力の源ホールディングス元社長・清宮俊之氏の功績
公開日:2021年11月30日 最終更新日:2022年11月22日
清宮俊之氏は、大学卒業後はCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)株式会社に入社しました。CCC株式会社はTSUTAYA事業などを運営しています。15年ほど勤めたのち退職し、全くことなる業界であるラーメンチェーン「一風堂」を運営する力の源カンパニーに転職します。
そこでは入社してわずか3年で代表取締役社長に就任し、売上げ規模の拡大に貢献しました。そして、2017年にはマザーズに株式を上場させ、翌年の2018年には第1部への市場変更を果たし、まさに同社を急成長させた立役者となりました。本記事ではそんな清宮俊之氏についてご紹介します。
目次
力の源ホールディングスを継いだ清宮俊之氏の功績
力の源ホールディングスは、ラーメンチェーン「一風堂」を運営する会社を子会社にもつ持株会社です。現在は東京証券取引所の1部に上場しており、連結ベースで売上高165億円、従業員数は連結537人を抱える会社になります(2021年3月末時点)。
清宮俊之氏は入社3年目の2014年に代表取締役社長に就任します。就任後の2016年3月期には売上高が208億円まで到達しました。
2017年に同社株式を東京証券取引所マザーズに上場させ、同年6月末時点の展開店舗数は国内138店舗、海外69店舗まで拡大させます。また、翌2018年には第1部へと市場変更を実現し、同社を急速に成長させました。
力の源ホールディングス社長になるまでの歩み
清宮氏は1974年に神奈川県の横浜市で生まれ、小さいころからとにかく身体を動かすことが大好きで、学生時代は様々なスポーツを多く経験しました。日本大学を卒業後、CCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)に入社し、そこで15年勤めました。CCCはTSUTAYAの事業などを運営しています。
CCC時代には多くの業務に携わり、入社10年目には会社を最速で変えたいという思いから人事部へ異動し、人事改革をしました。40歳になる前に、自分がまったく異なる業界でどこまで通用するのか実力を試したいと思い転職を決意しました。
力の源グループ入社後は人事としてスタートし、その後、人事と兼任するかたちで社長室と営業本部も経験しました。入社2年目から、取締役として実務執行責任者に就任し、創業者の河原氏にその実力が認められ、入社3年目にして代表取締役社長に就任しました。
力の源ホールディングス社長就任
入社後の研修では、工場で麺やスープをつくったり、店舗に行って接客をしたりしていましたが、入社3ヵ月が経過したあたりで、今後5年先どうするべきかという具体策を提案した資料を河原氏に提示したというエピソードがあります。
組織改革やポテンシャルを引き揚げるプロセスなどを提案しました。その後、取締役として実務執行責任者に就任し、その流れで入社3年目に創業者の河原氏から「やってみろ」ということをいわれ、代表取締役社長に就任しました。
当時は、社長になりたいと思って入社したわけではなかったようで、社長に就任する話が出たときは、戸惑いがあり、また、入社歴が浅いこともあって社員から不安視する声がありましたが、淡々とやるだけと腹を決めて社長業をこなしました。
清宮氏には、経営をする上で大切にしている考えがあり、それは「過去と他人は変えられない。未来と自分は変えられる」です。自分が行動を起こせば必ず何かを変えられるということ、これに尽きるということです。
社長就任時の思いとしては、社内の改革を行いつつも、河原氏のつくってきた伝統や文化も守ることでした。「変わらないために変わり続ける」という文化を守りつつ「壊しながら守る」ということも大切にしています。
力の源ホールディングス社長就任後の功績、エピソード、苦労したこと
清宮氏は、海外への事業展開に注力しました。2014年には、一風堂が中心となり、パリで「パリ・ラーメンウィーク Zuzutto」を開催し、大成功を収めました。現在、アメリカ、イギリス、フランス、オーストラリア、シンガポール、香港、台湾、中国、マレーシア、タイ、フィリピン、インドネシア等にも出店しており、海外事業を拡大しております。
会長の河原氏はとにかくアイディアマンで、河原氏が頭のなかで思い描くイメージをかたちにする難しさを経験しました。
また、清宮氏が社長を勤めている間に福岡の大名店で食中毒が発生しました。清宮氏が当初想定していたほど、売上げの落ち込みが悪化することはありませんでしたが、その事態の終息に向けて尽力しました。
清宮俊之氏と力の源ホールディングスの現在と未来について
清宮氏は、2019年に同社の代表取締役社長を退任。その後、ランプ株式会社を設立して「月見つくねを鎌倉で」「挽肉と米」「スナックおかん」などを展開しています。
一方、現在の力の源ホールディングスはというと、店舗数は、世界15ヵ国で283店舗を誇っています(2021年6月末)。2021年3月期は、新型コロナウイルスの影響により、政府または自治体からの休業や営業時間短縮要請によって、売上げが前期比で-43.2%の165億円となり売上が落ち込み、営業利益が-9.8億円となりました。
2022年3月期第1四半期決算では、シーズナル商品の導入やデリバリー、テイクアウトを強化し、売上げが回復しました。今後も、新型コロナウイルスの長期的な影響は不透明ではあるものの、ワクチンの接種率上昇に鑑みて、増収黒字化が見込まれています。売上げ予想は、約201億円(前年比+21.7%)、営業利益は、5億円を目指す格好となっています。
また、グループ全体で出店21店舗、閉店譲渡2店舗を予定しており、資金調達の状況により流動的に出店を増加する予定でもあります。
参照:2021年3月期 決算補足説明資料|力の源ホールディングス
清宮俊之氏のプロフィール
清宮俊之氏のプロフィールは以下の通りです。
・生年月日:1974年生まれ
・出身地:神奈川県
・最終学歴:日本大学卒業
・経歴:大学卒業後、TSUTAYA事業などを運営するCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社に入社。15年ほど勤めたのち、ラーメンチェーン「一風堂」を運営する力の源カンパニーに入社。2012年執行役員に就任後、その才能を創業者である河原会長に評価され、入社後わずか3年で代表取締役社長に就任。同社株式のマザーズ上場、東京証券取引所第1部への市場変更を果たしました。
M&Aマッチングプラットフォーム「M&Aクラウド」では、プロのアドバイザーに直接相談することで、会社売却や資金調達に関する最新のトレンドや業界別のインサイトを知ることができます。まずはお気軽に無料でご相談ください。