株式会社長大

株式会社長大

https://www.chodai.co.jp/

企業情報

設立年度
1968年
代表者名
永冶泰司
従業員数
836人
資本金
31.1億円
本社所在地エリア
関東
本社所在地
東京都中央区日本橋蛎殻町一丁目20番4号
事業概要
総合建設コンサルタントとして、橋梁や道路、鉄道、港湾など陸・海の交通インフラ、水道や電力などのライフライン、学校や病院などの公共施設などを対象に、建設から保守・管理までを担っています。
会社の特徴
第一業界区分
サービス・インフラ
第二業界区分
その他サービス

ミッション・ビジョン

何をやっているのか?

1968年に橋梁の設計エンジニアリングからスタートした当社は、現在では総合建設コンサルタントとして、道路や鉄道、港湾など陸・海の交通インフラ、水道や電力などのライフライン、学校や病院などの公共施設などを対象に、建設から保守・管理までを担っています。主に国土交通省や高速国道会社、地方自治体などの主導するプロジェクトにおいて、発注者のパートナーとして、専門的な知見を駆使し、関係する事業者をとりまとめる要の役割を果たしています。

昨今は建設業界においてICTの導入が進んでおり、今後はますます加速していくと考えられます。こうした中、当社は建設コンサルタント会社としては珍しく、社内に情報システム提供を専門とする部門を設けており、今回は、その情報システム部門において、M&Aを検討しています。

当社の情報システム部では、橋や道路をはじめとする社会インフラのメンテナンス業務の効率化を目的としてデータベースを活用するシステム、災害対策システムなどを手掛けています。後者については、東日本大震災などを教訓に、自治体間で横断的に関連情報を共有できるシステムの構築に向けた取り組みが進んでおり、当社も企画段階から参画しています。

システム開発専業の会社とは異なり、当社では、情報システムも建設コンサルタント業務の一環として提供しています。このため、建設や保守・管理のオペレーションとの関連も検討のうえ、目指すシステムの姿を発注元に提案・議論しながら、最適解を見出していくことが可能です。建設と情報システム、双方の知見を融合した提案が求められるこの領域において、当社はトップシェアを獲得しています。

一方、社内に情報システム提供の専門部門を立ち上げていることにより、インフラや施設自体の建設・保守に付随する案件のほか、IT基盤単独の構築・改修等の案件を請けやすいことも、当社の強みです。また、施設そのものは長大では扱っていないケースでも、たとえば「河川の水門の開閉システムを改修したい」といった依頼を受けることもあります。このように社内には施設の専門家がいないケースでは、情報システム部で独自に勉強し、知識を習得していきます。
こうした取り組みの積み重ねにより、情報システム部内には、専門であるIT知識はもちろんのこと、各種社会インフラに関する知見も豊富に蓄積されており、発注元からの信頼につながっています。

何を目指しているのか?

建設業界では現在、国交省リードの下、ICT活用による建設産業の生産性向上を図る「i-Construction」の導入が、業界を挙げて進められています。「i-Construction」の例としては、ドローンを用いた公共測量やインフラ点検、3Dモデルデータの活用による調査・設計から施工、維持管理の効率化などが挙げられ、今後、労働人口が減少する中での働き手不足への対策として期待されています。

当社事業においても、情報システムの専門力が必要とされる場面は、ますます増えていきます。当社では現在、事業展開の軸として以下の3領域を定めており、そのいずれにおいても、情報システムの活用が成長の鍵を握っているといえます。

事業軸Ⅰ 国土基盤整備・保全:国内では新たな公共インフラ・施設の建設は減少傾向ながら、既存施設の保守・管理案件は継続的に発生するほか、相次ぐ災害への対応・対策も必要です。こうした業務の効率化策として、ICTへの期待が高まっています。IoTを活用したモニタリング、AIを活用した老朽化箇所検出などの導入を進めていきます。

事業軸Ⅱ 環境・新エネルギー:小水力発電・バイオマス発電、水インフラビジネスなど、特に海外向けの展開に注力しています。ICTに関しては、建設予定地の調査においてドローンを活用して地形を把握する、発電所の稼働率をIoTを活用してモニタリングするといった用途が考えられます。

事業軸Ⅲ 地域創生:国土基盤施設に軸足を置きながら、個々の施設単位ではなく、地域全体を面的に捉え、地域の再生・再編・創生につながる包括的なサービスを提供します。グループ企業の順風路株式会社を中心に保有する交通解析技術を活かしたオンデマンドバス(主に高齢者の移動支援)事業などが含まれます。

特に交通解析技術に関しては、当社グループは先進的な取り組みを行っています。オンデマンドバス事業は、現在40を超える自治体で導入され、実際の運用を通じて独自技術のブラッシュアップも進んでいます。本技術の転用により、今後は自動運転支援にも進出し、自動車関連業界と共に推進していく計画です。

モビリティ関連技術に強みを持っていることにより、関連する幅広い領域において、事業展開の可能性が広がります。たとえば、自動運転のドライバーに対する情報提供拠点として、もし全国各地の道の駅を活用することができれば、観光業界との協業も検討できるでしょう。また、道の駅には防災拠点という側面もあり、当社ですでに強みを持っている防災関連事業とのシナジー創出も見えてくるかもしれません。

また、事業軸でいえばⅢに当たりますが、国が力を入れている観光も、今後、当社としても注力していきたい分野の1つです。
これまで情報システム部で手掛けた案件としては、インドネシアのバリ島において、現地で広く知られる旅行雑誌を出している日系の旅行会社と組み、日・英・インドネシア語の観光アプリを開発した案件があります。当社にとっては、このアプリの運用により、ユーザーの動態データというビッグデータを取得できることが最大のメリット。これをリソースとした新ビジネスも考えられますし、当社の事業計画等においても大いに役立つデータです。本事業は今、バリ島での実績をベースに、国内でも展開しようとしています。