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シリアルアントレプレナーとは?身に付けたい能力や必要な力量について解説


公開日:2021年12月17日  最終更新日:2022年11月17日

スタートアップ・ブームの立役者ともいわれている「シリアルアントレプレナー」について、その定義と、求められるスキルをご紹介します。経営者・起業家だけでなくすべてのビジネスパーソンに必要とされる素質について、ぜひこの記事で確認してみてください。

シリアルアントレプレナーとは

近年のスタートアップ・ブームの中で、シリアルアントレプレナーという言葉を耳にすることが多くなりました。本記事では、経営に関心を持つ人が知っておくべき「シリアルアントレプレナー」の定義と、その素質について解説します。

シリアルアントレプレナーの定義

シリアル(serial)は「連続的な」という意味で、アントレプレナー(entrepreneur)は「起業家」という意味です。「シリアルアントレプレナー」は日本語では「連続起業家」と訳されます。

シリアルアントレプレナーとは、事業を次々と立ち上げる起業家を意味します。事業を立ち上げて軌道に乗せた後に売却・譲渡し、また別の事業を興す、というサイクルを繰り返す起業家のことです。

日本と米国におけるシリアルアントレプレナーの輩出状況の違い

起業先進国だといわれているアメリカでは、多くのシリアルアントレプレナーを輩出しています。

アメリカでは自ら立ち上げた事業が大企業に評価され、高値で買収されることは名誉なことであり、主体的に行動し、チャンスを見出し、そして果敢にチャレンジすることが称えられる文化があります。

一方で日本では、事業を売却・譲渡することは失敗とみなされがちです。事業を「手放した」「あきらめた」というイメージを持たれやすい風土があることで、シリアルアントレプレナーが輩出しにくい国であると考えられてきました。

しかし近年では、日本でもVCやCVCによるリスクマネーの供給金額が大きくなってきていることや、大手IT系企業がスタートアップ企業のM&Aを積極的に行うようになったことなどの影響で、起業とM&Aが盛んになってきています。

これにより、新たなテクノロジーが続々と登場し、ビジネス環境が劇的に進化する中で、次々と新しいビジネスを生み出すシリアルアントレプレナーへの注目が高まっています。

出典:アントレプレナーとは?定義やなるために必要なスキル|デジタルハリウッド株式会社

シリアルアントレプレナーに要求される主なスキル

複数の事業を立ち上げ、成功させることのできるシリアルアントレプレナーにはどのような素質があるのでしょうか。連続起業家だけではなく、純粋に事業価値の向上を目指す経営者にとっても重要となる5つのスキルについて解説します。

1:相手の行動を説得で変える能力

シリアルアントレプレナーには、他人の考えや行動を説得によって変える「説得能力」が必要です。説得能力とは、「他者を説得し自分のミッションに参加させる能力」です。

投資家を説得し、事業のビジョンや計画に賛同を得るために説得能力は不可欠です。また優秀なスタッフを採用し、自分の事業に献身的に働いてもらうためにも、優れた説得能力が必要になります。

2:優れた指導力・統率力

成功するシリアルアントレプレナーは、指導力・統率力に優れています。ビジネスの立ち上げと事業価値の創出は、一人きりではできません。スタッフやビジネスパートナーなど、様々な人々と関わり合いながら展開していくものです。

シリアルアントレプレナーには強いリーダーシップと、人々をまとめ、導いていく力が重要です。目標に向けたビジョンを明確に示し、異なる意見や様々な人間性を包摂しながら共に歩んでいく統率力が求められるでしょう。

3:自己の発言や行動に責任を持つ責任能力

優秀なシリアルアントレプレナーは、責任能力にも秀でています。ここでの責任能力とは、自分の行動に積極的に責任を持つ力のことです。

決まったレールの上を進むのではなく、自ら道を切り拓いていく起業においては、予測できない障壁にぶつかることがあります。その際に他者のせいにするのではなく、自ら解決して次のステップに進む責任能力が起業家には欠かせません。

また、責任能力の高い人は障壁にぶつかることさえ、一つのプロセスと捉えることができます。問題にぶつかっても諦めることなく、むしろそれを糧に進み続けるのがシリアルアントレプレナーです。

4:目標達成のために全力投球をする目標達成意欲

シリアルアントレプレナーは、目標達成への意欲が強くなければなりません。目標達成意欲が高ければ、目標達成のために必要な計画、行動を適切に判断し、全力で行動に移すことができます。

目標達成意欲が低いと、多くの障壁を乗り越えて目標を達成することは難しいでしょう。また関係する他の人々の支持を獲得しサポートを得るために、目標達成意欲は必須の素質です。

5:良好な対人関係を築くことができる対人能力

シリアルアントレプレナーに要求されるスキルには、対人能力があります。これは上記の4つのスキルを結集させ、後押しするスキルであるといえるでしょう。

周囲と適切なコミュニケーションをとりつつ目標を達成していく能力は、シリアルアントレプレナーにとって必須のスキルです。

自分とは異なる背景やスタイルを持つ相手とでも、効果的なミュニケーションをとることができ、協力を得ることは大きな成果につながります。また、周囲の人と良い関係を築くことができ、率直な意見やアドバイスを得やすくなります。

そうして築かれた人脈は次の企業にも役立てることができ、シリアルアントレプレナーにとって大きな強みになるのです。

国内外のシリアルアントレプレナー

起業先進国アメリカの代表的なシリアルアントレプレナーの一人として、イーロン・マスクがあげられます。イーロン・マスクは1995年にオンラインコンテンツ企業、Zip2社を設立し、1999年に売却しました。

同年、のちのPayPal社の前身となるオンライン決済サービス企業を立ち上げます。同社を売却し、宇宙ロケット開発のスペースX社を立ち上げたのは2002年のことです。2004年、電気自動車ベンチャーのTesla社の会長兼CEOに就任し、今も世界中の注目を集めています。

日本を代表するシリアルアントレプレナーの家入一真氏は、2001年にレンタルサーバー運用から起業家キャリアをスタートさせます。2003年にはGMOペバボの前身となる有限会社paperboy&co.を設立しました。

その後も2010年から5年間で7社もの企業を立ち上げ、現在もクラウドファンディングサイト運営の株式会社CAMPFIRE、BASE株式会社(スマートEC運営)など、様々なスタートアップに参画しています。

まとめ

常に新しい事業へのヒントを探し、チャンスをつかみ、それを実現させるシリアルアントレプレナーが持つスキルは、すべてのビジネスマンに求められるスキルと言えます。

ビジネス環境が目まぐるしく変化する中で、自律的に行動するアントレプレナーシップは今後ますます重要になるでしょう。これらの資質を磨き、伸ばしていくために「シリアルアントレプレナー」の生き方から多くを学ぶことができます。

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