 CVCは自社事業に関連した企業をターゲットに既存事業の強化を図るほか、 新規事業に参入するにあたって必要なノウハウを持った企業をターゲットにする場合があります。

スタートアップ企業に限らずCVCが企業を買収したケース全体では、出資した後に最終的に買収に至ったケースは少なく全体の17%で、実際は ターゲット企業への出資履歴なしでいきなり買収するケースが多く全体の83%になっています。また、買収したものの後で株式を売却するケースも存在し、12%でした。

まとめると下図のようになります。

まとめ

今回はCVCのスタートアップ向けの出資件数と、CVCによる買収関連の情報を特集としてまとめました。スタートアップ企業への投資総額の約半分がCVCで占めている今だからこそ、参考になる部分も多いかと思います。

CVCからよく出資を受けているのは、AIやSaaS、Fintech、IoTなど市場規模が急拡大していて、市場の期待も高まっている分野となっており、今後の動向が注目されています。

買収事例は少ないのが現状ですが、スタートアップ投資熱とともに今後、増えてくる可能性もあります。資金調達するにも、M&Aでイグジットするにも、CVCは重要なアクターです。

さらに詳しい指標やランキング、解説に興味のある方は下記リンクから、より詳しいデータを解説したホワイトペーパー「【2021年最新版】CVC保有企業のM&A・出資実績レポート」をダウンロードできます。

【2021年最新版】CVC保有企業のM&A・出資実績レポート

今回出資を受けやすい分野として紹介したAIやSaaS、IoTなどを手掛ける事業に対しては、CVCだけではなく事業企業による買収・出資も行われています。

資金調達もできるM&Aマッチングプラットフォーム「M&Aクラウド」では、スタートアップ企業に投資したい企業が、投資先に求める要件を公開中です。

「積極買収・出資企業一覧」は以下からご覧ください。

                   

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