メドピアは、医療現場のさまざまな課題をITの力で解決することを目指し、現役の医師である私が2004年に創業しました。「Supporting Doctors, Helping Patients.」をミッションに掲げ、医師向けと一般向けの事業を展開しています。
医師向け事業の中核をなしているのは、医師専用コミュニティサイト「MedPeer」です。「一人の医師の疑問は多くの医師の疑問かもしれない」をコンセプトに、薬剤評価掲示板、症例相談などのコンテンツを提供しており、現場の医師のリアルな声が集まる、ユーザー参加型のプラットフォームである点が最大の特長です。現在、日本の医師の3人に1人に当たる12万人が参加しており、集合知の力によって医療を再発明することを目指しています。
このドクタープラットフォームを活用したビジネスとして、当社は製薬会社や医療機器メーカーを対象に、「MedPeer」のサイトを通じた広告配信やコンテンツ制作などのマーケティング支援を行っています。また、12万人の医師パネルへのリサーチサービスも提供しています。さらには、会員医師の方に対し、医師専門の転職・アルバイト情報サービス「MedPeer Carrer」や、医師のクリニック開業・経営を支援する「CLINIC Support」、医師専門のスカウト型求人サービス「MedPeer SCOUT」など、キャリア形成のサポートを中心とした多様なサービスを提供しています。
一方、一般向けのヘルスケアソリューション事業としては、当社のグループ会社を通じ、健康増進と予防をサポートする2事業を展開しています。1つは、医師によるオンライン医療相談プラットフォーム「first call」の運営。チャットやテレビ電話を通して自身や家族の体の悩みを医師に相談できるサービスで、法人向け、健康保険組合向けプランを中心に、個人向けにも展開しています。もう1つは、管理栄養士による食生活コーディネートサービス「ダイエットプラス」。対面カウンセリングとアプリによる毎日の食事アドバイスで、個人向けに食生活改善をサポートしている他、健康保険組合を通じて特定保健指導(生活習慣改善)を行っています。
医療費の増大が社会課題となる中、病院における病気の“治療”だけでなく、日常生活における“予防”や“未病”対策、さらには終末期における在宅“ケア”の重要性が注目されています。こうした中、当社は、治療領域の支援に事業の軸足を置きながらも、すでに予防・未病領域にも進出し、医師や管理栄養士との連携の下、セルフケアやメンタルヘルスをカバーするサービスを展開してきました。
今後もトータルヘルスケアの観点で、ITを通じて課題解決できるさまざまなテーマに狙いを定め、成果を追求していくことを目指します。こうしたビジョンの下、現時点では、既存事業の規模拡大と横展開、そして新規事業の創出に力を入れています。
製薬企業を主要顧客とするドクタープラットフォーム事業においては、医師会員基盤を持つ他社サービスとの連携を強化し、会員基盤を拡大していきます。また、医師を対象に確立したプラットフォーム事業のモデルを、今後は薬剤師等、他の医療従事者向けにも横展開していくとともに、医師向けサービスの対象領域も、臨床やキャリア支援に加えて開業・経営支援などにも広げていきます。
同時に、製薬会社等へのマーケティング支援におけるカバー領域の拡大にもチャレンジ。従来の広告コンテンツの配信に加え、より上流の工程に当たる戦略策定やコンテンツ制作、また下流の効果測定においても、「MedPeer」の運営を通じて培ってきた医師向けのマーケティングにおけるノウハウを活かして、サービスメニューの開発・提供を進めていきます。
健康増進・予防領域の一般向けヘルスケアソリューション事業においては、サービス内容の拡充と利用者・契約社数の拡大を急ピッチで進行中。オンライン医療相談サービス「first call」を運営する子会社Mediplat社では、資本業務提携先であるスギ薬局様の持つ店舗網と顧客基盤の活用も進め、IT×リアルの可能性を追求しています。
以上の既存事業の展開と並行して、当社グループ最大の資産である医療関連データの利活用による新規事業の創出にも取り組みます。ドクタープラットフォーム上の集合知データ、一般向けソリューション事業で得られる医療相談や栄養相談、食事/運動等のライフログデータ、さらにはスギ薬局様の持つ処方・服薬データといった各種のデータに、外部のリソースを掛け合わせることにより、社会のニーズに即した新規サービスを生み出していきたいと考えています。