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企業買収を成功させたい経営者必見|PMIのプロセスとその成功へのポイント

かんたんM&A力診断
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公開日:2021年11月30日  最終更新日:2022年5月20日

この記事ではPMI(ポスト・マージャー・インテグレーション)の詳細な内容やプロセス、成功へのポイントについて紹介しています。PMIの成功はM&Aの成功と直結すると言っても過言ではありません。

M&Aを検討されている経営者の方や、PMIへの具体的なイメージが沸かない経営者の方に向けた記事となっています。

PMIとは

PMIとはPost Merger Integration(ポスト・マージャー・インテグレーション)の略称で、M&Aにおける交渉成立後の統合プロセスのことを指します。

M&Aを成功させるうえで交渉成立までの過程も重要ですが、交渉成立後の統合プロセスも非常に重要なポイントです。PMIが失敗すれば、貴重な人材の流出に繋がってしまったり、買収当初に想定していた利益を創出できなかったりするケースが起こり得ます。

PMIの具体的なプロセスについてや、成功のためのポイント、実際に統合を行う事項などについて詳しく見ていきましょう。

PMIの定義

PMIとは、M&Aや企業買収における交渉成立後の統合プロセスのことを意味します。

具体的には、経営戦略、人事制度、社風、企業文化、業務プロセス、事業所、設備、会計制度などの様々な要素が挙げられます。

企業買収においてPMIが重要である理由3つ

企業買収を成功させるうえで、交渉が成立して買収が実行されるまでの過程も重要ですが、PMIも同様に重要なポイントです。

PMIを成功させることはすなわち、買収当初に想定していたシナジー効果を実現することや、統合後の経営管理体制を構築すること、異なる2社の企業文化や風土へ対応することなどに繋がります。

それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。

1:シナジー効果の実現

M&Aにおけるシナジー効果とは、2つ以上の統合される企業の価値が、それぞれ単独で運営する場合よりも大きくなる効果を指します。規模の経済が働くことによるコストメリットや重複部門の削減、技術やノウハウの複合、クロスセリングなどが例として挙げられます。

M&Aでは、統合によるこのシナジー効果を想定して買収価格などが設定されます。そして、当初想定したシナジー効果を実現するためには、経営統合を早急かつ順調に完了させる必要があります。

買収完了後、早期に統合を完了することで、シナジー効果の実現と同時に利益の拡大も早い段階から期待できるでしょう。逆に、経営統合が上手くいかないと、被買収企業が従来生み出していた利益すら稼げなくなるケースも出てきます。

2:統合後の経営管理体制構築

企業買収を成功させるためには、統合後の経営管理体制の構築が重要なポイントです。統合の方針にもいくつか種類があり、それぞれメリットとデメリットがあります。

買収された会社を独立した会社として存続させ、自主性をたもたれたまま統合するケースを連邦型統合と呼びます。買収側の企業と業種が異なる場合や、業績が良い場合に採用されることが多いです。従業員の抵抗感は少ないですが、シナジー効果は発揮されにくいです。

買い手企業が積極的に経営に関与するケースを支配型統合と呼びます。買い手企業から役員も派遣されます。一般的に、同業種である場合や売却企業側の業績が良くない場合に採用されることが多いです。従業員のケアは必要ですが、シナジー効果は得られやすいです。

買収した企業を法人格レベルで統合するケースを吸収型統合と呼びます。吸収合併や事業譲渡などでのスキームでM&Aが行われた際に用いられます。現場の負担は大きいですが、統合のスピードは早く、シナジー効果も早期に得ることが可能です。

3:異なる企業文化への対応

企業文化は目に見えないものですが、様々な事項に影響を与えています。リーダーシップに対する考え方や意思決定のスタイル、従業員の成功のモチベーション、リスク志向などがその一例です。

M&Aでは、PMIをしっかりと行わないと2社の文化の違いによる従業員間の軋轢が生じる可能性があります。そのためにもコミュニケーションを密にとり、相互理解を深める必要があります。

特に中小企業においては、万が一、キーマンとなる従業員が退職した場合の影響が大きいです。業務に支障が出ないよう、事前の説明や異なる企業文化のすり合わせ、双方の文化の強みや特徴を消さないような統合の検討などが重要です。

PMI遂行の4段階のプロセス

PMIは基本的に、基本統合方針の策定、ランディングプランの策定、100日プランの策定、統合の実施と効果検証という4つの大きなプロセスから成り立ちます。

PMIで検討すべき事項は多岐に渡っており、対応すべき課題も多く存在します。その中で優先順位をつけるためにも、PMIは一定の期間を定めて集中的にプランを遂行する必要があると言われています。

PMIのプロセスについて詳しく見ていきましょう。

1:基本統合方針の策定と課題抽出

PMIを遂行するにあたって、まずは基本統合方針の策定と課題の抽出を行う必要があります。

統合方針とは先述のように連邦型統合、支配型統合、吸収型統合の3つがあります。それぞれのメリットやデメリット、業種や業績を考慮して、どの枠組みで管理体制に組み入れるかを決定することが重要です。

