募集の概要
- 買収対象領域
- ●HR関連領域(人事関連システム開発、人材紹介事業) ●Ed Tech関連領域(人材教育研修事業、教育コンテンツ開発、VR等のデジタル技術による動画コンテンツ制作など) ●先端リードテクノロジー領域(ブロックチェーン、AI、IoT、ビッグデータ、ITセキュリティ) ●SES ●デジタルマーケティング
- 募集の特徴
M&Aの方針
- 買収対象業種
- 買収除外対象
- 上記と全く関連のない領域は対象外とさせていただきます。
- 買収予算
- 契約締結までの期間
- 最短2ヶ月
- ロックアップ
- あり
- その他M&Aの方針
- 売上10~20億円、営業利益1~2億円以上程度の会社を中心に、検討したいと考えています。
M&Aの戦略
何をやっているのか?
当社は1997年に創業。企業向け学習管理システム(Learning Management System)の開発および販売を中心に、OracleやIBMなどのベンダー認定研修、eラーニングコンテンツの開発など、20年以上にわたり一貫して、企業向け人材育成サービスを提供してきました。eラーニングシステム「iStudy」シリーズは、ITエンジニアを抱える企業の間では高い知名度を誇ります。
2002年には東証マザーズに上場、2014年に東証2部に市場変更を果たしています。
現代表の私、中川は2017年にジョインし、2019年3月に代表に就任。経営陣が変わったタイミングで、社内の有形無形の資産の棚卸しを行い、事業展開の方針を再構築しました。
当社最大の資産は、eラーニングのシステムと人材育成のスキルです。これらを活用した新たな事業モデルとして、グループ内にITエンジニア集団を抱える方向性もあるのではないか。そこにこれまで外販してきた教育システムをビルドインすれば、未経験者を含む新規採用者を着実に戦力に育て、競争力の高い組織を作れるはず――そんなプランを考え始めた矢先、たまたまシステム開発会社から事業承継の相談を受け、M&Aしたのが、現子会社のクシムソフトです。この領域では、その後も積極的なM&Aにより2社を仲間に迎え、現在約200名体制。SESを中心に、受託開発やITエンジニアの人材紹介などを含めて「アカデミー事業」と称しており、祖業の「eラーニング事業」と同程度の売上規模となっています。
新体制への移行に際しては、IT業界の最新トレンドにアンテナを張りつつ、将来の事業の芽を育てていく「インキュベーション事業」も立ち上げました。現在、育成に携わっている案件の中には、出資者として必要なアドバイスを行いつつ、基本は見守るスタンスで関わっているケースもあれば、実証実験に協力するなど、共同開発者として深く関わっているケースもあります。
目下、フォーカスしているのは、「AI」「ブロックチェーン」をはじめ、「IoT」「ビッグデータ」「ITセキュリティ」などの領域です。これらの専門知見を採り入れることにより、eラーニングコンテンツの拡充と自社のITエンジニアの能力開発につなげていくことを想定しています。また、これらの技術を用い、顧客企業の事業課題の解決やIT活用による効率化、システムプロダクトの開発請負が可能になると考えています。
2020年5月には、社名をアイスタディ株式会社から株式会社クシムに変更しました。「アイスタディ」の名はIT業界においても、また投資家の間でも知名度が高いだけに、「『iStudy』シリーズの会社」という従来のイメージと強く結びついています。今後、時代の変化に即して柔軟に事業ドメインを広げていくにあたっては、新社名が必要だと考えました。
「クシム」とは、古代メソポタミアにおいて、史上初といわれる帳簿に署名した人物の名前です。当時の石板から紙、さらには電子データへと媒体は変われど、「帳簿を付ける」という行為は現代まで数千年に及んで引き継がれてきました。その祖にあやかり、当社も「未来永劫、社会に必要とされる存在になりたい」という思いを込めています。
何を目指しているのか?
