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企業の資金調達とは?経営者が知っておくべき資金調達の方法3つを解説


公開日:2021年8月31日  最終更新日:2022年11月18日

資金調達にはさまざまな方法があり、それぞれ内容や特徴が大きく異なります。本記事では、資金調達を検討している経営者や将来的に検討する可能性がある経営者が適切な選択をできるよう、具体的な方法や事例を交えてご紹介します。

参考記事:資金調達とは?具体的な方法・種類からメリット・デメリットまでわかりやすく解説!

経営者が知っておくべき資金調達の方法

事業拡大や新規事業の立ち上げのための投資、一時的な資金繰りの悪化への対応など、あらゆる場面で必要となってくる資金調達。ひとことで資金調達と言っても、実際にはさまざまな方法があり、用いる方法によっては内容や特徴が大きく異なります。

自社の状況や資金調達の目的に合った方法を選択するためにも、経営者はそれぞれのケースと流れについて知っておく必要があります。

資金調達の方法は大きく分けて3つ

資金調達の方法には、大きく分けて「出資を受ける」「お金を借りる」「資産を売却して現金化する」の3つがあります。

以下では、それぞれの内容や特徴を具体的に紹介します。

資金調達方法①「出資を受ける」

一つ目は機関投資家や個人投資家などから出資を受ける方法です。創業間もなく出資を受ける方法として、主に下記3つが考えられます。

1.個人投資家(エンジェル投資家)

2.ベンチャーキャピタル

3.クラウドファンディング

以下では、それぞれの方法の特徴や注意点をまとめます。

1:個人投資家(エンジェル投資家)

個人投資家(エンジェル投資家)とは、主に創業前、もしくは創業まもない企業や、創業者に対して資金を提供する投資家のことを指します。出資を受けるにあたって株式を発行するため、出資後は会社の株主になります。

エンジェル投資家には、元起業家や現役の起業家が多いため、資金の提供のみにとどまらず、経営に対する知見や人脈の提供といったサポートを行うことで、成長を支援するケースもあります。

また、エンジェル投資家は個人で出資を行うため、後述するベンチャーキャピタルと比較して出資額が小規模になる一方で、着金までの期間が短いという特徴があります。

2:ベンチャーキャピタル

ベンチャーキャピタルとは、主に創業前、もしくは創業まもない企業や、創業者に対して資金を提供する投資会社を指します。出資の対価として株式を取得し、株式上場やM&Aによってキャピタルゲインを得ることを目的としています。

ベンチャーキャピタルには、政府系組織が主導する「政府系」、銀行が主導する「銀行系」、特定業種の企業が主導する「事業系」(Corporate Venture Capital:CVCと略されることもあります)などさまざまな種類が存在しています。

ベンチャーキャピタルによって特徴は千差万別ですが、「政府系」では、政策や社会情勢との関係が深い案件、「事業系」では、自社の事業とのシナジーや協業可能性が見込める案件などが優先的に検討されることが多いなど、個々のベンチャーキャピタルの特徴を見極める必要があります。

3:クラウドファンディング

クラウドファンディングとは、不特定多数の参加者が、インターネットを通じて個別のプロジェクトに出資を行う出資形態を指します。近年、インターネットの発達とともに新たな資金調達の手段として注目されています。

クラウドファンディングでは、出資の対価として物品や権利を購入する「購入型」、株式取得・配当支払などのリターンを伴う「金融型」、特定のリターンを求めない「寄付型」など、自社の状況や資金調達の目的に合わせて、柔軟な資金調達スキームを設計することが可能です。

4:出資を受ける場合のポイント

出資者は、企業に対して将来的なリターンを期待して出資するケースがほとんどであるため、企業は将来的な事業計画をこれまで以上に磨きこみ、出資者に対してリターンの可能性を論理的に伝えることが求められます。

また、出資の対価として株式を割り当てた場合、出資者に対して一定程度の経営への参画権を与えることになるため、今後の経営方針に大きな影響を与えることになります。そのため、出資額の大小のみで判断するのではなく、より多角的な視点で出資者を選定する必要があります

出資を受ける際には、出資候補者と適切なコミュニケーションを取りながら、出資者や契約内容を十分に検討した上で意思決定をすることが重要です。

参考:起業マニュアル 出資とは|独立行政法人中小企業基盤整備機構(J-Net21)

資金調達方法②「お金を借りる」

二つ目の資金調達の方法として、金融機関や個人から融資をしてもらう選択肢があります。お金を借りる方法として、主に下記4つの方法が考えられます。

1.銀行から融資を受ける

2.日本政策金融公庫からの融資を受ける

3.社債を発行する

4.個人からお金を借りる

以下では、ぞれぞれの方法の特徴や注意点をまとめていきます。

参考:起業マニュアル 資金調達方法|独立行政法人中小企業基盤整備機構(J-Net21)

1:銀行から融資を受ける

銀行から融資を受ける方法として、プロパー融資と信用保証付き融資があります。

■ プロパー融資

プロパー融資とは、銀行が行っている融資制度のなかの1つであり、信用保証協会の保証を受けずに銀行と企業が直接取引を行う融資方法です。

銀行の融資担当者は、企業が提出する決算書や事業計画書などをチェックし、返済能力や事業の将来性を総合的に判断したうえで、融資の可否や融資時における諸条件を決定します。