また、デューデリジェンスで明らかになった問題点や課題についても、PMIの早期から対策を練る必要があります。課題が複数ある場合には、優先的に取り組む事項も決めなければいけません。

2:ランディングプランの策定

続いて行うのが、ランディングプランの策定です。ランディング・プランとは、買収後約3ヶ月から6ヶ月の間に取り組む短期的な事項や優先的に実行すべき課題について、スケジューリングされた計画を意味します。

デューデリジェンスで明らかになった課題に対して、どのように見直しを図るかを考えます。具体的には、組織体制や人事・労務規定、財務や経理に関する見直しなどです。

また、金融業界などの規制業種においては、システムの統合などに関して当局への説明が必須なケースもあります。想定以上の時間がかかってしまうこと考慮しつつ、事前にスケジュールを定める必要があります。

3:100日プランの策定

続いて、具体的な100日プランの策定を行います。M&Aにおいては中長期的な経営効果が求められ、100日プランの策定はそのための課題整理において重要です。M&A直後の不安定な状態から、今後の方向性を明らかにするためのプランと言えます。

PMIにおいて、一定の期間を設定してプランに取り組むことは重要です。100日という期間はおおよそ四半期と同じ長さであり、ビジネスにおける1つの区切りとしても馴染みのある期間です。

100日プランの詳細や実施方法について、詳しく見ていきましょう。

●100日プランとは?

100日プランとは、M&Aのクロージング後、約100日間で実施されるプランを指します。統合における課題を中長期目線で解決するようにスケジューリングされた計画です。

一般的に100日プランは、プロジェクトチームを組成して現場を巻き込みつつ実施されることが多いです。統合をスムーズに進めることはもちろん、外部から新しい風を取り込むことでの経営改革を進める場合にも有用なプランです。

100日プランは会社にとって大きな変革の機会、チャンスと言えるでしょう。

●100日プランの実施方法

100日プランの実施方法について説明します。一般的には「プロジェクトチームの組成」「現状分析と課題の明確化」「現状と課題に基づくプランの策定」「プランの実行」という4つのステップで実施されます。

プロジェクトチームは、買収側の企業と売却側の企業の両社から選出されて編成するべきです。また、複数のチームを編成する場合は、統括するためのプロジェクト・マネジメント・オフィスを設置することもあります。

現状分析と課題の洗い出しでは、混合チームのメリットが活かされます。両社が介入することで、第三者的な視点で課題を明らかにすることが可能です。

その後、明らかになった課題に対しての具体的なプランを策定します。担当者やスケジュール、プランを進める方法などを決定します。上記のステップを踏んだ上で、100日プランの実行に進んでいきます。

4:統合の実施とその効果検証

ランディングプランや100日プランは、作成した後に進捗確認や効果の検証を行う必要があります。計画を作成して終わりではなく、マネジメントによってモニタリングされることが重要です。

一般的には計画の進捗は週次や月次などで確認します。定量的な目標の数字管理だけでなく、定性的な目標についてもKPIを設定してモニタリングを行うことが重要です。

PMIを成功させるためのポイント6つ

PMIを成功させるためのポイントですが「PMOの設置と人材確保」「早期の統合計画作成」「実行目標とスケジュールの明確化」「変革に向けた経営陣のリーダーシップ」「被買収会社従業員との密なコミュニケーション」「想定外の課題への柔軟な対応」の6つが挙げられます。

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

1:PMOの設置と人材確保

PMIを成功させるためには全体の進捗を管理し、テーマごとの課題を遅延なく進めるためにもPMO(プロジェクト・マネージメント・オフィス)を設置することが重要です。また、プロジェクトをドライブできる優秀な人材を適材適所で配置することが非常に大切です。

一部のプランやプロジェクトに遅れが生じた場合や新たな課題を発見したような場合も、PMOがコントロールして全体の進捗に影響を与えないように対応する必要があります。

2:早期の統合計画作成

PMIを成功させるためには、M&Aの様々な手続きがすべて完了するのを待つのではなく、早期に統合計画作成に着手することが重要です。目安として、クロージング前には計画を完成させたほうがよいでしょう。

デューデリジェンスが終われば、売却側の企業の現状や課題は把握できます。そのタイミングで課題に対する対応策などを検討し、ランディングプランや100日プランの枠組みを作成することが重要です。

3:実行目標とスケジュールの明確化

PMIを成功させるにあたり、PMIを実行する目標の設定や、スケジュールの明確化が重要なポイントです。

経営、人事、財務、法務等のテーマごとに課題を洗い出し、それぞれ目標を明確にすることで、従業員も向かうべき方向性を意識して業務に取り組むことが出来ます。

また、PMIはスケジュールを明確にすることで進捗管理や抜け漏れの確認が可能となります。PMIの全体像を把握しつつ、買収当初に想定していたシナジー効果を得るために優先順位をつけて課題に取り組むことが重要です。

