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バイアウト手法3種の特徴とメリット・デメリット|成功のポイントは5つ


公開日:2021年5月21日  最終更新日:2021年5月23日

バイアウトとは

もともとバイアウトはアメリカのベンチャー企業を中心に海外で一般的に行われていた行為で、英語では「buyout」と表記します。近年、日本でも多くの事例が見られるようになっており、日本語では「買収」という意味に訳すことが一般的です。

通常は、株式の過半数以上を買収し企業の経営権を得る手法のことを指す用語ですが、日本においては、創業者が事業を売却すること(セルアウト)と同様の意味でも使われていることもあります。

不振企業の事業再生や、後継者への事業引継ぎ、スタートアップ企業や起業家のExitなどを目的として、買い手企業が対象会社を買収する手法の一つとして活用されます。

日本にではスタートアップ企業のExit手法としてはIPOが主流でしたが、近年では買い手企業にバイアウトされることで、株式を売却する事例が増加しています。

バイアウト手法の種類

バイアウトとつく用語は、「EBO(エンプロイー・バイアウト)」「MBO(マネジメント・バイアウト)」「LBO(レバレッジド・バイアウト)」という3つが存在します。

3つの手法ではそれぞれバイアウトの目的が異なります。また、「誰が株式を買収するのか」という買い手も異なります。

各手法の定義と目的

バイアウトの3つの手法は、各手法によってその目的が異なります。

EBOとは、従業員が自社の株式を取得して、その経営権を得る手法です。その目的は、経営陣から従業員に事業継承することです。主に、中小企業において後継者に事業を引き継ぐために行われます。多くの場合に買収資金として多額の資金が必要となります。

MBOとは、後継者となる経営陣が、オーナーや親会社などの既存の株主から自社の株式を買い取って、その経営権を得る手段です。その目的は、独立した経営権を持ち、意思決定権を強めることです。EBO同様、多くの場合に多額の資金が必要となるため、投資ファンドから資金提供を受けてMBOを実施するケースが多く散見されます。

LBOとは、M&Aにおいて買収する企業の事業や資産、キャッシュフローなどを担保として主に金融機関から買収資金を借入により調達し、バイアウトすることを指します。EBOやMBOは、あくまでも社内の人間が関わったバイアウトの手段ですが、LBOは社外が行うバイアウトも該当します。

バイアウト手法のメリット

目的やその買い手が異なる3種のバイアウト手法は、それぞれ異なるメリットがあります。それぞれのメリットを理解することで、3種類の違いについてより詳しく理解しましょう。

1:EBO

従業員が自社の株式を取得するEBOでは、 「戦力を保ち世代交代を図りやすい」「従業員からの反発が少ない」という、体質改善と事業継続の両方を円滑に行えるというメリットがあります。

日本の上場企業としては初めて、ユニゾホールディングスがEBOの成立を発表し、話題となりました。

メリット1:戦力を保ち世代交代を図りやすい

EBOは、既存の従業員がバイアウトを行うため、第三者によるバイアウトに比べ、優秀な人材の離脱というリスクが比較的低く抑えられます。会社の戦力を保った状態で、経営の権利だけを継承し、経営陣の世代交代を図れることが利点です。

メリット2:従業員からの反発が少ない

EBOは、バイアウトについての従業員からの反発が少ないという点もメリットです。

一般的に、バイアウトには既存の従業員の反発が危惧されますが、EBOは自社の従業員がバイアウトを行うため、その反発が比較的低く抑えられるという利点があります。

2:MBO

既存の経営陣が株式を取得するMBOには、 「事業継承がスムーズにできる」「株主が分散型から集中型に変わる」「従業員の業務影響が少ない」「事業再構築がしやすい」といった4つのメリットがあります。

これらは、会社への影響を小さく抑えながら意思決定権を強められるという共通点があります。

メリット1:事業承継がスムーズにできる

MBOは、後継者への事業承継がスムーズにできることがメリットの一つです。

既に経営に携わっている経営陣に事業を継承することで、既存の事業をスムーズに継承することができます。

メリット2:株主が分散型から集中型に変わる

MBOを行うと、経営陣が自社の株式を数多く保有することになり、自社株占有率が高まります。株主が分散型から集中型に変わることもMBOのメリットの一つです。

株主の数が多く分散している場合、特に短期的な利益を求めている株主との間で意見が対立するなど、経営を思うように動かせない場合があります。 MBO実施後は経営権が集中するため、経営陣が比較的自由に意思決定を行うことができます。

