募集の概要
- 買収対象領域
- ●自社内にITエンジニアを抱えるシステム・アプリ開発会社 ●安心・安全に関わるクラウドサービスを展開する会社 ●AI領域の知見を有する会社 ●自治体向けのサービスを展開するシステム開発会社
- 募集の特徴
- 買収スケジュール
- 公開情報、決算書類、文書による質疑応答等をもとに、簡易的なデューデリジェンスを行った後、面談を通じて、当社とのシナジーや事業の成長性を判断させていただきます。 基本合意まで2カ月程度、クロージングまでは3カ月程度が目安となります。
M&Aの方針
- 買収対象業種
- 買収除外対象
- 以下に該当する会社は、対象外とさせていただきます。 ●クラウド化に馴染まないなど、今後イノベーションを図る余地のないプロダクトをお持ちの会社 ●ワークスタイルや企業文化の面で、官公庁や自治体、大企業を顧客とするビジネスに適さない会社(例:昼夜逆転のワークスタイルなど) ●売上高に比して負債が多すぎる会社
- 買収予算
- ロックアップ
- 交渉次第
M&Aの戦略
何をやっているのか?
ドーンは、国内における地理情報システム(GIS:Geographic Information System)開発のパイオニアです。
1991年、神戸で会社設立。もともとフリーランスでCAD開発を手掛けていた創業者が米国旅行中にGISに出合い、GISの発想を採り入れたCAD開発に挑戦したのが最初の事業でした。
1994年には、本格的なGIS開発を支えるミドルウェア「GeoBase Ver1.1」をリリース。その後、インターネットが急激に普及するなか、1999年に国内初となる完全Web版への移行を果たしました。その進化版が、現在、当社の開発業務全般のベースとなっているミドルウェア「GeoBase.NET」です。これを活用し、全国の官公庁・自治体を主な顧客に、交通管制、犯罪分析、消防、防災などの分野において、人々の安全・安心を支えるソリューションを開発してきました。
受託開発に加え、近年は、クラウド環境を活用した自社サービスの開発にも注力。すでに10を超えるサービスを展開しています。
なかでも、市場において圧倒的なシェアを持ち、当社の代表的サービスとなっているのが「NET119 緊急通報システム」。聴覚や言語に障がいのある方が、スマートフォンや携帯電話の画面操作で消防・救急に通報できるシステムです。国が推進する事業に当社も参画しているもので、全国に約700ある消防本部のうち7割近くに採用されています。
クラウドサービスではほかに、2019年より実証実験を開始した「Live119 映像通報システム」も画期的製品です。スマートフォンのビデオ機能を活用し、火災の状況、患部の状態などを消防や救急に映像で伝えられるため、一刻を争う状況で、音声よりも精度の高い情報を迅速に共有できます。すでに神戸市などの自治体で実証実験を行い、約10の自治体で本採用が決まっており、東京都でも実証実験中です。
20年以上にわたり、GISに特化した事業を展開してきた当社では、高度な専門技術を磨いてきました。これまで特許も多数取得しています。
地理情報を扱うソリューションを構築するうえで避けて通れない課題の一つに、データ量の大きさがあります。このため、送受信を行う際にはいったん必須情報だけを抽出し、複数に分割して送ったうえで、受信側で要素を迅速に再構成し、表示させる必要があります。警察、消防、救急など、緊急性の高い現場のニーズに応えてサービスを進化させてきた当社は、この地理データの圧縮・再生技術において、他社の追随を許さないレベルを達成しています。
何を目指しているのか?
現在の10~20代は、あまりにも身近な存在であるスマートフォンに対し、もはや「デバイスを使っている」という意識すら薄くなっているようです。新しいアプリでも、操作説明などなしに直感的に操作することが当たり前の時代となりました。
当社ではこれまで、「人と情報」をつなぐことをコンセプトにシステム開発してきました。スマホを身体の一部のように感じる人が増えている今、これからの目標は、「人と人」が直接つながれる、ツールとしての存在感を極力なくしたサービスを開発していくことです。すでにメールやLINEがそうなっていることを考えれば、決して非現実的な話ではないと考えています。
一方で、サービスの提供を通じ、より安心・安全な社会をつくることに貢献していきたい思いは、これまでもこれからも変わることはありません。神戸に本社を置く当社には、阪神大震災の鮮烈な記憶を持つ社員が多くいます。震災は、GISの重要性が社会に認知されるようになったきっかけとして、ある意味、現在の当社ビジネスの原点でもあります。
当社はこれまでに、官公庁や自治体、社会インフラ事業者向けのビジネスにおいて、一定の知見と認知度を獲得することができました。今後は培ったノウハウをより広く民間事業者向けにも展開し、多方面から安心・安全を追求していくことを目指します。
サービスの提供形態に関しては、引き続き、クラウドサービスの割合を高めていくことを重視しています。この20年を振り返ると、2002年に現・東証JASDAQへの上場を果たした当時は、ミドルウェアのライセンス料とそれに付随する受託開発フィーが売上のすべてでした。それが今では、自社クラウドサービスの使用料と初期費用による売上が、全体の3分の2を超えるまでになっています。
クラウド時代への対応という観点に加え、開発コストの観点から見ても、カスタム対応が基本となる受託開発よりも、不特定多数の顧客に展開可能な自社サービスに注力した方が効率的です。今後は顧客ターゲットを民間事業者へと広げつつ、新規のクラウドサービス開発に精力的に取り組み、事業成長を加速させていきます。
何を必要としているのか?
