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売り手側企業から見た買収とは?成功を左右する8つのポイントを解説


公開日:2021年8月31日  最終更新日:2023年1月23日

本記事では会社の買収について解説していきます。買収はM&Aの手法の一つであり、その特徴やメリット、デメリットのほか、売り手側企業の目線から売却の成功を左右させるポイントや注意点についてもご紹介します。

買収とは

この記事では会社の買収について説明していきます。買収はM&Aの手法の一つですが、その特徴やメリット、デメリットについて触れていきます。

買収の定義

買収とは、1つの会社が他社から事業や会社を買い取り、経営権を取得することであり、代表的な手法としては株式譲渡、事業譲渡、会社分割が挙げられます

買収の際に会社の経営権ごと買収する場合は「会社買収」、事業のみを買収する場合は「事業買収」と呼びます。

M&Aの手法の一つに「合併」がありますが、買収とは異なるものです。買収の場合は買収する側と買収される側の企業がいずれも存続しますが、合併の場合は買収される側の企業の法人格が消滅します。場合によっては買収する側の法人格も消滅します。

参考記事:
買い手の狙いは何? M&Aにおける買収理由10パターン
どのCVCが出資・買収に積極的?各CVCの出資・買収実績と出資先スタートアップの特徴

買収による企業売却の成功を左右する8つのポイント!

ここでは売り手側企業の視点から、企業売却の成功を左右するポイントを8つに絞って解説していきます。

近年では、事業承継を背景に中小企業がM&Aを行うケースが増えています。後継者不在の場合、第三者に会社を売却するケースも少なくありません。

企業売却の具体的なステップや注意点を確認しておきましょう。

M&Aの目的や戦略の明確化

ポイントの1つ目ですが、まずは買収や売却を行うにあたっての目的と、具体的な戦略を明確化することが挙げられます。

売り手企業の視点で考えると、企業売却を行うことでの売却資金の獲得や後継者問題の解決など、様々なメリットがあります。事前に目的を明確にしておくことで、その後のステップもスムーズに進めることができます。

また、戦略の明確化も重要です。買い手側企業であれば、自社とのシナジー効果が期待できる企業や自社にない強みや地域性を持つ企業などに狙いを絞るなど、最適な戦略をとることが重要です。

M&Aアドバイザーとの契約・プラットフォームへの登録

ポイントの2つ目として、M&Aアドバイザーとの契約とプラットフォームへの登録が挙げられます。

M&A仲介企業は数多くの買い手側企業と売り手側企業のニーズを把握し、お互いにメリットがあると思われる候補同士をマッチングしてくれます。自社のコネクションや人脈だけでM&Aの相手先を探すのは難しいため、仲介企業を通すケースが一般的です

また、M&Aアドバイザーと契約することで、税務上の問題や必要な法手続きなどの全面的なサポートを受けることができます。

アドバイザーやプラットフォームによって、得意な業種や企業の規模、料金体系やサービスの内容などが異なります。自社の状況に応じて最適なパートナーを見つけましょう。

買収相手の選定

ポイントの3つ目は買収相手、売却相手の選定です。M&Aアドバイザリーとの契約が完了したら、相手先の選定に進みます。

はじめに複数の候補で作成されたリストを確認し、徐々に数を絞っていきます。その後、ノンネームシートと呼ばれる資料を作成し、候補先に提示をしてアプローチを開始します

ノンネームシートとは、匿名の状態で業種や業績、売却理由などのプロフィールを記載した資料です。

トップ面談・条件面の交渉

ポイントの4つ目は、買収先候補が見つかった後のトップ面談と条件面の交渉です。

トップ面談では売り手側企業と買い手側企業の経営者同士が顔を合わせ、経営理念や買収後の将来などについて話し合います

トップ面談の実施後は実際の条件面の交渉に移ります。買収希望金額と売却希望金額の確認や、M&A実施のスケジュール、買収後の社員の処遇などについて話し合います。

基本合意書の締結

ポイントの5つ目は基本合意書の締結です。

売り手側企業と買い手側企業がお互いに条件合意したら、基本合意書を締結し、スケジュールの確定や独占交渉権が設定されます

独占交渉権が設定されると、別の企業からの条件提示を受けることが出来なくなります。

デューデリジェンスの実施

ポイントの6つ目は、基本合意書を締結した後から行われるデューデリジェンス(Due Diligence・DD)です。

デューデリジェンスとは、買い手側企業が買収先の企業を詳細に調査、分析することを指します。

デューデリジェンスは法務、税務、会計などの様々な観点から調査、分析が行われ、権利義務関係、企業価値評価に必要な情報などが把握できます。買い手側企業にとっては、売り手側企業が抱えるリスクを洗い出す手順となるため、非常に重要です。

