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M&Aによる会社売却の主な流れ|成功させるポイントや注意点も


公開日:2021年4月2日  最終更新日:2023年1月23日

M&Aとは、会社の合併と買収のこと

M&Aとは「Mergers and Acquisitions」の略です。Mergersは企業の「合併」を、Acquisitionsは企業の「買収」を意味します(狭義のM&A)。「合併」の手法には吸収合併や新設合併があり、「買収」の主な手法には株式譲渡や株式交換、新株引受、第三者割当増資などがあります。

さらに、広義のM&Aとして、企業の買収や合併にとどまらず資本提携までM&Aの範疇に含める場合もあります。

M&Aは、買い手企業とっては既存事業の基盤の強化や新規事業への参入などを実現できる手段であり、売り手企業にとっては資金調達や後継者不在の解決(事業承継)を実現できる手段です。

「買収」の主な手法:株式譲渡と事業譲渡

「株式譲渡」と「事業譲渡」は、どちらも狭義のM&A(会社の合併と買収)のうち、「買収」のために用いられる手法です。会社売却とは、この「買収」を、売り手企業から見た表現といえます。

「株式譲渡」とは、株式譲渡契約に基づき、売り手企業の株主が、買い手となる企業あるいは個人に株式を譲渡することです。事業譲渡とは異なり譲渡の対象は株式のみで、発行済株式の過半数の株式を譲り渡すことで買い手に経営権が移転します。

「事業譲渡」とは、事業譲渡契約に基づき、売り手企業が、所有している事業の一部もしくはすべてを、買い手企業に譲渡することです。事業上重要な一部の事業のみを譲渡する場合は「一部譲渡」、すべての事業を譲渡する場合は「全部譲渡」と呼びます(会社法467条参照)。

事業譲渡の対象となる「事業」とは、一定の目的のために組織化された有機的一体として機能する有形、無形の財産・債務、事業組織、ノウハウ、取引先との関係などを含む包括的な概念で、事業譲渡契約を締結するにあたって、譲渡する資産や契約等を個別に選別する必要があります。事業譲渡は「事業」が取引の対象となるため、株式譲渡と異なり、売り手企業の経営権が買い手企業に移転することはありません。

つまり「株式譲渡」と「事業譲渡」の主な違いをまとめると、取引主体(株式譲渡:株主、事業譲渡:当該事業を有する企業)と譲渡対象(株式譲渡:株式、事業譲渡:財産・債務・事業組織・ノウハウなど)、経営権の移転の有無(株式譲渡:経営権の移転がありうる、事業譲渡:経営権が移転しない)にあるといえます。

「合併」の手法:吸収合併と新設合併

狭義のM&A(会社の合併と買収)に含まれる「合併」とは、複数の会社を統合してひとつの企業にする行為です。

会社の合併は、存続する会社の有無により「吸収合併」と「新設合併」に分類されます。「吸収合併」は、吸収される側の会社が持っている権利や義務は、合併先の会社にそのまま受け継がれるという特徴を持っています。

「新設合併」は、合併の当事者になる2社を解散し、新たに会社を設立する手法です。新設合併では、合併前の企業が有していた許認可などは当然には引き継がれないケースもあるため注意が必要です。

M&Aで会社売却(株式譲渡・事業譲渡)する際の主な流れ

M&Aで会社売却するにはどうしたらよいのか、流れについて紹介します。

M&Aをしたいとは思ってもすぐには実行するのは難しく、必要な書類や手続きが存在しています。M&Aをスムーズに成功させるために、どのような手続きが必要なのかを把握し、必要な書類を揃えられるようにあらかじめ準備しておくとよいでしょう。

1:売却先の探し方を知る

売却先の探し方には、M&A仲介会社を利用して売却先を探す方法、商工会議所を利用する方法、そしてM&Aマッチングサイト(プラットフォーム)を活用して自ら探す方法などがあります。

M&A仲介会社は譲渡側の希望を鑑みて、その意向に沿った買い手候補企業に打診してくれます。必要な書類の準備から相手方との交渉など、M&A成約までのサポートを提供しくれるぶん、成約や成約に至るまでの手数料が割高になる傾向があります。

商工会議所は、地元のネットワークを生かしてM&Aの買い手候補企業を探してくれます。地元企業の情報に強く独自の情報を持っている可能性がありますが、M&Aに関する専門的なサポートは期待できません。

M&Aマッチングサイトは、M&Aをしたい買い手企業と売り手企業が、インターネット上のプラットフォームを利用してM&Aを行う方法です。基本的にM&Aを目指す企業同士が自主的に相手を探す仕組みのため、成約時の手数料が安くなることがメリットです。