メリット3:従業員の業務影響が少ない

MBOは、第三者によるバイアウトに比べ、従業員の業務への影響が少ないこともメリットです。

既存の経営陣が事業を継承するため、社内規程や規則を変えることがなく事業の継承ができ、従業員が直接従事する仕事には大きな影響がなく、不満や反発が出にくいことが特徴です。

メリット4:事業の再構築がしやすい

MBOをすることで、非上場化をすることができ、事業の再構築がしやすくなることもメリットです。

事業の再構築を行う際に非上場化することで、短期的な利益を欲する一般投資家などの株主による、経営への影響や関与を排除することができます。それによって 迅速に意思決定をすることができ、大胆な事業転換や体質改善などもしやすくなります。

また、上場企業は監査やIRなどの管理コストがかかりますが、非上場化することでコスト削減につながり、事業再構築がしやすい環境にできるでしょう。

3:LBO

LBOは、 バイアウトする側にとって借入金の返済リスクが少ないということがメリットの一つです。少ない自己資金のみでは難しい、規模の大きな企業の買収ができるのがLBOです。

近年では、学生起業家が立ち上げたWebサービスやアプリなどのスタートアップ企業を、事業会社やファンドなどがLBOによってバイアウトするケースが目立っており、話題となっています。

メリット1:借入金の返済リスクが少ない

LBOにおいては、バイアウト側にとって借入金の返済リスクが少ないことがメリットの一つです。

LBOでは、借入金の返済をするのはバイアウトされる企業側です。すなわち、バイアウトする経営者側が返済リスクを背負うことはないことがメリットです。

ただし、企業としてはその後の返済リスクを背負うことになるため、万が一バイアウト後に企業が返済不能に陥った場合には、バイアウトした側の信用が落ちる可能性もあります。

また、LBOは借入金額が大きく、初期の借入期間も7年程度となることが多いため、通常の事業融資に比べて金利が高い傾向がある、という注意点があります。

バイアウト手法のデメリット

株式譲渡

1:EBO

EBOには、「株式取得の資金力が必要」「従業員の離職により戦力ダウン」というデメリットがあります。

これは、資金調達面でのハードルの高さや、従業員が事業を継承するというEBOの特徴にまつわる、社内コンセンサスを得る難しさによるものです。

デメリット1:株式取得の資金力が必要

EBOを行うには、株式を取得するための資金力が必要となることがデメリットです。特に 会社の規模が大きい場合、経営権を得るために必要な株式の数は非常に大きく、一般の従業員が費用を捻出するのは非常にハードルが高いと言えるでしょう。

自力で資金が用意できない場合には、金融機関や投資ファンドからの融資を受ける必要があります。ただし、バイアウトする従業員の経営能力や資金の裏付けの有無などが論点となり、融資を受ける際のハードルも高くなります。

デメリット2:従業員の離職により戦力ダウン

EBOによるバイアウトは従業員からの反発が比較的少ないと言われていますが、その反面、万が一従業員が離職してしまった場合は戦力ダウンとなることがデメリットです。

従業員が経営陣となるため、従業員間での反対があった場合には転職の引き金となり、優秀な従業員などの離職を招く可能性があります。

なぜあの人が経営を引き継ぐのか、という不信感が従業員間で生まれないよう、EBOの社内への周知は、タイミングや方法を十分に検討する必要があります。

2:MBO

MBOには、 「経営陣の資金調達が必要」「企業の体制・体質を変えにくい」といったデメリットがあります。これは、資金調達面でのハードルの高さや、事業継承のしやすさとは逆の側面ともいえる、体質改善によるものと言えるでしょう。

デメリット1:経営陣の資金調達が必要

バイアウトする側の経営陣が資金調達をする必要があることが、MBOのデメリットです。

特に中小企業の経営陣がMBOを行う際には、十分な資金を保有していない場合もあり、そのような場合には、金融機関や投資ファンドからの融資や出資を受けなければなりません。限られた方法の中で資金調達をしなければならないことがデメリットと言えるでしょう。

デメリット2:企業の体制・体質を変えにくい

MBOによるバイアウトは、事業継承がスムーズにできるというメリットがありますが、企業の体制や体質を変えにくい面もあります。

既存の経営陣が自社の株式を取得することになるため、経営層が変わることはなく、株主構成は経営陣とその経営方針を支持している金融機関や投資ファンドです。

そのため、 一般の投資家などが経営に関与することはなく、経営体質が変化しないので、基本的には既存経営の延長です。それによって企業の体制・体質が変えにくくなるため、環境や市場の変化に適合することができず、経営が悪化する恐れがあります。