逆に売り手側企業は、買い手側企業の調査の負担を減らしスムーズに進行させるため、必要書類の準備などで協力していくことが大切になります。

バリュエーションの実施

ポイントの7つ目はバリュエーション(企業価値評価)の実施です。

バリュエーションとは買収価格を決める際の基準となる株価算定です。デューデリジェンスで明らかになったリスクや問題点は、バリュエーションによって株価に織り込まれることになります

ちなみにバリュエーションには大きく3つのアプローチがあります。純資産に着目した「コストアプローチ」、株式市場やM&A市場での他社の取引価額に着目した「マーケットアプローチ」、収益力に着目した「インカムアプローチ」の3つにそれぞれの特徴があります。

クロージングの実施

最後のポイントはクロージングの実施です。

お互いに条件面で合意したら、最終契約書を締結し、代金の決済や資産の受け渡しなどを行います。その後、株主名簿の書き換えや役員登記の変更などを行います。

参考記事:
会社が買収されたらその後はどうなるのか?買収された企業の変化5つ

自社売却を成功させる為の4つのポイント

ここからは、売り手側企業の視点から、買収による自社売却を成功させるためのポイントを4つに絞って説明していきます。

自社よりも規模が小さな会社による買収は極力避ける

ポイントの1つ目は、売却先の企業規模です。

自社よりも規模が小さな会社への売却はリスクが大きく、万が一事業が上手くいかなかった際に損失をカバーできない可能性が高いです。

また、売価先の企業規模が小さい場合、M&A実施後の企業統合の難易度も高くなる傾向があります。

売却後に買収企業と協働する努力を惜しまない

ポイントの2つ目は、売却実施後の協働についてです。

当然ですが、売却実施後に買収企業と共に成長していく努力を怠ると企業価値は下がってしまいます。

M&A後の統合プロセスのことをPMI(ポスト・マージャー・インテグレーション)と呼び、経営統合、業務統合、意識統合の三段階からなります。

ターゲット企業の選定(ソーシング)と同様に、M&Aの一連の流れの中で非常に重要な要素のひとつといえます。

シナジー効果を見込める会社へ売却する

ポイントの3つ目は、売却先の選定についてです。経営におけるシナジー効果を見込める会社へ売却を行うことが重要です。

シナジー効果もいくつかの種類に分かれており、売上増加の「売上シナジー」、コスト削減の「コストシナジー」、技術やノウハウの複合に関わる「研究開発シナジー」、資本調達に関わる「財務シナジー」などがあります

ちなみに買い手側企業は、買収資金を大幅に上回るメリットを享受することがM&A実施の際の一つの目安となります。

M&Aの専門家によるサポートを最大限活用する

ポイントの4つ目は、M&Aの専門家によるサポートを最大限に活用することです。

税務や法務、会計といった専門知識が必要なのはもちろん、相手先とのトラブル回避のために必要な取り決めも非常に多く存在します。

当然、フィーを支払うことになりますが、抜け漏れなく手続きを進め、会社を守るといった観点からも、専門家のサポートは最大限活用したほうが良いでしょう

まとめ

企業売却を成功させるためのポイントについて説明してきました。

買収は、買い手側企業にとって早期に事業の拡大が可能な点やシナジー効果が見込める点などのメリットがある一方で、売り手側企業にとっても後継者問題の解決や売却益の獲得といったメリットが期待できる手法です。

企業売却を検討されている経営者の方は、企業が実施している無料相談やセミナーなども活用してみてください。

M&Aマッチングプラットフォーム「M&Aクラウド」では、会社を買いたい企業が、欲しい企業の要件を記事として公開中です。買い手となる企業を手軽に探すことができるほか、M&Aアドバイザーに会社売却について無料相談することも可能です。お気軽にご相談ください。

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