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事業譲渡の価格はどう決まるの?譲渡する事業の価格の算出方法3つ

かんたんM&A力診断
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公開日:2022年1月20日  最終更新日:2022年5月18日

事業価格の算出方法は複数ある上に、必要に応じて組み合わせることになります。また、買い手と売り手で価格に対する考え方が異なることにも注意が必要です。ここでは、譲渡する事業の価格の算出方法と価格を上げるポイントをご紹介します。

事業譲渡とは

事業譲渡とは、最高裁判例によれば「一定の事業目的のため組織化され、有機的一体として機能する財産(得意先関係等の経済的価値のある事実関係を含む。)の全部又は重要な一部を譲渡し、譲渡会社がその財産によって営んでいた事業活動の全部又は重要な一部を譲受人に受け継がせ、それによって譲渡会社が法律上当然に、改正前商法25条(会社法21条に相当)に定める競業避止義務を負う結果を伴うもの」と定義されています。

わかりやすく言い換えると、会社の事業や資産を全部または一部を譲渡する手法です。

例えば、複数の事業を営んでいる企業が不採算事業を第三者に譲渡することで、売却益を得られると同時に当該事業に割いていたリソースをより収益性の高い事業に集中的に投下できます。

そのため、経営の立て直し、黒字企業への注力、事業拡大などを目的に事業譲渡を活用することがあります。

事業譲渡における価格の考え方とは

事業譲渡における価格を決めるには、次のステップを踏む必要があります。

  1. 企業価値向上のための戦略を立てる
  2. 具体的なシナジーの予測
  3. 企業価値の算定
  4. シナジーの実現に必要な取引条件を検討する
  5. 交渉
  6. 価格決定

なお、一般論ですが、売り手は売り手の、買い手は買い手の企業価値を高めるように交渉を行うことが基本原則です。

つまり、売り手は対象事業を保有し続ける場合に得られると見込まれる価値以上の価格での譲渡を希望する一方で、買い手は対象事業のスタンド・アローン・バリューと見込まれるシナジーを合わせた価値よりも安い価格で買いたい、という思惑があります。

事業譲渡の企業価値評価の考え方と3つの算出方法

企業価値評価(バリュエーション)とは、対象となる会社または事業の価値を算出する手続のことです。

非上場企業の株式は公開されないので、市場価値を知ることは困難でしょう。そのため、企業価値評価で事業の価値を算定する必要があります。企業価値評価において利用される手法は、コスト・アプローチ、インカム・アプローチ、マーケット・アプローチの3種類に大別されます。それぞれの代表的な手法について、詳しく見ていきましょう。

1:コスト・アプローチ(時価純資産法)

コスト・アプローチとは、対象会社または事業の純資産を基準に株式価値を評価する手法です。純資産の帳簿価額に基づいて評価する「簿価純資産法」と、評価対象の事業の資産と負債を全て時価に置き換えて評価する「時価純資産法」に分類されます。

時価純資産法では対象会社または事業のすべての資産及び負債を時価評価することは実務上困難なため、土地や有価証券等の主要な資産のみを時価評価することがあります。このことから、「修正純資産法」と呼ばれることもあります。

コスト・アプローチによって算出された株式価値には、企業が将来的に生み出す可能性がある価値が反映されていません。そのため、M&Aにおいてコスト・アプローチによって算出された株式価値のみをもって取引価格を決定することは一般的ではありません。しかし、企業価値評価に使用する帳簿の内容が適正であり、なおかつ時価等の情報を取得しやすい場合は、客観性に優れた企業価値を算定できます。

2:インカム・アプローチ(エンタープライズDCF法)

インカム・アプローチとは、将来的に得られるキャッシュ・フローを割引率で割り引いて企業価値を算定する手法です。算定した将来のフリー・キャッシュ・フローに基づいて評価する「エンタープライズDCF法」、株主が受け取る配当額に基づいて評価する「配当還元法」などがあります。

