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スタートアップの資金調達のタイミング【フェーズに応じた資金調達方法】


公開日:2022年1月31日  最終更新日:2022年11月18日

スタートアップにおける資金調達に関してお悩みをお持ちの経営者の方も多いのではないでしょうか。本記事では資金調達の具体的な方法や、フェーズに応じた調達先について詳しく説明しています。自社に合った最適な資金調達方法を見つける上で、本記事が参考になれば幸いです。

参考記事:資金調達とは?具体的な方法・種類からメリット・デメリットまでわかりやすく解説!

資金調達とは?

企業が事業を営み成長するためには資金が必要です。企業が資金調達を行う方法は様々であり、銀行等の金融機関からの借入や、株式や社債などを発行する等が代表的な手段として挙げられます。

スタートアップは企業の成長フェーズや市場環境に応じて、様々なタイミングで資金調達ニーズが発生します。本記事では、それぞれのタイミングに適した資金調達方法について説明していきます。

スタートアップが資金調達するタイミング

スタートアップにとって資金調達は、成長を軌道に乗せる上で重要な手段の一つです。スタートアップが資金調達を行うタイミングは、主に「事業に資金が必要なタイミング」や「市場が成長しているタイミング」などが挙げられます。

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

事業に必要なとき

スタートアップが資金調達を行うタイミングとして、事業を拡大させたり軌道に乗せたりするタイミング等が挙げられます。ビジネスを実現するためのシステム構築や、世間に広く認知してもらうために広告を打ち出す際はどうしても費用がかかるため、資金調達を行う必要があります。

市場が成長しているとき

スタートアップが参入している市場が成長し、ビジネスの機会が拡大しているタイミングにおいても、資金調達が行われることが多いです。

スタートアップの資金調達の方法として、ベンチャーキャピタルからの出資が選択肢の一つとして挙げられます。ベンチャーキャピタルは投資先の市場規模や市場成長性を重視するため、資金調達を受けやすいといった背景もあります。

資金調達の方法

企業の資金調達の方法は大きく分けて二種類あります。投資家から出資してもらう「エクイティファイナンス」と金融機関から借り入れる「デットファイナンス」です。

エクイティファイナンスによって調達した資金は自己資本、デットファイナンスによって調達した資金は他人資本となります。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

エクイティファイナンス

エクイティファイナンスは企業の資金調達方法の一つであり、主に株式発行等による自己資本の調達を指します。銀行借入等のデットファイナンスとは異なり、エクイティファイナンスで調達した資金には返済義務がない点が特徴です。ただし、投資家に対してIPOやM&Aによるイグジットの機会を提供する必要はあります。

エクイティファイナンスには返済義務も利息の支払い義務も課されていませんが、出資者である株主は経営に関する発言権を持っており、経営に介入される可能性があります。

また、エクイティファイナンスによって資金調達を行うには、出資者である投資家に自社の成長性や収益性等の魅力を認識してもらう必要があります。同時に、常に業績向上を目指さなければいけないという重圧がのしかかります。

デット・ファイナンス

デットファイナンスは、企業が資金調達する際の方法の一つです。具体的には、金融機関や投資家からの借入、社債発行等が挙げられます。

自己資本として資金調達を行うエクイティファイナンスとは異なり、デットファイナンスで調達した資金は他人資本であり、返済が義務付けられています。貸借対照表上では負債となる点も注意が必要です。

返済義務が課されている点や、利息の支払いが必要な点はデットファイナンスのデメリットだといえるでしょう。一方で、エクイティファイナンスと比較して資金調達における手間やコストが少ない点や、経営権に影響がない点等はメリットとして考えられています。

参照:デット・ファイナンスとエクイティ・ファイナンスの違いについて教えてください。|J-Net21(独立行政法人中小企業基盤整備機構)

スタートアップのフェーズと資金調達の種類

企業の成長フェーズによって適した資金調達の方法や目安の金額は異なります。ベンチャーキャピタルなどの投資家も、フェーズに応じたそれぞれのフェーズごとに、目的に応じた出資を行います。

過去には自己資金のみで事業の立ち上げからグロースの段階まで軌道に乗せるケースも見受けられました。しかし、創業初期から競合他社に打ち勝つ必要があることや、市場の変化や成長についていくために、近年では早期から資金調達を行うケースも増えています。

創業前後のタイミングであるシード期と、創業直後の事業の立ち上げタイミングであるアーリー期における資金調達方法について、詳しく見ていきましょう。

参照:米国における資金調達方法ガイドブック|JETRO

シード期

スタートアップにおけるシード期とは、事業のコンセプトやビジネスモデルは決まっているものの具体的な製品やサービスの実現ができていない、創業前後のタイミングを指します。創業時には法人登記などの会社設立費用や人件費、市場調査費などの資金が必要です。

シード期では、自己資金や家族、親族からの資金調達が主な手段となります。稀に、エンジェル投資家やシードに特化したベンチャーキャピタルからの出資を募るケースもあります。

アーリー期

スタートアップにおけるアーリー期とは、起業直後で事業の立ち上げ直後のタイミングを指します。事業の立ち上げ直後は赤字が続きますが、軌道に乗せ、成長を実現するためには資金が必要です。

具体的な資金の使用用途として、事業の運転資金はもちろん、製品やサービスの改善やマーケティングへの先行投資などが挙げられます。

アーリー期においては、エンジェル投資家やベンチャーキャピタル、金融機関からの資金調達が主な手段となります。

資金調達の成功には企業価値向上がポイント

資金調達を成功させるには、投資家や金融機関などの出資者から「この企業に投資をしても問題ない」という信用を得なければいけません。魅力的な事業計画をもとに、将来のビジョンや構想を理解してもらう必要があります。

出資を検討している相手に対して、自社の魅力を正しく伝えるためには、会社の現状や将来について具体的な数値をもとに説明する必要があります。

また、企業価値が高いタイミングであれば、少ない株数の発行で大きな資金を調達できます。新株発行数を少なく抑えることができれば、創業者などの既存株主の出資比率も高く維持することが可能です。

まとめ

スタートアップの資金調達に関して、具体的な方法や、フェーズに応じた資金調達先について説明してきました。

資金調達の方法によってメリットとデメリットが存在すること、資金調達自体にもメリットとデメリットが存在することを認識した上で、事業の立ち上げから拡大までをスムーズに行うために最適な方法で資金調達を行うべきです。

また、資金調達を成功させる上で、企業価値が高い状態でいることも重要です。専門家へ相談しつつ、自社に合った形で資金調達を行いましょう。

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