岩田 潤取締役
上記のビジョンの実現に向け、以下のようなパートナーを求めています。
●自社内にITエンジニアを抱えるシステム・アプリ開発会社
GoogleやAppleのコンポーネントを使った開発経験があり、C系言語を扱えるエンジニアを擁する会社全般が対象になります。
求めるエンジニア像を挙げるなら、「想像力を駆使して、最適なUIを構築できる人」。主にスマホでアクセスするエンドユーザーの立場に立ち、限られた画面遷移数の中で、必要な操作を完結できるフローをつくる必要があるためです。したがって、製造業界向けのシステム、コーポレート向けのシステムなど、オペレーションミスの防止を第一義とする開発作業とは、ややベクトルが異なります。
UI構築力以外では、グラフィック系、たとえばアニメやゲームなどの映像を扱うスキルについても、地理情報サービスとの親和性が高いと考えています。これは必須条件ではありませんが、あればプラスになるはずです。
●安心・安全に関わるクラウドサービスを展開する会社
当社と同様に安心・安全に関わるクラウドサービスを展開する会社様とは、クロスセルが見込めると同時に、既存製品の進化や共同での製品開発においても、よいパートナーになれると考えます。
当社がこれから攻略していきたい民間企業向け領域に強い会社様は、特に歓迎します。IT化の余地が大きく、安全への配慮が欠かせない業界として、たとえば建設業界などは、当社技術の活用価値が大きいのではないでしょうか。地理情報を活用し、現場における作業者の最適な動線を導き出すソリューションなど、ニーズがあるのではないかと考えます。
同じような発想で、たとえば複合機など、機器類のメンテナンスを行う人を対象としたソリューションもあり得ると思います。複合機であれば顧客先のトナーの減り具合などを勘案し、緊急性の高い顧客先を効率的に回れるルートを提案できるでしょう。労働時間を短縮できれば、過労による事故の抑止にもつながります。
このほか、安心・安全が特に求められる領域として、子どもや高齢者に関わるサービスにも注目しています。この領域ではたとえば、幼稚園やスイミングスクール、デイケアセンターなどの送迎バスの運行状況を、家族がリアルタイムで把握できるようにするといったソリューションを想定しています。
●AI領域の知見を有する会社
エンジニアのリソースが限られているなか、開発の省力化に貢献するAIを提供してくださる会社様にも関心を持っています。たとえば、先ほど触れた最適ルートの抽出などは、まさにAIを活用したい領域です。
●自治体向けのサービスを展開するシステム開発会社
自治体向けサービスを展開する会社様をグループに迎え、当社の持つ、全国の自治体とのパイプを活用することにより、導入先を大きく広げていく方向性もあり得ます。「地元や近隣県ではすでにシェアを獲得しているものの、全国展開はまだできていない」といったサービスを持つ会社様であれば、当社と組むことで、事業規模を一気に拡大できる可能性があります。
自治体向けサービスも、住民との接点で活用されるものから、自治体内の業務を支えるもの、たとえば住基ネット関連サービスなどまでいろいろあります。いずれに関しても、当社なら拡販のベストパートナーになれるだけでなく、ユーザー数拡大に伴うシステム基盤強化においても、万全のサポートが可能。緊急通報の現場で鍛えられた当社の基盤は、「大きな負荷がかかっても止まらない」点において、最高レベルを誇ります。
何を提供できるのか?
当社には官公庁や全国の自治体に加え、民間企業では電力会社、鉄道会社などを含む顧客基盤があります。受託開発の顧客先はもちろん、クラウドサービスの提供先に関しても、導入サポートや運用に伴うフォローアップを行っており、関係性は緊密です。このパイプを活用して貴社サービスを提案できることは、大きなメリットと言えるでしょう。
また、官公庁や自治体に関しては、新たな取引先を開拓するにあたっても、当社が長年積み上げてきた営業ノウハウを展開できます。
たとえば、官公庁や自治体では、提案営業が成功したからといって、すぐに導入が可能になるわけではありません。予算案に組み込まれ、施行されるまで、通常は2年程度待つ必要があります。しかし、緊急性が高いと判断された案件に関しては、別途、特急の手続きルートも存在するのです。こうした役所ならではの内部事情に通じている当社と組むことで、多くの企業がぶち当たる壁を突破しやすくなるはずです。
GISという特殊な分野において、技術情報が蓄積され、専門知見を持つ希少な人材がそろっていることも大きな強みです。
たとえば、先ほど例に挙げた、送迎バスの運行状況を見える化するサービスを新たに開発する場合、GPSによる位置情報、地図情報、ユーザーへの通知機能という3つの要素が必要。このうち、最初の2つは当社から提供できるわけです。この点に関して、当社と同等の力を発揮できるパートナーは、なかなかいないのではないでしょうか。
このほか、特にスタートアップの会社様などでは、少数精鋭で運営されているため、バックオフィス業務が負担となっているケースもあるかと思います。こうしたケースでは、当社のコーポレート部門に機能を集約させることにより、本業に集中できる環境を提供できます。
起業家・経営者に向けてひとこと
スマホの普及とITの進化により、さまざまなシーンにおける安心・安全を、社会のすみずみまで届けられる環境が整ってきました。このような状況において、私たちは、当社が保有する資産と貴社の技術や知見、製品やサービスと等を掛け合わせ、柔軟な発想を持って、人々に真に必要とされるサービスを生み出していきたいと願っています。サービスの内容によっては、いずれは海外展開も目指すつもりです。
「御社のサービスで人命が助かった」「事故を未然に防げた」といった反響をいただける仕事のやりがいは、他に代えがたいものがあります。ぜひご一緒に、「人と人」を迅速に、着実につなぐサービスを通じて、社会に貢献していきましょう! ご連絡をお待ちしております。