エンタープライズDCFは、将来の収益性や成長性を事業の価値に反映できるため、論理的な方法だといわれています。将来的に得られるフリー・キャッシュ・フローを割引率で割り引き、事業に供されていない「非事業用資産の価値」を加算することで、企業価値を算定できます。

そこからさらに、「有利子負債等の価値」を差し引くことで、株主価値を算定できます。

3:マーケット・アプローチ(類似会社比較法)

マーケット・アプローチとは、市場で成立する価格から企業価値を算定する手法です。株式の市場価格に基づいて評価する「市場株価法」、類似する上場企業の市場株価や類似するM&Aの取引で成立した価格をベースに倍率を算定し、評価対象の経営指標に乗じることで価値を算出する「類似会社比較法」があります。

事業譲渡で価格を上げる3つのポイント

譲渡する事業の事業価値を高めることで、譲渡価格の上昇が期待できます。譲渡価格を上げるためのポイントを3つご紹介します。

1:事業のマイナスポイントを減らす

事業譲渡の価格を上げるには、買い手が懸念するマイナス要素を排除する必要があります。マイナス要素は価格を下げるだけではなく、プラス要素に対する印象を希薄にします。その他、マイナス要素が大きすぎると交渉が不成立になる可能性も高まるため、優先的に見直すべきポイントです。

代表的なマイナス要素には、余剰資産と簿外債務、訴訟問題があります。

余剰資産は、資産が余分にあることで、資産効率の低さや運転資本の悪化が主な懸念点です。例えば、利用していないオフィスビル、設備、過剰な在庫などが該当します。

簿外債務は、貸借対照表には記されない債務のことです。例えば、未払いとなっている残業代などが該当します。実際に事業を譲受してから簿外債務が発覚し、問題になるケースもあります。

そして、訴訟問題には顕在化している案件のみならず、取引先とのトラブルなど訴訟に発展するおそれがあるものなどがあります。訴訟の判決結果次第では、事業の価値が毀損されるばかりか、譲受した買い手企業の評判にも影響が及ぶ恐れがあるため、買い手は取引に対して慎重になります。

2:目に見えない資産の価値を訴求する

マイナス要素を排除すると共に、プラス要素を増やす必要があります。買い手にとってのプラス要素は、目に見えない資産(無形資産)です。無形資産は、企業の努力と時間の積み重ねによって形成されるものであり、シナジーに深く関係しています。

無形資産には、優秀な人材、効率的に利益を生み出すノウハウ、他企業の追随を許さない技術力、希少性の高い許認可、特許、信用力、幅広い顧客ネットワークなどがあります。

無形資産で価値を上げるために、技術力のさらなる向上や従業員1人あたりの生み出す価値の向上などを狙いましょう。ただし、事業譲渡の短い交渉期間中に無形資産を増やすことは困難です。まずは、買い手に自社が保有するノウハウや知的財産などの無形資産を余すところなくアピールすることが重要です。

3:戦略的に価格交渉をする

譲渡価格の決定は企業間の合理的な意思決定によりなされるため、とにかく価格を上げて欲しいといった姿勢では交渉は成功しません。買い手が考える事業価値よりも高めの価格を求めるのであれば、プラスαの価値を訴求することが必要です。トップ面談でお互いのビジネスに対する考え方が共通していることがわかったり、人としての相性が良かったりなど、小さなプラスαの要素でも、価格交渉が有利になります。

価格交渉の方法には、複数の買い手から1社と個別に交渉し、双方の合意に至れば事業譲渡が成立する「個別交渉方式」、複数の買い手が競争入札して最も価格が高い買い手に事業を譲渡する「オークション方式」があります。

オークション方式は、競合が多くなればなるほどに価格が吊り上がることが期待できますが、M&Aの情報が漏えいしやすい点に注意が必要です。

まずは信頼できるM&Aアドバイザーに相談してみよう

事業価値に見合った価格で譲渡したい場合は、事業の適正価格を知ることが先決です。また、事業価値を高めるために、無形資産を余すところなくアピールしましょう。そして、信頼に足るM&Aアドバイザーに相談することも忘れてはいけないポイントです。

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