3:LBO

LBOは、バイアウトを行う側の返済リスクが低いというメリットがある反面、 「自社の財務リスクが高い」「借入金の金利が高い」といったデメリットがあります。

デメリット1:自社の財務リスクが高い

LBOによって、自社の財務リスクが高くなることがデメリットの一つです。

LBOによって、高金利で多額の借り入れが増えることにより、毎月の支払利息の負担も大きくなり、財務リスクが高まります。また、財務的に余力がない企業の場合は、LBOという手法は取ることができません。

デメリット2:借入金の借り入れの金利が高い

LBOは、借入金額が大きく、金融機関のリスクが高くなるため、通常の事業融資よりも金利が高くなることがデメリットです。

バイアウトされる側の企業のキャッシュフローが健全であっても、LBOにより高金利の借り入れが増えることにより、毎月の支払い負担が大きくなります。

バイアウトを成功させるポイント5選

最後に、バイアウトを成功させるポイントを、5つに分けて説明します。

バイアウトに成功し目的を達成するためには、企業価格の算出や資金調達などのさまざまな場面において、 時には専門家のアドバイスを取り入れながら、綿密な準備を行うことが大切です。また、場合によってはバイアウトファンドを活用する前に検討が必要です。

ポイント1:資金の準備

まず、バイアウトする側が資金を準備します。

株式を買収するための資金のうち、バイアウトする側が自己資金で確保できる資金はどのくらいかを確認し、準備します。 足りない資金は金融機関や投資ファンドから融資を受けることになります。

ポイント2:M&Aの専門家への相談

M&Aの専門家に相談することも、スムーズなバイアウトを行うための手段の一つとしておすすめです。バイアウトを行う上では、弁護士や会計士などの専門家を取りまとめ、買収金額の妥当性を検証したり、複雑な契約書を用意したるする必要があります。

全てを書籍やWebサイトで調べて準備することは大変な手間です。最新のスキームや法律を理解している専門家に依頼することで、手続きをスピーディーに抜け漏れなく行うことができます。

また、 バイアウトのノウハウや実績のある専門家は、多くの成功例や失敗例を熟知しているため、それらを説明してもらうことにより、さまざまなリスクに事前に備えることができます。

ポイント3:企業価値の明確な算定

バイアウトする企業がいくらで買い取れるのか、その企業価値を明確に算定することもポイントの一つです。企業価値は、会社の規模や売上、将来性はもちろん、その業種の人気度合や株価の動向など、さまざまな要因を複合的に鑑みて算定します。

算出のやり方としては、将来発生すると思われるキャッシュフローから、現在の価値に修正する割引率を引いて算出する「DCF(ディスカウントキャッシュフロー)」があります。

また、類似する事業を行っている上場企業の評価(株価)の相場を使用して算出する「類似会社比較法」、資産価値を時価評価し、そこから負債を差し引いた時価純資産額に、のれんと言われる営業権を上乗せして算出する「時価純資産法」などもあります。

参考記事:マルチプル法による企業価値算定で使う指標を解説|メリット・デメリットも紹介|M&A to Z

ポイント4:資金調達方法の明確化

バイアウトするための資金調達の方法を明確にすることも大切です。

自己資金で全てを賄うことができない場合、どのように資金調達をするかを考え、明確にしておく必要があります。資金調達の方法には、投資ファンドからの出資を受ける、金融機関から融資を受けるなどの方法があります。

ポイント5:バイアウトファンドの活用

バイアウトファンドを活用することもポイントの一つです。バイアウトファンドとは、バイアウト投資を行っているファンドのことを言います。

バイアウトファンドは、投資家から資金を集め、企業をバイアウトして、その価値を高めた上で、その株式を他社へ売却またはIPOすることで資金を回収し、出資者に利益配分することを目的としています。

バイアウトファンドを活用することで、後継者に資金がない場合であっても、バイアウトファンドが株式を購入し、経営のみを後継者が行うということが可能です。

また後継者が見当たらない場合、バイアウトファンドがその経営者を探して派遣するという方法を取ることもできます。

バイアウトで企業の再建を図ろう

バイアウトは、業績が悪化した企業を再建したり、後継者がいないという課題を解決することができます。

バイアウトを検討する場合は、その目的を少ない手間で確実に達成するため、それぞれのケースにあった手法を選択する必要があります。専門家のサポートなどを適切に受けながら、企業の再建を図りましょう。

                   

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