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株式分割に必要な手続きは?企業にとっての株式分割のメリットも事例とともに解説


公開日:2021年5月14日  最終更新日:2021年5月14日

株式分割

株式分割とは

マルチプル法

株式分割とは、発行済みの株式を2株、5株、10株など一定の割合で分割することで、発行済み株式総数を増やすことをいいます。

たとえば、1,000円の株式を1対5で分割すると、分割後には200円の株式が5株になります。株価が安くなったように見えますが、企業の時価総額に変更はありません。

株主にとっては、資産はそのままで保有株式数が増えるため、配当金が据え置かれれば配当増のメリットがありますが、企業にとってはどのようなメリットがあるのでしょうか。

株式分割の詳細や、株式分割のメリット・デメリットについてわかりやすく解説します。

株式分割の3つの手続き

株式分割というと、上場企業が株式の流動性を高める目的で行われることが多いですが、非上場企業も株式分割を行うことは可能です。株式分割にはどのような手続きが必要なのか、手順やポイントについて解説します。

手続き1:株式分割決議を行う

株式分割は、会社法に則った決議が必要ですので、取締役会設置会社は取締役会の議決、取締役会非設置会社は株主総会の普通決議が必要となります。

株式分割を行うために必要な決議内容は、分割の比率、基準日、効力発生日などがあります。基準日は株主に権利が付与される基準となる日のことで、効力発生日は株式分割の効力が発生する日のことです。

手続き2:株主に対して公告する

株式分割の基準日には、株主が保有する株数が設定された比率に応じて増加するため、株主に対していつから増加するかを伝える必要があり、このことを基準日の公告といいます。

公告は、各社の定款に定める方法により行います。定款で定めることができる公告の手段としては、官報による公告、日刊紙による新聞公告、Web上での電子公告の3種があります。

会社法では株式分割の基準日の2週間前までに公告をするよう定めています。

手続き3:法務局に申請を行う

株式分割の手続きで、最後に行うのが法務局での登記手続きです。 株式分割の登記手続きには期限があり、効力発生日から2週間以内に行わなければなりません。また、登記する法務局は本社を管轄する法務局です。登記申請から約1週間から2週間で登記が完了します。

株式分割の登記手続きに必要なものは、登記申請書・取締役会議事録または株主総会議事録・株主リストなどで、登記申請を司法書士に依頼する場合は委任状も必要です。

株式分割を行う際には、1株に満たない端数が出ることがあります。端数が出た場合は、端数の合計にあたる株式を競売し、かつ、端数に応じて競売により得られた代金を株主に交付します。

株式分割の3つのメリット

株式分割がどのようなものなのか、何のために行うのかは、株式分割のメリット・デメリットを知ることで理解できます。

まず、企業が株式分割を行うメリットをご紹介します。

メリット1:株式の流動性が高まる

上場企業の場合、急成長する企業の株価は急速に上がってしまい、個人投資家を中心に投資をしづらい状況が生まれます。

株式市場では、原則として100株あるいは1,000株単位で取引されます(単元株制度)。たとえば、株価が1万円の銘柄は、最低でも100万円ないと購入できません。

そのような状況の場合、株式分割を行えば1株あたりの株価が低くなり、さらに発行済株式も増加するために投資家が株式を購入しやすくなり、市場での取引が活発になります。

先の例では、1株1万円の株式を1対10で株式分割すると1株あたり株価は1,000円となり、投資家は10万円から投資が可能になるため取り引きの機会が増えます。

このような株式市場での取引量を「流動性」といい、株式分割には流動性を高める効果が期待できます。

メリット2:時価総額上昇を期待できる

株式分割には、企業の時価総額を上昇させる効果も期待できます。

株式分割を行うと、1株当たりの価格は下がりますが、企業価値が低下するわけではありません。たとえば、ある企業が1,000円の株式を1,000株発行していると時価総額は100万円ですが、100円の株を10,000株発行することになっても、時価総額が100万円であることは変わりません。

とはいえ、 株取引に必要な1単元に要する金額が低下するため市場での取引が活発になり、成長著しい新興企業など投資家の注目を集めやすい企業であれば、流動性の高まりをきっかけに株価と時価総額の上昇も期待できます。

