仲介、FAの違いは何?M&A業者選びの基本
公開日:2020年5月8日 最終更新日:2022年11月22日
M&Aの交渉が開始すると、自社だけではノウハウがなく不安なため、第三者をにアドバイスを求めることがあると思います。その際に第三者のアドバイザーとして、「仲介業者は良くない。FAの方が良い」といった助言を受けることもあると思います。M&Aにおいて、「仲介とFAは何が違うのか」、それぞれのメリット・デメリットも合わせてご紹介します。
目次
M&A仲介とは
M&Aにおける仲介とは、 売り手と買い手の間に入り、 双方の条件を詰めて成約に導く業者のことです。「仲介」ですから、手数料は売り手と買い手の両方から一般的には請求します。不動産取引の仲介業者と近い仕組みです。
ちなみに手数料の相場は、一般的に売却価格の5%程度と言われています。つまり、合計10%程度の手数料を受け取るということになります。仮に会社の売却価格が10億円だとすると、単純計算で1億円もの手数料を受け取るということになります。
これがM&Aの仲介業者の平均年収はとても高いと言われるところで、実際に東洋経済オンラインの調査した『30歳年収「東京都トップ500社」ランキング』では、以下のM&A仲介業者3社が上位10位にランクインしています。
企業名 | 平均年収(30歳時推計) | 平均年齢(歳) |
M&Aキャピタルパートナーズ | 2,872万円 | 31.5 |
ストライク | 1,583万円 | 35 |
日本M&Aセンター | 1,160万円 | 35.7 |
※記事は2018年12月17日時点のものです
M&AにおけるFAとは
FAとはファイナンシャル・アドバイザーの略で、意味としてはその名の通りM&Aにおける助言業務を行う業者です。仲介と違う点は、FAは、売り手か買い手の一方に付くということ。売り手に付いたのであれば売り手の利益を最大化するために努力し、買い手に付いたのであれば買い手の利益を最大化するために努力するため、手数料はどちらか片方からしか受け取ることはありません。
FAを設ける場合は、上場企業同士のM&AやクロスボーダーM&A(海外企業とのM&A)が一般的です。上場企業がFAを入れる一般的な理由は、あとで何か不祥事等のトラブルがあった時に、それまでに行われたM&Aの手続きが適正だったかどうか、または譲渡条件が妥当であったかどうかを第三者を入れることで担保し、法的リスクを最大限回避するという株主に対しての説明責任を果たすためです。
上記のようなケースでは、投資銀行やM&Aアドバイザリーファーム、会計事務所をFAとしてアドバイザーにつける傾向がありますが、中小企業やベンチャー企業のM&Aでは経営者と株主が同一であることが多いため、FAを入れるのではなく、仲介業者を入れるのが一般的です。
M&A仲介のメリットとFAのデメリット
日本の中小企業のM&Aにおいては、仲介の方が一般的です。 仲介業者は売り手と買い手双方のバランスを取りながら、早期の成約へと導くことに注力するため、FAに比べて 仲介は成約しやすいということが、売り手にとって大きなメリットです。
この点、仲介ではなくFAが付くケースでは、売り手側のFAと買い手側のFAが、お互いにそれぞれの利益を主張するので、交渉自体が長くなりやすく、破談しやすいリスクがあります。言い過ぎるFAがついた場合はしこりが残ってしまう事例もあります。
早く成約させたい、売上が数億円以下と規模が小さいという場合は、仲介の方がいい場合の方が多いでしょう。
M&AにおけるFAのメリットと仲介のデメリット
一方で、FAのメリットは何と言っても、 FAは完全に依頼者の側に立って動いてくれることでしょう。
M&A仲介は双方代理であり、利益相反行為であるということを言われる業者は少なくありません。仲介業者にとって、買い手はリピート顧客になる可能性があるのに対し、売り手は一度契約するとまた会うことはほぼないため、中には若干買い手寄りの目線になっている業者も存在します。
また中小企業M&A仲介の場合、売り手よりも買い手の方がフィーが高くなっていることが多いので、コスト面での不公平感もあると言えるでしょう。
売り手としては、規模が大きく売却が長引いてもいい場合で、 自社の価値に絶対の自信があり、高く売却したいのであればFAを選ぶメリットがあります。一方、買い手の場合は、FAであっても仲介であっても、良い売り案件を抱えている業者と契約することになるのが現実かと思いますので、案件ごとにケースバイケースと言えるでしょう。
M&Aマッチングサイトという選択肢
近年では、上記で紹介したような仲介業者やFA以外にも、M&Aをオンライン上でマッチングすることを目的としたM&Aのマッチングプラットフォームが数多く存在しています。
M&Aのマッチングサイトでは 売り手側には基本的に料金が発生せず、M&Aが成約した場合には、サイトの利用料として買い手側からのみ手数料を取るケースがほとんどのため、上手に活用すれば成約時に支払う手数料を抑えることが可能です。
ただし、注意をしなければならないのは、大手のM&Aマッチングサイトのなかには、ほとんどが仲介業者が登録している案件ばかりといったサイトもあり、その場合は仮にM&Aが成約しても、サイトの利用料と仲介業者への手数料が両方発生するため、買い手企業側からの視点で考えるとコスト的に割高に感じると思われるため、プラットフォームの案件は敬遠する買い手企業の担当者もいます。
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事業売却や資金調達に積極的な企業が自ら登録してくるため、 仲介業者の登録案件はゼロ。売り手と買い手のダイレクトマッチングを実現することで、余計な手数料が発生しない仕組みを構築しています。
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M&Aに積極的な買い手の生の声に触れることもできます。買い手各社がどんな企業に関心を持ち、どんなM&Aを行いたいと考えているのか、インタビュー記事で紹介しています。
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