新社名と併せ、当社はミッションも新たに設定し、「HR Tech×Ed Tech領域で日本を代表するソリューションカンパニーを目指す」を掲げました。eラーニング事業を通じて知見を蓄積してきたHRと教育の領域に足場を置きつつ、最先端の技術開発においてもポジションを獲得し、世界で歓迎される日本発のソリューションを生み出していくことを志向しています。
こうした思いの下、最先端技術の中でも、特に深くコミットしているAI関連では、人手不足が深刻な介護現場での課題解決に取り組んでいる、東京大学の研究室と協働。介護福祉施設内の監視カメラ映像から、入居者の転倒などを自動で検知する仕組みの開発を進めています。また、人の健康に欠かせない「食」の分野にも注目しており、幼稚園や保育園を対象とした給食事業を行う会社と提携。現在は、オンライン食育講座の共同開発に取り組んでいます。
一方、ブロックチェーン領域では、バーチャル株主総会の議決権行使アプリケーションなどの開発に参画しています。
海外展開においては、もともと「iStudy」シリーズは東南アジアでも人気があったことを踏まえ、2020年1月にはシンガポールのeラーニング企業と資本業務提携。直後に深刻化した新型コロナによる遅れは出ているものの、今後、幅広いサービス展開を進めていきたいと考えています。たとえば、すでに国内で開発を始めている食育コンテンツなどは海外でも関心が高い分野であり、市場導入に成功する可能性は十分にあると見ています。
何を必要としているのか?
上記のミッション達成に向け、当社は今後もM&Aを積極的に活用しながら、非連続な成長を図っていきたいと考えています。現在、注目しているのは、以下のような領域です。
●HR/Ed Tech関連領域(当社注力領域)
HR領域では、人事関連システム開発、人材紹介事業をイメージしています。Ed Tech領域では、人材教育研修事業、教育コンテンツ開発、VR等のデジタル技術による動画コンテンツ制作などに関心を持っています。いずれも、当社のLMSの機能強化、eラーニングコンテンツのリッチ化に資するものと考えています。
●先端リードテクノロジー領域(ブロックチェーン、AI、IoT、ビッグデータ、ITセキュリティ)
ブロックチェーンやAI、IoT、ビッグデータ、ITセキュリティのプロと組み、それぞれの知見を活用した事業で協働することを想定しています。eラーニング事業において、各領域のコンテンツを開発していくことはもちろん、研修・育成カリキュラムをパッケージ化し、社内外のエンジニアに提供していく方向性もあり得ます。
●SES事業(ITエンジニア数の規模追求)
ITエンジニアの参画による収益拡大、といった直接的なシナジーを期待できます。
●デジタルマーケティング事業(当社グループに不足する機能)
当社は長年B2B領域で事業展開してきましたが、今後、人材紹介事業「iStudy Academy」やB2Cに向けたeラーニングコンテンツ販売を拡大していくことを考えると、B2C向けマーケティング機能の強化が課題となります。特に、デジタル領域のマーケティングに強みを持つ会社を迎え、高いパフォーマンスを実現したいと考えています。
何を提供できるのか?
当社経営陣には、長年、M&Aのアドバイザリー業務に携わってきた代表の私をはじめ、VCや事業会社などで豊富なM&A経験を積んできたメンバーがそろっています。上場企業グループとしての資金面・情報面・ネットワーク面での強みも活かしつつ、各社の状況に応じた提案を行い、成長をサポートします。実際、これまでにM&Aした企業はすべて、1年以内に単月黒字化を果たしています。
たとえば、唯一の事業承継M&Aであったクシムソフトの場合、当社eラーニング事業の顧客基盤を活かし、新たな発注先の開拓につなげています。クシム本体だけでなく、グループ内他企業との連携をも通じて成長可能性が広がり、従業員のモチベーションも高まっています。
経営陣が続投している他のM&A先に対しては、シナジー創出に向け、質・量ともに充実した対話を重ねながら、提案を行ってきました。PMIの推進においては、それぞれの事業や会社の仕組み、メンバーの考え方などをどれだけ深く理解できるかが鍵を握ります。クシムのメンバーには徹底的に相手に向き合う姿勢が身に着いており、上から何かを変えようとするようなことは一切ありません。いわゆるカルチャーギャップを障害ととらえるのではなく、違いがあって当たり前という認識の下、互いに認め合う関係を築いていくことを志向しています。
起業家・経営者に向けてひとこと
最近、当社のキーワードに掲げ、コーポレートサイトでもトップに表示している「Move forward to the future」が、M&Aにおいてもポイントになると思っています。貴社の事業を前進させていくパートナーとして、当社を選んでいただけたら嬉しいですし、私たちにはベストパートナーになれるという自信もあります。
場合によっては当社に託していただく形でも構いませんが、できれば現経営陣には残っていただき、共に未来を創っていく形が理想です。シナジーとは、「生まれてくる」ことを期待するものではなく、主体的に「創っていく」べきもの。その過程をも楽しみつつ、一緒に成功体験を積み重ねていきませんか? お声がけをお待ちしております!