ファイズホールディングス社長・榎屋幸生氏の功績
公開日:2021年11月30日 最終更新日:2022年11月22日
近年、インターネット通販利用者の増加により宅配業者の重要性がより際立っています。そこで注目されているのが、一部地域で通販大手Amazonの宅配を担っているファイズホールディングス株式会社です。設立3年目で東証マザーズ、5年目で東証一部上場を果たしました。
ファイズは榎屋幸生氏によって2013年に設立されました。
「こんなサービスあれば便利なのに」「もっと改善してくれれば無駄がなくなるのに」というユーザーの声に応えるべく、他にはないサービスを提供してきたとしています。年々、利用者が増加するネット通販分野で事業領域を広げている企業です。
たとえば、商品が集結する物流倉庫、メーカーから発送された商品を拠点まで輸送するロジティクス、商品を消費者まで届けるデリバリー分野において独自のノウハウを築き上げ、設立3年目にして東証マザーズに上場、設立5年目にして東証一部上場を実現しています。
売上高は60億8,400万円(2021年3月期)を誇っており、2022年3月期はさらに増収の見込みとしています。
ファイズ設立までの歩み/社長になるまでの歩み
代表取締役社長の榎屋幸生氏は1976年7月に生まれました。
1996年5月に株式会社ヴィ企画に入社後、ヴィプランニング株式会社の取締役に就任します。そして2013年10月、ヴィ企画から分社化し、物流に特化した株式会社ファイズを設立します。
その後、2015年5月にデリバリー事業部を開設、2017年3月には東京証券取引所マザー巣市場へ上場しました。
2019年7月にファイズコンピュータテクノロジーズ株式会社を設立し、同年10月にファイズホールディングス株式会社に社名変更し、ファイズオペレーションズ株式会社を設立します。
2020年2月には、ファイズトランスポートサービス株式会社を設立。同年7月に株式会社中央運輸を子会社化し、2021年4月ブリリアントトランスポート株式会社を子会社化するなど、幅広いサービスに着手しています。
ファイズ設立
榎屋幸生氏はファイズ設立するにあたり、「Amazonの成長を見てビジネスチャンスを感じた」と語っています。
今後は物流拠点間の大型輸送や宅配の担い手がもっと必要になると感じたそうです。そこでどうせ事業を行うならばEC物流の全般をパッケージ化し、物流施設内の作業以外も事業化しようと考えていたとしています。
その思いからファイズ設立後は、メーカーから商社までの上流輸送、物流拠点間の中流輸送、ユーザーへと届ける下流輸送にまで事業を拡大していきました。
荷物が増えるほどキャパシティオーバーになることが心配されますが、榎屋幸生氏は「物流センター内で作業を行いながら宅配も行っているため、連携が取りやすい」と答えています。
物流センター内の状況が自社でわかるため、注文が多いのか少ないのかなど、需要の予測がしやすいとしています。その結果、ドライバーがどのくらい必要なのかが早めに予測できるため、無駄が省けるようになりました。
またファイズでは、「今ここにないものを人の力で新たに生み出す」を理念としています。
ECのニーズがますます高まる昨今、ECを支えるインフラも進化が必要な段階になっていると榎屋幸生氏は語っています。ファイズはその一翼を担うべく、新たな価値を今後も社会に提供するとされています。
ファイズ設立後の功績
ファイズは2013年10月の創業以来「売上高1,000億円、営業利益50億円」という大きなビジョンを掲げて事業を展開しています。
2020年7月には株式会社中央運輸を、2021年にはブリリアントトランポート株式会社を子会社化するなど、今後もさらなる事業拡大に取り組むとしています。
2020年からは新型コロナウイルスなどの影響もあり、国内物流市場が多大な影響を受けました。
ファイズは中期経営計画を達成すべく、業容へのチャレンジや営業体制・内部管理体制の強化などを行っています。優秀な人材を確保したり、従業員への教育に力を入れたりすることなどの積極的な投資が行われていました。
さらに事業再編に伴い、コーポレートガバナンスコードが改訂されたことから、そちらの対応も行っているとしています。
さらに事業拡大に向けて積極的な営業・投資が行われています。
事業規模拡大のため、尼崎事業所、昭島事業所が開設されました。
さらに2019年には過去最大のプロジェクトとされる「川口領家事業所」の開設も順調に推移しており、売上・利益に貢献しているとされます。
また株式会社中央運輸を子会社化、圏央道の開通などにより輸送エリアの拡大や輸送の利便背の向上を受け、今後は神奈川県厚木エリアでの事業拡大を行うとしています。
出典:トップインタビュー|IR情報|ファイズホールディングス株式会社
榎屋幸生氏とファイズの現在・未来
ファイズは、オペレーションサービスにおいてはコロナ特需が落ち着き、減収になりました。オペレーションサービスの減収については、ファイズ最大の事業所開設に向けたコストの増加、事業拡大を見込んだ案件への積極的な投資が挙げられています。
千葉県内に「南流山リクルートセンター」「柏リクルートセンター」を相次いで開設し、スタッフの雇用も積極的に行ったことから、コストが増加したとしています。
ただし、トランスポートサービスでの配車プラットフォーム事業の増加やM&Aを行ったことにより、グループ全体では増収を達成しました。また、事業所開設プロジェクトも、今後の事業に貢献する見通しとされています。
今後も株主の期待に応えるべく、高い成長性を維持していきたいと榎屋幸生氏は語っています。そのために、積極的な投資を今後も続けること、SDGsやDXへの積極的な取り組みを行うとしています。
榎屋幸生氏のプロフィール
榎屋幸生氏のプロフィールは以下の通りです。
- 生年月日:1976年7月15日
- 出身地:大阪府吹田市
- 経歴:京都に本社を構えるヴィ企画に入社。2013年10月に株式会社ファイズを設立。2019年10月にファイズホールディングス株式会社へ社名変更し現在に至る。
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