2:必要書類を準備する

まず、売り手企業側は売却先企業の候補一覧書類「ロングリスト」や「ショートリスト」を作成します。ロングリストは買い手企業候候補を特定の条件に沿っておおまかにリストアップしたもので、そこから一定の条件をつけてさらに候補数を絞り込んだものがショートリストです。

ショートリストから具体的な売却先候補企業が見つかったら、通じて売却の打診を行います。その際、売却先候補企業への情報提供に利用するのが「ノンネームシート」や「企業概要書(IM・Infoemation Memorandunm)」です。

「ノンネームシート」には、売り手企業が特定されない程度の事業概要や売上高・利益の概要、売却希望額などを記載します。

「企業概要書(IM・Infoemation Memorandunm)」はノンネームシートに興味を示した企業に向けて、より詳細に、企業の沿革、財務状況、組織形態などを開示する書類です。開示する内容はあくまで売り手企業側が決定できますが、自社が特定され経営状況も明らかになってしまうため、開示前に売却先候補企業と売り手企業側が秘密保持契約を結んでおくのが通例です。

なお、上述したように、M&Aはインターネットのマッチングプラットフォームなどを利用して、売り手企業と買い手企業だけで実施することが可能です。M&Aアドバイザーを利用する場合は、M&Aアドバイザーとの間で企業秘密を守るための「秘密保持契約」、助言をもらうための「アドバイザリー契約」を交わす必要があるため、それぞれについて契約書が必要です。

3:自社の企業価値を客観的に把握する

現在の事業や財務状況などから企業価値を算定し、自社の価値について客観的な評価を把握することも重要です。

企業価値の算定を契機に自社の企業価値を高める方法を改めて検討したり、買い手企業との交渉の際に譲れない条件を考えるための端緒とすることもできます。また、ノンネームシートや企業概要書(IM)に記載する譲渡希望額の土台にもなります。

なお、企業の評価方法には貸借対照表から評価するコストアプローチ法や同業他社と比較するマーケットアプローチ法、将来性やリスクを考慮するインカムアプローチ法があります。

売却額を決める際のポイント

売却価格を決める際には、自社にとっても買い手側にとっても適正価格の範囲で決める必要があります。

難しいのは、自社にとって適正価格だと考えていても相手にとっては高すぎて希望価格が乖離してしまう可能性があることです。

こういったミスマッチを防ぐために、自社の企業価値算定を行って自社について客観的な評価を知っておくこと、自社の事業内容についてしっかりアピールすることが大切です。

4:売却先を検討する

M&A仲介会社や商工会議所からの紹介、M&Aのマッチングサイトでのソーシングなどを通じて売却先を検討します。

売却先を見つけやすくなるポイント

企業価値評価で現状の企業価値を把握した後は、買い手企業がより魅力を感じる企業へと改善するための施策を実施しましょう。

例えば、 事業の収益性を高める、借入金の圧縮や債務の整理で財務状態の改善を図る、株式譲渡制限のある非公開会社ならば、スムーズな株式譲渡に備えてあらかじめ各株主に対する説明や経営権の集中を行っておく、などの施策が考えられます。

M&Aの買い手企業と言ってもその目的は1つではありません。既存事業の規模を拡大したいと考えている企業、新しい事業立ち上げのためにM&Aを利用しようとしている企業、譲り受けることで取引先などを引き継ぎたい企業など、その目的はさまざまです。

売却先を選ぶ際には、買い手となる企業がどんな目的で譲渡企業を探しているのかを知って、自社を譲り受けてくれそうな企業を探したり、売却額について検討しましょう。

5:トップ面談で意向を確認する

M&Aの買い手が見つかったら、相手企業とこちらの経営者同士が話し合う「トップ面談」でお互いの意向について確認します。

トップ面談はお互いのことを知るために行います。基本的に、買い手側も売り手側も相手を知らないことが多いため、経営者同士の人柄やM&Aでどの程度の金額で売却するかなど、おおよその目安を話し合います。

この後からM&Aが本格化するので、トップ面談に向けて何を話すべきか、聞くべきかまとめておきましょう。

6:意向表明書(LOI)を受け取る

トップ面談を終えてとくに問題がなければ、買い手側から売り手側にM&Aの意思があることを伝える「意向表明書(LOI・Letter of Intent)」が提出されることが多いでしょう。意向表明書は必須ではないため、提出されない場合もあります。

意向表明書が提出された段階で、買い手側についての詳しい情報や、どのようなスケジュールを立てているのか、どのくらいの売却額で買いたいと考えているのかをおおよそ把握できてから、交渉スタートとなります。

