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会社を上場するには?そのメリット・デメリットやプロセスについて徹底解説

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公開日:2021年12月17日  最終更新日:2021年12月17日

本記事では、会社を上場させる際のメリット・デメリットやその手続きをわかりやすく解説しています。今後上場を検討されている企業の経営者の方や、資金調達を検討している財務責任者におすすめの記事です。本記事を参考に、上場までの手続きをスムーズに進めましょう。

上場とは

株式上場することで、上場企業であるとステークホルダーから認知され、その後金融機関から資金調達がしやすくなるという点がメリットです。

ただし、株式上場には上記のメリットがある反面、上場には厳しい審査が必要であり、また上場準備には多額の費用がかかるという注意点もあります。

本記事では、株式上場のメリットと、具体的なスケジュール、さらに上場に関わる利害関係者の役割についてわかりやすく解説します。

「上場すると何が変わるのか知りたい」と気になっている経営者の方はぜひご一読ください。

上場の定義

上場とは「株式の上場」を想像される方が多いでしょう。しかし、実は原油・穀物などの商品が取引所において売買可能になることも「上場」です。

ただし、一般的に上場というと、「株式」を市場で自由に売買できるようになることを意味するケースが多いです。

株式を発行し、市場に流通させることで、会社は株式交付の対価として資金調達ができるようになるため、その後の事業のスケールに役立てることができます。

株式市場

日本における株式市場には、東京証券取引所、名古屋証券取引所、札幌証券取引所、福岡証券取引所の4種類があります。

それぞれの取引所では、新興企業向けの市場を開いています。

東京証券取引所であればマザーズ・ジャスダック、名古屋証券取引所の場合はセントレックス、札幌証券取引所であればアンビシャス、福岡証券取引所の場合はQボード(Q-BOARD)とそれぞれ新興企業向けの市場の名前は変わります。

なお、東京証券取引所の場合はプロ向けの市場のTOKYO Pro Marketがあるのが特徴です。

上場基準

上場はどのような企業でもできるわけではありません。上場するためには、株主数、流通株式、時価総額、事業継続年数、純資産の額、利益の額、売上高などの細かい基準が決まっています。

今後上場を目指している経営者の方は特に、上場の条件をしっかりと確認し、要件を満たすことができるよう企業経営に邁進する必要があるでしょう。

以下、東証マザーズに上場するにはどうすればいいのかをわかりやすく解説します。

出典:市場区分見直しの概要|日本取引所グループ

東証マザーズの上場基準

ベンチャー企業が事業のスケールに向けてまず目指すのが、東証マザーズです。

マザーズを目指す場合、株主数は150人以上必要です。上場のためには流通株式数が1,000単位以上必要で、流通株式時価総額5億円以上、そして流通株式数(比率)は上場株券等の25%以上という制約があります。

上記の制約の他、監査法人報告書に「無限定適正」あるいは「除外事項を付した限定付適正」の記載が必要です。また、直近1年間の内部統制報告書に「評価結果を表明できない」や「意見の表明をしない」との文言がある場合は上場できないなど、条件は詳細に決まっています。

しかし、上記の区分が2022年4月4日から変わり、新基準では市場が、「プライム市場」「スタンダード市場」「グロース市場」の3つに分かれます。

時価総額の継続的な向上のため、新制度においては東証一部の基準が厳しくなりました。今後は、1日あたりの平均売買金額2,000万円以上がプライムの条件になりますが、現在東証一部に上場している企業の中にも当該数値を満たしていない企業があります。

現在マザーズを目指している企業は2022年4月4日以降はグロース市場を目指すことになりますが、プライム市場やスタンダード市場と比較すると条件は緩くなります。

グロース市場の株主数、流通株式数、流通株式時価総額、流通株式数(比率)は現在のマザーズ上場の条件と同様です。

株式上場のメリットとデメリット

株式上場には様々なメリットがあります。例えば、知名度が向上することで採用時に優秀な人材が集まりやすくなり、会社の原動力になることが挙げられます。しかし、特筆すべきメリットは資金調達による財務体質強化です。

上場することで、会社をスケールさせるために欠かせない「お金」を調達することができます。

ただし、上場には社会的責任も伴うため、デメリットも同時にあります。そこで、ここからは上場することによるメリット、デメリットをわかりやすく解説しましょう。

メリット

上場するメリットは以下の7つです。

1つ目に有利な条件での資金調達が可能となることで、これは上場に伴い財務の健全性が高まるのが要因です。

2つ目に知名度が向上することにより人材確保や新規顧客開拓が有利になります。上場することで社会的信用が向上し、採用競争力の向上や取引先との関係構築に寄与します。

3つ目のメリットは内部管理体制が充実することです。上場を継続するには監査法人の監査で適正意見を表明してもらう必要があるため、社内全体として内部管理体制が充実します。

