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「ROE」「ROI」「ROA」?ややこしい3つの指標の違いを解説


公開日:2021年10月15日  最終更新日:2021年10月15日

こちらの記事では「ROE」「ROI」「ROA」の3つの指標について解説していきます。特にROEは近年注目度が上昇している指標ですので、比較的馴染みが深いでしょう。いずれも企業活動の効率性や投資収益性を表す重要な指標です。

それぞれの特徴や違い、使い方について詳しく見ていきましょう。

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ROEとは

まず、ROEについて説明していきます。ROEとはReturn On Equityの略称で、日本語では自己資本利益率や株主資本利益率と訳します。自己資本、すなわち株主が投下した資本に対する収益性、利益率を計る指標です。

1:ROEの計算式

ROEの計算式は、ROE(%)=当期純利益 ÷ 自己資本 × 100となります。ちなみに分子の自己資本は、「純資産の部合計-新株予約権-非支配株主持分」と表されることもあります。

2:ROEから分かること

先述のように、ROEは自己資本に対する収益性を表す指標です。その企業が自己資本をいかに有効活用して利益を稼いだのかが分かります。ROEが高ければ高いほど効率よく利益をあげている、ということになります。

具体例を挙げてみます。

「企業A:自己資本100・当期純利益10⇒ROE=10%」、「企業B:自己資本1000・当期純利益80⇒ROE=8%」の2つを比べると、当期純利益は企業Aの10に対して企業Bは80なので、企業Bのほうが利益をあげています。しかし、ROEは企業Aが10%に対して企業Bが8%なので、自己資本に対して効率的に稼いでいるのは企業Aとなります。

ROAとは

続いて、ROAについて説明していきます。ROAはReturn On Assetの略称で、日本語では総資産利益率や総資本利益率と訳します。総資産とは自己資本だけでなく、銀行からの借り入れや社債で調達した資金等の他人資本も含みます。

ROEよりも、基準となる資本の範囲が広い点に注意してください。

1:ROAの計算式

ROAの計算式は、ROA(%)=利益÷総資産(総資本)×100となります。

ちなみに、分子の利益には営業利益、経常利益、当期純利益のそれぞれが用いられるケースがありますが、理論的には債権者と株主に分配する前の利益であるEBIT(Earnings Before Interest and Taxes:利払前・税引前利益)を使用するのが望ましいと考えられます。

2:ROAから分かること

先述のように、ROAはその企業の総資産に対する収益性を表す指標です。ROAが高ければ高いほど、その企業は効率よく利益を稼いだということになります。

ROEとROAはどちらも資本に対する収益性を示す指標ですが、ROEは株主から投下された自己資本だけを分母にしている一方で、ROAは負債等も含めた全ての資産を分母にしている点が異なります。

ROIとは

最後に、ROIについて説明します。ROIはReturn On Investmentの略称で、日本語では投資利益率や投下資本利益率と訳します。ROEやROAと同じように、投下資本に対する利益率を表す指標です。

1:ROIの計算式

ROIの計算式は、ROI(%)=特定の事業活動からもたらされる利益÷特定の事業に対して投下された資本×100、となります。特定の事業に投下された資本とは、当該事業の運営に関連する流動資産や固定資産を指します。

2:ROIから分かること

ROIが高ければ高いほど、特定の事業活動に投下された資本から効率よく利益を稼いでいることになります。

ROEやROAとの異なる点として、ROIは特定の事業に投下された資本に対する収益性を測定することを目的としており、厳密な定義がなされているわけではない点があげられます。

「ROE」「ROA」「ROI」の違い

ここまでROE、ROA、ROIについてそれぞれ解説しました。ここでは3つの指標の違いをまとめていきます。

いずれも、投下資本に対していかに効率よく利益を稼いでいるかを表した指標ですが、大きく異なる点は投下した資本の種類です。言い換えると、計算式の分母にあたる部分になります。

具体的には、ROAは全ての資本=総資本、ROEは株主が投下した資本=自己資本、ROIは特定の事業活動に投下された資本を基準として、効率性を計算しています。

それぞれの基準や目安となる数値は無く、業種によっても水準が異なるため、同業他社との比較で用いられることが多い指標となっています。

ROEはさらに3つの指標に分解できる

ここまで説明してきたROEですが、その要素をさらに3つに分解することが出来ます。計算式で表すと、本来はROE(%)=純利益÷自己資本×100ですが、ROE=売上高純利益率×総資産回転率×財務レバレッジ×100に分解することができます。これをデュポンシステムと言います。

3つの要素を詳しく見てみましょう。下図のように、売上高純利益率は純利益÷売上高、総資産回転率は売上高÷総資産、財務レバレッジは総資産÷自己資本となります。

例えば、設例1のように売上高純利益率や総資産回転率が同じであったとしても借入金が多く財務レバレッジが高い会社の方がROEの値も高くなります。

設例

A社のX1年度の売上高が10,000百万円、純利益が1,000百万円、総資産が8,000百万円、自己資本が5,000百万円とします。

このときのA社のROEは

純利益1,000百万円/自己資本5,000百万円 = 20%

となります。

これをデュポンシステムで分解すると、

純利益1,000百万円/自己資本5,000百万円 = 純利益1,000百万円/売上高10,000百万円 × 売上高10,000百万円/総資産8,000百万円 × 総資産8,000百万円/自己資本5,000百万円

となります。

一方で、B社の売上高は10,000百万円、純利益は1,000百万円、総資産が8,000百万円、自己資本が2,000百万円とします。

このとき、B社のROEは

純利益1,000百万円/自己資本2,000百万円 = 50%

であり、A社よりも高いことがわかります。

ROEをデュポンシステムで分解すると、

純利益1,000百万円/自己資本2,000百万円 = 純利益1,000百万円/売上高10,000百万円 × 売上高10,000百万円/総資産8,000百万円 ×総資産8,000百万円/自己資本2,000百万円

となることから、財務レバレッジがROEの上昇に寄与していることがわかります。

それぞれの要素毎に経年変化や同業他社との比較を注視することで、より詳細な分析を行うことが出来ます。

なお、設例で述べた通り売上高純利益率と総資産回転率が一定であれば財務レバレッジが大きい方がROEは上昇しますが、有利子負債を増加すればその分金利負担が重くなり、純利益を押し下げる要因になります。

ROEを上昇させるうえで資本構成(負債と自己資本のバランス)を最適化させることも重要ですが、やみくもに負債を増やすことは危険ですので、本業の収益性や効率性を向上させることも非常に重要であると言えるでしょう。

まとめ

ROE、ROA、ROIは企業が効率よく利益を稼いでいるかを計る重要な指標です。株式投資の際だけでなく、様々なビジネスのシーンで会社の財務状況を知るために使われています。

3つの指標の特徴や違いを認識した上で、状況に応じて上手に使い分けましょう。

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