企業からの返済が滞った場合、銀行側が損失を被ることになるため、後述の信用保証付き融資と比較して、融資時における審査は厳しくなります。

■ 信用保証付き融資

信用保証付き融資とは、銀行が企業に対して融資を行う際に信用保証協会が保証をする融資方法です。

仮に企業が融資を返済できなくなった場合、信用保証協会が立て替えて返済を行うことになります。

前述のプロパー融資と比較して、信用保証協会からの信用保証があるため、融資時における審査が通りやすい一方、信用保証の対価として、信用保証協会に対して保証料を支払う必要があります。

2:日本政策金融公庫からの融資を受ける

日本政策金融公庫とは、財務省が所管する金融機関です。

政府系金融機関としての性質上、民間の金融機関よりも積極的に、零細企業や中小企業に対する融資を行っています。また、民間の金融機関と比較して、金利・保証・担保などにおいて有利な条件で融資を受けられることが多いです。

日本政策金融公庫から融資を受けることで、企業の信用力が向上するため、次回以降の資金調達の際に、他の金融機関からの融資時における審査が通る可能性も高くなります。

3:社債を発行する

社債の発行とは、企業が発行した債権を投資家に買ってもらうことで、資金を調達する方法です。社債の発行は、金融機関からの借入ではありませんが、あらかじめ設定した条件に準じて投資家にお金を返済する必要があります。

社債には、借入と比較して低い金利が設定できることや、投資家に対して株式を割り当てることをしないため、経営の自由度を保つことができるなどの特徴があります

社債のなかでも、少数の投資家が直接引受する社債のことを「私募債」と呼びます。また、私募債のうち、50人未満の投資家に対して募集を行うなど、一定の条件を満たした社債を「少人数私募債」と呼びます。

少人数私募債には、金融機関からの融資と比較して、「保証人・担保が不要」、「償還期間や利率を自由に設定できる」、「銀行などが設定した資格要件を満たす必要がない」といった特徴があり、零細企業や中小企業にとっても比較的利用しやすい資金調達手法です。

一方で、社債としての性質上、償還期限が到来すれば元金を一括で返済する必要がある点には留意する必要があります。

4:個人からお金を借りる

金融機関や投資家ではなく、創業者の親族や知人といった個人からお金を借りることで資金を調達する方法もあります。

創業者との間柄が親しければお金を貸してくれる可能性が高い一方、お金を借りたことが原因で個人間の金銭トラブルに発展する可能性があるため、特に注意が必要です。

トラブルを避けるためにも、個人からお金を借りる際には、諸条件を書面に残し、お互いに内容を十分に確認しておく必要があります。

資金調達方法③「資産を売却して現金化する」

三つ目の資金調達の方法として、企業が保有する資産を売却することで現金化する選択肢もあります。資産を売却して現金化する方法として、主に下記3つの方法が考えられます。

1.不動産等の固定資産を売却する

2.ファクタリングを利用する

3.セールアンドリースバックを利用する

以下では、ぞれぞれの方法の特徴や注意点をまとめていきます。

1:固定資産を売却する

不要資産等の固定資産を売却することで資金を調達する方法です。

売却される資産は、主に事業継続において不可欠でない資産(非事業用資産)である場合が多く、例として、社宅のような不動産、有価証券、ゴルフ会員権などの動産が挙げられます。

2:ファクタリングを利用する

ファクタリングとは、ファクターと呼ばれる第三者機関に対して、企業が持つ売掛債権を売却することで資金を調達する手法です。

回収期限前の売掛金を早期に現金化できることや、売掛先企業の業績・信用によりファクタリングが実施されるため、自社の業績と関係なく利用できるといったメリットがあります。

3:セールアンドリースバックを利用する

セールアンドリースバックとは、自社が保有する不動産、製造設備、事務機器、営業車両などの資産をリース会社へ売却した後に、その資産をリース契約で引き続き使用することで、資金を調達する方法です。

資産の売却により、まとまった資金が調達できる一方で、売却した資産を引き続きリース契約にて使用できるため、早急に資金調達が必要になった場合に有効です。

補助金や助成金を利用する

上記3つ以外にも国や地方公共団体の補助金・助成金を利用して資金調達を行う方法もあります。

補助金・助成金は返済が不要である一方、要件に合致しない場合は利用できない、応募者多数の場合は競争となる、取り組み結果を報告した後での受け取りであるため、資金を受け取るまでに時間がかかるという特徴があります。

参考:起業マニュアル 補助金・助成金の活用|独立行政法人中小企業基盤整備機構( J-Net21)

まとめ

近年では、新型コロナウイルスの感染拡大やIT化・グローバル化の急速な進展などにより、事業環境の不確実性・複雑性が格段に高まっています。これからの時代において、適切な資金調達を実施することにより、これらの環境がもたらす事業リスクや機会に柔軟に対応していく必要があります

また、会社を経営していくうえでは、資金調達を前提に事業内容を考えるのではなく、自社の状況や資金調達の目的に合わせて適切な方法を考えることが重要です。

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