4つ目として監査法人の監査により決算の信頼性が高まることです。監査法人のチェックが入ることで、投資家が安心して会社に投資できるようになります。

5つ目に株式を活用したインセンティブ制度導入の自由度が上がることが挙げられます。インセンティブ報酬を導入することで社員のモチベーションアップにつながることが期待されます。

6つ目に創業者利益が確保できることです。上場時には既存株主からの売り出しがあるうえ、上場後も市場を通じて株式を売買できます。なお、売買に一定の制限が設けられる場合がある点には留意してください。

デメリット

株式上場のデメリットは3つあります。

1つ目のデメリットは、株式公開の準備に伴う事務量の増加とコストの増大です。株式公開するまでには、証券会社の審査や、監査法人による監査、その他提出用の書類の作成といった様々なコストが発生します。そのコストに見合うだけのリターンが見込めないのであれば、上場を急ぐ必要があるのか検討することも必要かもしれません。

2つ目のデメリットは、経営責任・社会的な責任が増加することです。上場することで、ステークホルダーが増加します。したがって、今まで以上に責任が増加します。

3つ目のデメリットは、買収されるリスクが高まることです。今まで自社で確保していた株式が、上場後は証券取引所を通じて自由に売買されるため、株式を買い占められる可能性があります。

3つのデメリットを紹介したものの、上記のデメリットは上場する上で避けて通ることはできません。上場すべきかどうかを判断するうえでは、このようなデメリットを上回る便益が見込めるかを慎重に検討すべきでしょう。

株式上場までのスケジュール

会社を上場させようと考えた場合に、まず経営者が行うことは上場までのスケジュールを明確にすることです。

上場までには社内管理体制の整備等様々な準備作業が必要です。したがって上場の検討を開始したら、綿密なスケジュール策定と作業分担、人材配置、監査法人や主幹事証券会社の選定などを行う必要があります。

以下で具体的にスケジュールの流れと手続きをわかりやすく解説します。

株式上場予定時期の決定

上場するには、まず株式上場予定時期を考える必要があります。上場予定時期を決定し、その3期前ぐらいから準備をするのが一般的です。

このため、一般的に上場ができるのは早くて3年後くらいだと考えておくとよいでしょう。上場予定日を決定した後は、監査法人や主幹事の証券会社を決定します。

株式公開プロジェクトチーム(公開準備室)の設置

上場時期が決まったら、公開プロジェクトチームを結成し、上場に必要な内部監査やマニュアルの策定を実施します。

上場するには、法令を順守し、必要な書類を的確に準備する必要があるため、チームメンバーと情報を共有し、緻密に仕事ができるメンバーを選出します。

社内体制強化・経営計画の策定

プロジェクトチームの設置が完了すると、次に具体的な社内体制の強化や、経営計画を策定します。

社内規程の整備や、予算管理制度、会計処理方針等の確立など、企業経営でつい後回しになる社内管理体制の整備を進めましょう。

メーカーを例にとると、貸借対照表上の棚卸資産などの値を適切な会計基準に従って計上する必要があります。在庫管理を含む各業務プロセスのマニュアルを整備する等、細かいところも妥協せずに丁寧に定め、社内で徹底する必要があります。

申請書類や審査書類の作成

社内体制の強化が整った後に、上場に必要な申請書類と審査書類を作成します。

このうち、審査書類は主幹事証券会社に提出しますが、提出が完了すると申請書類を主幹事が精査し、上場の審査をします。

事前審査

上場前の事前審査は形式基準と実質基準に大別できます。

形式基準とは要件に適合しているかの判断です。上場するには時価総額や純資産額、株主数など数値として定められたものを満たしているかの判断がなされます。

形式基準を満たした上で、次に行うのが実質基準です。事業に継続性はあるか、経営の健全性は高いかなど数値では判断できない実質的な内容のチェックが入るのが事前審査です。