7:合意条件を確認し基本合意契約を交わす

トップ面談から意向表明書提出を経て、M&Aの対象はどこまでなのか、売却額はどの程度なのか、といった基本的な内容について合意した場合は基本合意契約を締結します。

この段階で、M&Aについて基本的な内容がおおよそ決まります。基本合意契約の締結をもって、買い手側企業に対しM&Aの「監査の機会」や「独占交渉権」を与えることが多いでしょう。ただし、本格的な契約前であるため法的拘束力はほとんどありません。

8:デューデリジェンスを受ける

デューデリジェンス(DD)とは、買い手が売り手の事業や内部の体制などを徹底的に精査する作業です。M&Aの買い手側は、売り手側に何か問題がないか知るためにデューデリジェンスを実施するため、これを受け入れる必要があります。

デューデリジェンスにはいくつか種類がありますが、代表的なものとして財務デューデリジェンス、税務デューデリジェンス・法務デューデリジェンス・ビジネスデューデリジェンスなどがあります。買い手企業はあらゆる面から、徹底的にリスクの有無を確認します。

9:最終契約書(DA)を交わす

デューデリジェンスを経て売り手側、買い手側双方で最終的なM&Aの条件を確認し交渉した後、合意が得られれば「最終契約書(DA・Definitive Agreement)」を締結します。

最終契約は法的拘束力を持つためこの契約後に契約内容の破棄や解除が発生した場合、相手方から損害賠償を請求される恐れがあります。最終契約締結前に十分な条件の検討と交渉が必要です。

10:クロージングを行なう

最終契約を締結後はクロージングに移行し、契約内容にしたがって株式譲渡や事業譲渡を実現するための具体的な手続きが開始されます。

株式譲渡ならば株式譲渡契約で定めた数の株式を引き渡して支払いを受ければ終わりです。事業譲渡の場合は買い手企業に移管する資産や負債などについて個別に譲渡範囲が定まっているため、クロージングの過程で混乱が生じかねません。混乱を防止するためクロージングのための事前計画書を準備するケースなどもあります。

会社売却のメリットとデメリット

M&Aで会社売却するメリットには株主(オーナー経営者であれば経営者にも)に売却益が入る可能性があること、個人保証および連帯保証の対象ではなくなること、従業員の雇用を守れる可能性があるなどのメリットがあります。

デメリットとしては、売却後に会社売却後も何らかの形で会社に残るよう求められる場合(ロックアップ)があること、売却後に競業避止義務が課され、しばらくは売却した企業と同じ領域の事業を立ち上げることができなくなることなどがあるでしょう。

参考:会社を売るとどうなるの?会社売却のメリット・デメリット

会社売却を成功させるポイント

ここでは、M&Aを成功させるために大切なポイントについて改めて、紹介します。

M&Aを成功させるためにはM&Aに慣れている専門家の助言を得られるかどうか、売り手と買い手の希望をすり合わせられるかどうかがとくに重要となってくるでしょう。

自社の目的にあわせた買い手企業(売却先)を選ぶ

M&Aを始めるにあたって、自社がどうしてM&Aを選択するのか目的をはっきりさせ、その目的に沿った買い手企業(売却先)を選ぶことが大切でしょう。

売却の目的としては事業の承継を目指すことや従業員の雇用を守る、経営基盤の強化などがあります。目的に沿った売却先を選ばないと、売り手と買い手の間でミスマッチが起こってしまう可能性があるでしょう。

事前に情報収集し、専門家にも相談する

M&Aは、あらかじめ準備しておくべき項目が多岐にわたるため、高度な知見を持つ専門家に相談するのが、スムーズなM&Aを進めるうえの最大のポイントといえます。

身近なところでは、商工会議所や地銀・信金などの金融機関への相談も可能です。また、M&Aの仲介を手掛ける民間企業も存在するほか、近時、インターネット上でM&Aの買い手企業を探せる“M&Aマッチングプラットフォーム”と呼ばれる手軽な仕組みも普及しはじめました。

有人窓口での相談はそれなりに準備が必要になるため、まずはM&Aマッチングプラットフォームに情報を登録して買い手企業の情報収集から始めるのもよいでしょう。

会社売却の知識を深めてM&Aを成功させよう

会社を売却するためのM&Aには専門的な知識が必要になることが多く、スムーズに行うためには注意しておくべきポイントもあります。

M&Aマッチングプラットフォーム「M&Aクラウド」では、M&Aを応援をしています。買い手企業探しをインターネット上で完結できるのはもちろん、経験豊富なアドバイザー(FA)の手助けを受けることも可能です。お気軽にお問い合わせください。

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