スマートフォンの登場によって私たちの生活が大きく変わったように、インターネットとコンピューターテクノロジーは社会に大きな変化をもたらし続けています。こうした中、当社はテクノロジーを通じて「いい未来をつくる」ことを企業理念に掲げ、業務用ソリューションをドメインとした事業を展開しています。
現在は社名のとおり、店舗の会計をタブレットで行えるアプリをメインに提供。小売店向け「スマレジ」、飲食店向け「スマレジ・ウェイター」に加え、2014年には勤怠管理システム「スマレジ・タイムカード」もリリースしました。「スマレジ・タイムカード」は小売店や飲食店のほか、一般オフィスにも導入されています。
当社が扱っているのは、レジ入力と同時に売上データがネットワークを介して集約される、いわゆる「POSレジ」です。POSレジ業界は、もともとは従来型のレジを製造してきた電機メーカーが主要プレーヤーでしたが、近年、当社のようなソフトウェア会社の参入が進んできました。ソフトウェア系会社の大きな強みは、商品価格帯が低く、顧客にとっての導入負荷を抑えられること。多くの電機メーカーが自社POSレジ専用のコンピューターを使っているのに対し、ソフトウェア会社ではアップル等の汎用的なコンピューターをベースにシステム構築しているため、商品価格はおよそ1/10程度となっています。
さらに、当社はソフトウェア系会社の中でも、商品にいわゆる「レジ」機能だけでなく、非常に幅の広い機能を持たせているという強みを持っており、「圧倒的高機能」として訴求しています。会計は小売店業務全体で見ればごく一部であり、そのほかにも商品の発注、入庫時の検品、バーコードのついていない商品であれば、商品登録もしなくてはなりません。また、年度末には棚卸しという煩雑な業務もあります。当社の「スマレジ」は業界でも唯一、これらすべての機能を備えており、個々のお客様のニーズに応じて、レジ機能だけを利用することもできますし、さまざまな付帯機能を付けることも可能です。
お客様の業務効率化を追求するため、「圧倒的高機能」をますます進化させていきます。そのためのベースとして、2020年夏のリリースを目指しているのが、スマレジの新バージョンである「スマレジ4.0」。「スマレジ」を当社だけでなく、サードパーティーによる追加開発も可能なプラットフォーム化することを開発コンセプトとしています。
現在、特に追加開発のニーズが高い領域として、「スマレジ」以外の決済システムからの売上も集約できるようにすることが挙げられます。飲食業界では、「カフェで起業し、成功したら次は焼肉、その次はラーメン・・・」といったように、ジャンルをまたいだ事業展開をされる経営者が少なくありません。こうしたケースで、たとえばカフェと焼き肉店では「スマレジ」を利用しているけれど、ラーメン店では省人化のために券売機を使っているとしたら、現状では全業態の売上を集約することはできず、スムーズな経営状況把握の妨げとなっています。もし、券売機の売上もAPIでスマレジのデータと合体できるようになれば、こうしたお客様にとっては大きなメリットです。このような便利な接続アプリを他のシステム開発会社、もしくはECのプラットフォーマーなどにも自由に開発してもらい、「スマレジ」のお客様に販売できるアプリマーケットを展開していきたいと考えています。
外部データの取り込みに加え、POSレジのメリットである集積されたデータの活用法を広げていくことにも注力していきます。当社ではすでに数種の分析グラフを用意していますが、お客さまのご要望は無限にあり、たとえば「ウィークデイと土日の売れ筋商品を比較して見たい」といったリクエストにはまだ対応できていません。こうした領域も他社でどんどんカバーいただくことにより、客単価も上がり、ユーザー層の拡大にもつながっていくでしょう。BI(Business Intelligence:社内の情報を分析し、経営に生かす手法)やCRMの領域は、今後深耕すればするほど、可能性が広がっていくと考えます。
将来的には、たとえば売上データをもとにした経営分析指標を金融機関の与信目的に活用していくなど、他業界とのデータ共有の方向性もあり得ます。「スマレジ」はクラウドを活用しているため、当社は顧客各社によって集められた膨大な購買データにアクセスすることが可能。その潜在価値には、大きな夢と期待をかけています。