募集の概要
- 買収対象領域
- ・インターネット配信やアプリ連携等、音声コンテンツを活用した新規ビジネス創出に協力いただけるICT関連会社 ・音声コンテンツを二次活用した商材・サービス制作で協力いただける制作会社 ・音声コンテンツサービスのユーザビリティ向上に貢献する技術を開発する会社(例:音の聞きやすさ、指向性等) ・映像関連、マーケティング関連など含め、ラジオ放送および関連エンターテイメント事業の拡充に貢献する技術を開発する会社
- 募集の特徴
M&Aの方針
- 買収対象業種
- 買収除外対象
- 上記と全く関連のない領域は対象外とさせていただきます。
- 買収予算
- ロックアップ
- あり
M&Aの戦略
何をやっているのか?
1954年の開局以来65年にわたり、ラジオというメディアを介し、“音声で伝える”事業に取り組み続けてきました。現在、AM、FM、インターネットラジオの3つのチャネルを持ち、日々の暮らしに密着したエンターテイメントや生活情報を届けており、特に防災の観点ではファーストインフォーマーとしての役割を担っています。また、クライアント企業に対しては、生活シーンにマッチした広告を通じ、最適なソリューション提案に努めています。
番組は1日24時間、時間帯によってさまざまなリスナー層をターゲットに編成。看板番組には、10年以上続く「大竹まこと ゴールデンラジオ」や、アイドルの出演も多く、高校生、大学生に人気の「レコメン!」などがあり、ラジオならではの即興トークの魅力で根強いファンを獲得しています。
さらに、当社が大きな強みを持っているのが、アニメやゲームで活躍する声優を活用した番組作りです。アニメ&ゲーム(A&G)分野において、当社はパイオニアであり、圧倒的なリーディングカンパニーでもあります。
アニメだけでなくゲームにも声優が起用されるようになってきた1990年代に、いち早く声優本人にスポットを当てた番組を制作。通常は影の存在である声優が出演してプライべートを語ったり、リスナーの葉書を読みながらアニメやゲームの決めぜりふを披露したりする番組に、コアなアニメ・ゲームファンからのはがきが殺到しました。作品の世界観を売り込むため、番組提供を行いたいアニメ会社やゲーム会社からの引き合いも対応しきれないほど寄せられ、A&G専門のインターネットラジオ局「超!A&G+」の立ち上げに至りました。現在、A&Gの番組数は、地上波と合わせて毎週200近くに上っています。
放送以外の事業としては、当社は昔から音楽コンサートを積極的に開催してきた経緯があり、イベント企画運営にも強みを持っています。放送局が主催していることが安心感につながり、出演者集めや会場確保がしやすいことも大きなアドバンテージです。今、活況を呈しているライブのニーズなどに対応するため、2019年4月には新たに「エンターテイメント事業局」を立ち上げています。
当社主催のイベントで特に大規模なのは、2006年から毎年開催している世界最大のアニメソングフェス「アニメロサマーライブ」です。レーベルを超えた著名アーティストや声優が1日40組ほど出演し、3日間で84,000枚のチケットが発売直後に完売する人気イベントで、物販の売上も億単位に上ります。
何を目指しているのか?
社会の信頼を獲得しているラジオ局ブランドをベースに、音声コンテンツを中心とした360°展開の強化を図っていきます。ライブ開催を組み合わせたり、「YouTube」やSNSなども活用しながら、時代に対応したコンテンツ、ビジネスモデルの創出を目指します。
「音声コンテンツを中心とした360°展開」の例としては、A&G分野の最大の人気番組「神谷浩史・小野大輔のDearGirl〜Stories〜」のマルチ展開が挙げられます。スタジオ外での番組収録を積極的に行い、その収録風景を撮影した動画などを活用したファンイベントを開催して、チケット販売と物販を展開。さらに、イベント当日は、韓国・香港・台湾でもライブビューイングを開催し、その映像は後日ブルーレイとして発売します。このように、放送上のコンテンツをイベント化し、考えられる限りのさまざまな商材に転換していく戦略を今後一層加速していきます。
コンテンツの面では、A&G以外にも、ニッチでディープなジャンルを開拓していきたいと考えています。たとえば、ここ数年、注目している分野の一つは「落語」。若手の二つ目・真打の噺家が出演し、若年層のファンを獲得している。市場規模は小さいものの、落語の持つ歴史性や世代を超える力をうまく組織化していけば、マネタイズできるのではと考え、研究とトライアルを続けています。
また、関連会社を中心に展開している音楽出版事業に関しても、新たな可能性を追求していきます。一般にはあまり知られていないことですが、楽曲をプロモートする機能を持つラジオ局の多くは、原盤の権利を所有してレコード会社に供給する音楽出版事業を行っており、アーティスト発掘機能も持っています。当社はこれにA&Gのノウハウを融合させ、サイボーグギタリストが未来から来たという設定のハードロックユニット「IRONBUNNY」をプロデュース。「YouTube」で特に欧米の視聴者からの人気が高く、ファーストアルバムの発売も控えています。
既存の原盤権を活用したライツビジネスの有望プロジェクトもあります。当社は、1970~90年代に日本と中国語圏で活躍したビッグアーティストの原盤権を所有。今、中国では音声プラットフォームアプリ「Himalaya」の会員が4億人に達するなど、マスメディア以外のインフラの発展が目覚ましく、著作権に関する考え方も大きく改善してきていることなどから、オポチュニティは大きいと見ています。
何を必要としているのか?