4:変革に向けた経営陣のリーダーシップ

PMIを成功させるためには、経営陣が買収後のあるべき姿を明確に発信し、目指す変革に向けた強いリーダーシップを発揮することも重要なポイントです。

現状維持をのぞむ従業員に対して、新しい環境や仕組みに慣れてもらうための経営陣の働きかけが重要です。

5:被買収会社従業員との密なコミュニケーション

PMIを成功させるためには、特に被買収会社従業員の不安を緩和し、強いモチベーションを与えるためにも密なコミュニケーションをとることが必要です。

被買収企業の中にはM&Aに反対の人や、マイナスの印象を抱いている人が多数いる場合もあります。しかし、買収側の努力だけではPMIを成功させることはできません。被買収企業側のモチベーションを向上させることが重要です。

6:想定外の課題への柔軟な対応

PMIを成功させるためには、デューデリジェンスでは見えてこなかった問題点が浮上したり、不測の事態が生じたりした場合にも対応する必要があります。

場合によっては、当初プランで定めていた課題の優先度を変更するケースも考えられます。いずれにせよ、PMO(プロジェクト・マネージメント・オフィス)が全体をコントロールすることで対応することが重要です。

PMIで実施する具体的な統合内容5つ

PMIで実施する具体的な統合内容について説明します。

一般的には「経営体制と意思決定プロセスの統合」「各種社内制度面の統合」「ITシステムの統合」「事業内容や取引先の見直し」「業績評価制度の見直し」の5つをランディングプランや100日プランに沿って実施します。

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

1:経営体制と意思決定プロセスの統合

PMIでは、被買収会社を含めた新たな経営体制と意思決定プロセスを構築し、組織全体に徹底していくことが重要です。

具体的には、経営のリーダーシップや意思決定機関のあり方、多くの従業員が納得する適切な人員配置、情報伝達・共有がスムーズに行われる仕組み等が検討される必要があります。

上記の統合が不十分な場合、対立やモチベーション低下による業務の乱れや、優秀な従業員の離職などに繋がってしまいます。

2:各種社内制度面の統合

PMIでは、各種社内制度の統合を行う必要があります。人事評価制度、報酬制度に関して、特に被買収会社側の社員のモチベーション向上も十分考慮した社内制度の設定を行うことが重要です。

制度の廃止や変更が困難なケースや、当局への届け出が必要なケースもあります。厚生年金や確定拠出年金などの年金制度などは法律に基づいており、従業員にとっても非常に重要な条件です。事前に同意を得た上で、統合を進めなければいけません。

また、M&Aにより変化した環境に対応できるよう、人材開発研修等の制度の見直しも行う必要があります。

3:ITシステムの統合

PMIでは、ITシステムの統合を行う必要があります。ITの統合により、業務システムや人事・経理等の各オペレーションの統合もスムーズに行うことが可能です。新たなシステムの導入は被買収企業にとって負担も大きいですが、タイムリーな情報の把握などが可能になります。

ただし、ITシステムの統合には多額の投資が必要になります。システム統合の範囲や時期については、コストパフォーマンスを考慮して決定することが重要です。

また、業種が異なる場合は、同じシステムを導入せずにそれぞれ異なるシステムのままで運営を継続するケースもあります。いずれにせよ、慎重に検討しなければいけません。

4:事業内容や取引先の見直し

PMIでは、事業内容や取引先の見直しを行う必要があります。

買収会社と被買収会社で重複する業務分野がある場合にどのように統合するか検討しなければいけません。類似品を製造・販売している場合は、製品やサービスの統廃合を図るケースもあります。一方で、新部門を創設したほうが良いケースもあります。

取引先の見直しについても同様です。スケールメリット追及のために、取引先の数を減らして集中購買を実施するなどの検討が必要です。シナジー効果を最大限に得るために、大きな事業分野と小さな事業分野のそれぞれで集中と選択が必要になります。

5:業績評価制度の見直し

PMIでは、業務評価制度の見直しを行う必要があります。買収の効果が当初の想定どおり現れているかを測定するために、統合後の会社の新たな業績評価制度を構築することが重要です。

KPIの設定やマネジメントサイクルを導入し、定期的なモニタリングと進捗管理を実施することで、統合の進捗が芳しくないケースでも原因の分析が容易になります。

まとめ

PMIの実際の遂行方法についてや、成功させるポイント、具体的に統合すべき事項について説明してきました。PMIの成功はM&A全体の成功に欠かせないものです。別々の企業を一つに統合するにあたり、現場にとって強いストレスがかかることを理解してPMIを進めていく必要があります。

双方の企業価値の向上と、シナジー効果の最大限の発揮という目的を共有しつつ、経営陣と現場、買収側と被買収側が一体になってPMIに取り組むことが重要です。

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