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ROI・ROIC・ROASとは?事業の費用対効果を評価する3つの指標を紹介


公開日:2021年10月8日  最終更新日:2022年11月18日

本記事では、事業の費用対効果を評価するための指標である「ROI」「ROIC」「ROAS」の違いやそれぞれの特徴についてわかりやすく解説します。

これらの指標を事業や施策の評価に用いることで、経営上の意思決定を最適なものにすることができますので、ぜひ参考にしてください。

「ROI」「ROIC」「ROAS」とは?事業の費用対効果を評価する3つの指標を紹介

「ROI」「ROIC」「ROAS」とは、3つとも事業の効率性を判断するための指標です。

事業の効率性を判断するための3つの指標

ROIはReturn on Investment、ROICはReturn on Invested Capital、ROASはReturn On Advertising Spendの略称であり、投資に対する効果=投資対効果を表す指標になります。

以下では、それぞれの指標について、さらに詳しく説明していきます。

ROIの計算方法と意味

ROIとは、投資に対するリターンを表す指標で、計算式は下記の通りです。

【ROIの計算式】 ROI = 利益の金額 ÷ 投資額 × 100

ROIは投資額に対して何パーセントの利益が稼げているかを表しており、ROIが高いほど投資対効果が高いと言えます。

具体例として、投資額が1,000万円、投資に対する利益が100万円の場合、下記の通り、ROIは10%となります。

【ROIの計算例】 100万円(利益の金額) ÷ 1,000万円(投資額)× 100 = 10% (ROI)

1:規模が違う事業同士を比較できる

ROIを使うことで、規模が違う事業同士の効率性を比較することができます。

規模が異なる事業同士では、単純に利益の絶対額を比較するのみでは、どちらの事業がより効率性が高いかを判断することができません。しかし、ROIを使えば規模が異なる事業同士を比較し、どちらの事業が投資対効果が高く、効率性が高いかを判断することができます。

下記の例では、ROIを使うことで、事業Bは事業Aに比較して投資額も利益も低いが、投資対効果が高いことが読み取れます。

【規模が異なる事業同士の比較の具体例】
・事業A:投資額が5,000万円、利益が500万円、ROIが10%(500万円÷5,000万円×100=10%)
・事業B:投資額が1,000万円、利益が200万円、ROIが20%(200万円÷1,000万円×100=20%)

ROIを使って事業同士を比較することで、どの事業に対してリソースを配分するべきかなど経営において適切な意思決定をすることが可能になります。

2:ROIの注意点

ROIは先述したようなメリットがある一方、(1)将来的な利益を評価できない、(2)数値化できない価値を評価できない、といったデメリットもあります。

(1)将来的な利益を評価できない

ROIは利益の金額を投資した金額で単純に割ったものであり、あくまでも計算した時点での費用対効果を測るための指標です。よって、短期的には費用対効果が低いが、長期的な利益創出が見込める案件などは、ROIで評価するのには向いていないでしょう。

(2)数値化できない価値を評価できない

ROIは数値をもとにした評価基準であるため、数値で測れない価値については評価できません。よって、数値として測定することが難しいブランドイメージ、社会貢献活動といった取り組みは、ROIで評価するのには向いていないでしょう。

ROIと似ている?ROIC・ROICとは

ROIと似ている指標として、ROICとROASがあります。ROIと同じく、ROIC、ROASも投資対効果を測るための指標です。

以下では、ROICとROASの内容やそれぞれの特徴について説明します。

1:ROICとは

ROICとは、投下した資本に対するリターンを表す指標で、ROICの計算式は下記の通りです。

【ROICの計算式】 ROIC = 税引後営業利益 ÷ 投下資本(他人資本 + 株主資本)×100

ROICは、投資対効果を表す点ではROIと類似していますが、ROIが特定の事業の投資対効果を測定することに焦点を当てているのに対して、ROICは企業全体の投資対効果を測定することに焦点を当てています。

2:ROASとは

ROASとは、広告への投資に対するリターンを表す指標で、ROASの計算式は下記の通りです。

【ROASの計算式】 ROAS = 売上高 ÷ 広告費

ROASは、投入した広告費に対して何倍の売上高を稼ぐことができたか=広告費の費用対効果を表しており、ROASが高いほど広告における費用対効果が高いと言えます。

具体例として、広告費100万円を投入して1,000万円の売上を出した場合、下記の通り、ROASは10倍となります。

【ROASの計算例】 1,000万円(売上高)÷ 100万円(広告費)= 10倍(ROAS)

ROIを活用する3つのメリット

これまで3つの指標について解説してきましたが、ここではROIを活用する3つのメリットをご紹介します。

  1. 事業の成功・価値が数字で判断できる
  2. 規模の異なる企業や事業間の比較ができる
  3.  施策単位での評価ができる

それでは各メリットについて詳しく説明していきます。

1:事業の成功・価値が数字で判断ができる

ROIは事業の収益性を数字で表すため、主観を排除し、客観的に事業を評価することができます。

ROIは事業の成功や価値を客観的に数値化できるため、実際に社内で案件の成否についての評価や判断を行う際の指標としても活用することができます。

2:規模の異なる企業や事業間の比較ができる

ROIを使うことで、規模が違う事業同士の効率性を比較することができます。

規模が異なる事業同士では、単純に利益の絶対額を比較するのみでは、どちらの事業が投資対効果が高いかを判断することができません。ROIを使えば、規模が異なる事業同士を比較し、どちらの事業が投資対効果が高いかを判断することができます。

ROIを使って事業同士を比較することで、どの事業に対してリソースを配分するべきかなど、経営において適切な意思決定をすることが可能になります。

3:施策単位での評価ができる

ROIは分析範囲を柔軟に設定することができるため、事業単位のみならず、1つ1つの施策単位でROIを算出することも可能です。

施策単位でROIを算出し、日々のPDCAサイクルを回すことで、ビジネス環境の変化に応じて有効な施策を打ち続けることができます。

まとめ

本記事では、投資対効果を評価するための指標である「ROI」「ROIC」「ROAS」の違いやそれぞれの特徴、ROIを活用するメリットについて解説しました。

これらの指標を正しく理解することで、日々の経営における意思決定をより有効なものにすることができます。

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