株式市場は各市場ごとに上場維持に最低限必要な時価総額が定められているため、上場企業経営者にとって時価総額の維持は重大な関心事です。株式分割は時価総額を維持・上昇させるためにとり得る手段のひとつになります。

メリット3:株主数増加を期待できる

株式分割を実施すると、発行済み株式が増えると同時に取引に必要な単元価格も低下し、 個人投資家が投資しやすい環境になるため、株主数の増加を期待できます。

上場維持基準には、一定数以上の株主がいることが定められており、上場企業経営者にとっては、時価総額と同様に株主数も注意をはらうべき問題です。株主数維持・増加の手段としても、株式分割は選択肢のひとつとなります。

株式分割の2つのデメリット

上場株式の場合、株式分割が発表されてから実施されるまで投資家の注目を集めるため、短期的に株価の変動が大きくなる傾向にあります。投機対象として株式を売買する人も増えるためデメリットにもなります。

株式分割のメリットに続いて、デメリットについても解説します。

デメリット1:時価総額が激しく変動する可能性

上場株式の株式分割を行うと、短期的に株価の変動が大きくなる傾向にあります。 投資家の注目を集め売買が活発になると株価が大幅に上昇し、会社の実態に伴わないような急騰が起こったあとに急落するケースもあります。つまり、株式のボラティリティが大きくなり、時価総額が短期間で大きく上下する可能性が出るのです。

また、分割前からの株主が株式の一部を売却し、利益を確定する動きに出る可能性もあり、企業の立場からは注意が必要といえます。

デメリット2:株主からの信頼が低下する可能性

株式分割を行うと、株式の流動性を高め、株価が上昇することで時価総額が上がる可能性はありますが、適切なタイミングで行わないと、市場の信頼性を低下させることもあります。

株式分割で株価が上昇したとしても、実際の企業価値が伴っていなければ、一時的な現象にとどまってしまいます。

このような場合、投資家からは株価を上げることのみを目的に株式分割を行っていると疑われ、経営に対する信頼性の低下にもつながります。

株式分割で株価が上昇した事例・下落した事例

株式分割を行うと株式の流動性が高まり、株価の変動が大きくなる傾向にありますが、株価がが上下どちらに動くかは一様ではありません。

株式分割を行った銘柄の中から、株価が上がった事例と下がった事例をご紹介します。

事例1:株式分割で株価が上がった例

大手不動産会社A社が、2対1の株式分割を発表したのが2016年9月12日の取引時間外でした。9月12日に2,722円だった株価は、発表の翌営業日以降に出来高が急増し株価は上昇を続け、10月3日には3,690円と35%も上昇しました。

A社は分割当日に9月12日に好内容の決算発表を行っていましたが、6月中にはすでに業績予想の上方修正と増配を発表していたため、株価はその時点で業績を織り込んだ価格になっていたと考えられます。つまり 本事例では、株価の上昇は株式分割を好感して上がったと推測されます。

事例2:株式分割で株価が下がった例

大手小売業社B社が、2対1の株式分割を発表したのは2016年5月30日でした。5月30日に5,270円だった株価は、翌営業日の5月31日には出来高が急増し、それに伴い株価も上昇し、5営業日後の6月6日には、6,280円まで20%近く上昇しました。

しかし、その後株価は転落し、早くも6月22日には4,400円を割り込む価格まで下落。 同社の株式は分割前発表前から人気が過熱気味であり、発表を機に利益確定の売却をした株主もいたと推測されます。

本事例のように、株式分割発表後わずか数日だけ株価が値上がりし、その後下落に転じる例はまれではありません。

株式分割のメリット・デメリットまとめ

株式分割は、発行済み株式総数が増えるとともに、株取引に必要な1単元あたりに要する金額が低下するため市場での取引が活発になり、株式の流動性が高まります。

成長著しい新興企業など投資家の注目を集めやすい企業であれば、流動性の高まりをきっかけに株価と時価総額の上昇も期待できます。

一方で、上記のような株式分割のメリットを活かすには、分割タイミングや分割の割合を的確に決定する必要があるうえ、株主への適切な説明が不可欠なため、経営者には慎重な経営判断が求められるのです。

                   

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