新たな収益源となるビジネスの育成に向け、パートナーを求めています。当社はコンテンツ制作のノウハウは豊富に有している一方、ICT方面のリソースやノウハウは不足しており、新規事業創出にあたり、必要なシステム構築のビジョンを描くことができるグループ体となるべく、外部の力を入れたいと考えています。
たとえば、先ほど触れた「Himalaya」の活用などにおいても、当社の持つコンテンツをどのように商材化し、潜在価値を引き出していけるかを検討していくうえでは、音声配信やアプリ開発の専門ノウハウを持つパートナーが必要です。「Himalaya」以外にも、インターネットラジオサービス「radiko」なども、音声コンテンツとモバイル環境をつなぐプラットフォームとして有望であり、そうした場を活用した商材づくりを得意とする会社や関連テクノロジーを開発している会社と手を組みたいと考えます。
また、ユーザーの利便性向上の観点でも、音声コンテンツにより便利にアクセスできる技術には高い関心を持っています。たとえば、特定の狭い範囲にいる人に選択的に音を流す技術の開発が進んでいますが、これをオフィス環境で活用することにより、他の人の邪魔になることなく、かつ周囲の音も聞ける状態でラジオを聞きながら仕事ができるとか、病棟で活用すれば、自由に寝返りを打てる状態でラジオを楽しめるといった可能性が広がります。他にも、高齢者に音を聞こえやすくする、家電でラジオが聞けるようにするなど、誰でもいつでもどこでも音声コンテンツにアクセスできるようにするために考えられることは、まだまだあるはずです。
音声関連以外にも、「360°展開」で関わってくる映像関連の技術も検討したいですし、リスナーの嗜好を分析するなど、マーケティング関連の技術も有効に活用できる可能性があります。放送には一見関係のない技術やリソースであっても、幅広く協業の可能性を探っていくため、ぜひ一度お声がけいただき、まずはざっくばらんにお話しできればと考えています。
何を提供できるのか?
当社が65年に及ぶ放送事業を通じて蓄積してきた、各種のノウハウ、リソース、情報を展開できます。
まず、放送局ブランドの持つ認知度や安心感、固定ファンを持つ企業としての優位性が加わることで、事業展開上、対外的な交渉力の向上が期待できます。
芸能・音楽・スポーツ関連、声優・アニメ関連、アプリ・ゲーム関連会社との幅広いコネクションもあります。A&G分野では、当社は声優、ディレクター、放送作家等を養成する「A&Gアカデミー」も10年ほど運営しており、卒業生を番組制作等に活用しています。これらの関係性を活用することにより、新規事業においても、スポンサー獲得や最適なコンテンツ制作を優位に進めることが可能です。
また、当社は、大手を含む広告会社とも緊密なつながりがあります。今、広告業界も新規ビジネスを求めている中、面白い企画を持ち掛ければ、アイディアや販路を広げるべく、積極的に参画してくれる有力なパートナーです。
さらに、コンテンツの面では、当社には過去の膨大な音声アーカイブがあり、昭和期のラジオドラマなどの中には、非常にクオリティの高い作品が少なくありません。著作権の問題があるためハードルは高いものの、商材として活かすことができれば、大きな可能性を秘めています。
起業家・経営者に向けてひとこと
当社はいわゆる老舗企業でありながら、社員全員がプロデューサー感覚を持ち、インターディビジョナルに新規提案、そして問題解決に率先して取り組む気風があります。A&Gに象徴されるように、常に新しいコンテンツ・技術にキャッチアップし、そこでリードを取っていきたいという強い意思を持っています。
そんな私たちと志を共有し、共に挑戦してくださる皆様からのお声がけをお待ちしています。