株式の公募・売り出し

事前審査を通過すると、次に株式の公募や売り出しの段階に入ります。

公募とは、企業が資金調達のために新規に株式を発行することを指し、売り出しは既存株主(主に経営者)が所有する株式を投資家に売り出すことです。

経営者が出口戦略として株式の売却を検討している場合、上場のタイミングで一部株式を売却することがあります。

株式公開の費用

株式公開を達成するためには、多くの費用がかかることを理解しておく必要があります。

上場にかかる金額は、一般的に数千万円から数億円にまで上ると言われているため、企業に相応の負担がかかると把握しておくとよいでしょう。

費用には、監査報酬や、主幹事へのコンサルティング料、引受手数料、証券取引所へ支払う手数料などが含まれます。

上場後も継続してかかるコストがありますので、実際に上場を検討する際は、大まかに予算出しをしておくことを推奨します。

株式上場への支援機関

株式上場は会社の一大イベントであると同時に、手続きにミスや失敗があってはならない大切な手続きでもあります。

一般的に、新しく上場を検討する際は、経営陣も初めての上場となるケースが多いため、上場するには何から進めればいいのか戸惑う事態も散見されます。

こうした事態を避けるためには、外部の専門家のサポートや助言が欠かせません。

以下では、上場に伴いアドバイスやサポートをしてくれる専門家の役割をわかりやすく解説します。

監査法人

監査法人は、会社が作成する各財務諸表に誤りがないかを確認する機関です。会社の上場のためには、監査法人が発行する監査報告書は欠かすことができません。

上場後に必要となる、内部統制報告制度(J-SOX)への対応が社内整備されているかチェックを行うのも監査法人であるため、上場するには監査法人が欠かせません。

なお、監査法人との折衝を担当するのは一般的に財務責任者です。

主幹事証券会社

上場する際の公募や売り出しの実務を担当するのが主幹事証券会社です。上場をどう進めればいいかといった総合的なコンサルティングや、会社のサポートをしてくれる心強い存在です。

証券会社は上場する際に欠かせないパートナーとなるため、慎重に主幹事を検討する必要があります。

間違っても、費用が一番安いからという理由で主幹事を決定するのではなく、信頼のおける主幹事たり得るかを軸に主幹事を決定することをおすすめします。

弁護士・弁理士

弁護士・弁理士は企業のコンプライアンス周りに問題がないかを精査する法務のスペシャリストです。上場すると、コンプライアンス違反に対して厳しい処分が求められます。

有価証券報告書では、リスク情報が開示されますが、弁護士はリスク情報を開示する際の記載に対してアドバイスをしてくれます。上場後問題が発生しないよう、弁護士の助言を求めるようにしましょう。

また弁理士は、知的財産権に関する専門家です。特許出願や商標出願をする際に弁理士は活用されます。

出典:弁理士とは|日本弁理士会

信託銀行

株式事務代行業務を行ってくれるのが信託銀行です。上場後は株主の人数が増加するため、株式の配当金の支払い等の事務を全て自社で対応していては、従業員のリソースが足りなくなります。

こうした事態を避けるために、投資家と企業の間には信託銀行が入り、事務を最適化してくれます。

主幹事や支払いに利用する銀行との連携を図ってくれる信託銀行もあるため、上手に活用することで事務負担を減らすことができるでしょう。

したがって、上場するには信託銀行の協力も欠かせません。

印刷会社

ディスクロージャーをする際には、印刷会社の協力が必要です。ディスクロージャーとは会社の財務内容や重大発表を行う際に利用されます。

上場する際には、各種法律に準拠した適切なディスクロージャーが必要となり、上場後も有価証券報告書などの開示が継続的に求められます。

印刷会社では、こうした専門性の高い資料の作成アドバイスや添削をしてくれるため、上場の際には心強いパートナーとなるでしょう。

ベンチャーキャピタル

ベンチャーキャピタルとは、上場前の企業に資金を投入し株式の交付を受け、その後上場して株式が購入時よりも高くなった段階でイグジットを図る組織のことです。

ベンチャーキャピタルが目をつけた企業に対しては、上場に必要となる資金を投入し、上場に向けたアドバイスや戦略策定のサポートをしてくれることがあります。

ただし、株式を交付することは、経営に対する関与を受け入れることの裏返しです。順調な時は良いかもしれませんが、会社の業績が落ち込んだ際に経営陣とVCの利害が不一致になる可能性もある点には留意しておく必要があります。

まとめ

本記事では、会社を上場させるメリットとデメリット、そのプロセスをわかりやすく解説しました。会社を上場させるデメリットもありますが、会社をスケールさせるための資金調達の方法として上場は最適な手段です。

本記事をご覧になり、資金調達についてより知りたいと思った経営者の方、あるいは財務担当者の方はぜひM&Aクラウドへご相談ください。

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