Web広告は近年、アドテクノロジーの進化により、費用対効果を高めやすくなってきた一方、ユーザーからはよりうっとうしがられる存在になっている面も否めません。こうした中、広告枠がメディアのデザインと一体化し、ユーザー体験を損なわずに広告を見せることができる新しい広告手法が注目されるようになってきました。メディアに自然に馴染んでいる広告という意味で「ネイティブ広告」と呼ばれる概念が、2013年ころから米国を起点に広まっています。
当社は、日本初のネイティブ広告プラットフォーム「LOGLY lift」を運営しています。複数メディアを対象に、閲覧状況などに応じて広告配信するアドネットワークのシステムで、広告がクリックされるごとに掲載料金が発生。当社はその収益を媒体社とシェアする仕組みです。
当社のプラットフォームで扱っているネイティブ広告には、以下の2つのタイプがあります。
●レコメンドウィジェット
コンテンツの読了後に“おすすめ” “recommend” “関連記事”等として表示されるスタイルで、ユーザーが読んだ記事との関連性や興味・関心によって相関性の高いネイティブ広告が配信可能です。
●インフィード広告
記事と記事の間に広告が差し込まれるスタイル。トップページなどのフィード面や、特にスマートフォン用サイトで主流となっているタイムライン形式のデザインの中に同じデザインで広告を掲載します。
当社の大きな強みとなっているのが、独自の言語解析技術です。文章における単語の出現頻度、出現位置などを捉え、単語の重要性や単語間の関連性などから、サイトの内容を判断することができます。この解析技術と、日本初のサービスとして蓄積してきた豊富な配信実績の活用により、ユーザーが閲覧しているコンテンツに合わせて、興味・関心を途切らせずに見られる広告を的確に抽出、掲載しています。
現在、出版社やビジネスメディアなど数百社のメディア運営会社と契約しており、メディア数は数万サイトに及んでいます。一方、広告主側も数百社に利用いただいており、健康食品や化粧品などのダイレクトレスポンス型広告のほか、最近は消費財メーカーや自動車メーカーなどによるブランド広告も増えています。
2012年の「LOGLY lift」のサービス開始以降、業績は急成長を遂げ、2018年6月には東証マザーズ上場を果たしました。海外市場においては、すでに台湾とインドネシアでサービス展開しており、今後他の東南アジア諸国への展開も進めていきます。
当社は「テクノロジーで人々の生活を豊かにする」のビジョンの下、創業以来「ログ」にこだわってきました。ログはその瞬間の事実を記録したものに過ぎませんが、それが蓄積され、テクノロジーで磨きをかけることで異常検知や未来予測が可能となります。データこそが、私たちの未来に新しい兆しを見いだす糧になると信じています。
現在、注力しているネイティブ広告配信も、Webメディア運営において不可欠な存在であるWeb広告の価値を高めていくという大きな意義を持つ事業です。
今後、「LOGLY lift」を通じて提供できる機能を強化・拡大していくにあたり、以下の方向性で可能性を追求していきます。
・より高度なネイティブ広告配信技術の開発・提供による出稿効果の向上
・関連ソリューションの開発・提供による「LOGLY lift」利用メディアへのサポート拡大
併せて、広告主に対するサポート領域を「LOGLY lift」を起点に、より上流へと広げていくことにもチャレンジします。企業がWebを介して潜在顧客を発掘し、自社商品・サービス/ブランドに対する興味を喚起し、購買行動へと誘導していく一連の流れの中で、広告配信は構成要素の一つに過ぎません。これまで培ってきた広告配信技術を武器に、マーケティング戦略の策定と推進を全般的に支援できる存在になり、企業と潜在顧客間のコミュニケーションの進化に大きく貢献していくことを目指していきます。