close
close
使い方 プロのM&Aアドバイザーにお気軽に相談いただけます。 menu

シリーズAとは?ラウンドによる違いや資金調達方法のポイントを紹介


公開日:2021年11月30日  最終更新日:2022年11月18日

スタートアップ企業の経営者の方で、事業拡大のために資金調達をしたいという方や資金調達の方法やタイミングなどについて知りたいという方も多いでしょう。

この記事では、スタートアップ企業の資金調達ラウンドであるシリーズAの段階での資金調達についてご説明しています。

参考記事:資金調達とは?具体的な方法・種類からメリット・デメリットまでわかりやすく解説!

資金調達ラウンドのステージとは

スタートアップ企業が資金調達を受ける際、それぞれの企業の成長段階に応じて適切な資金調達の方法が異なります。自社が現在どのような成長段階にあり、どの程度の資金を調達する段階かを示す用語がラウンドです。

ラウンドには、創業前のタイミングであるシードから、経営が安定し、上場に向かう段階のシリーズC以降まで様々存在しますが、この記事ではシリーズAを中心に説明していきます。まずは、企業の成長段階に対応する各資金調達ステージを説明します。

シリーズAの定義

シリーズAとは、事業を開始した段階での本格的な資金調達を指します。まだ市場で広く支持される前ではあるものの、ローンチした商品やサービスに注目が集まり始めている段階です。エクスパンションステージという呼ばれ方をすることもあります。

実際に商品やサービスを市場で展開しているため、創業前後の段階と比較して、事業内容に対して理解を得られやすい段階です。一方で、事業を一段と成長させるために資金調達が必要な時期でもあります。

シリーズBの定義

シリーズBとは、グロースステージとも呼ばれ、シリーズAの次の段階を指します。具体的には、ローンチした商品やサービスが市場でシェアを広げ始め、経営が軌道に乗り、安定してきた段階のことです。

この段階では、事業がシリーズA段階よりも安定していることから、調達可能な額もシリーズAより多くなります。一方で、事業の黒字化戦略や上場、イグジット等の事業の将来的な戦略を投資家に説明する重要性が増してきます。

シリーズCの定義

シリーズCとは、レイターステージとも呼ばれ、シリーズBの次の段階を指します。具体的には、事業が広く市場に受け入れられ、上場(IPO)やイグジットに向かう段階です。

出口戦略に向けて事業が動いている段階であることから、投資家からの評価を得ることはこれまでの段階と比較して容易になります。一方で、上場やイグジットを目指すための行動には多額の資金を必要とし、資金調達の必要性も引き続き高くなります。

シリーズAのポイント

前章では、資金調達ラウンドについてまとめてきました。以下では、各ラウンドのうちシリーズAの資金調達について詳しく見ていきましょう。

具体的には、シリーズAの資金調達額の目安、資金調達タイミング、資金調達方法の3点について説明していきます。

  • 資金調達額の目安
  • 資金調達のタイミング
  • 資金調達方法の種類

1:資金調達額の目安

シリーズAは、徐々に商品やサービスの認知度が増加している段階です。ただ、まだ市場で優位的な地位を占めているとまでは言えず、今後さらに事業を伸ばしていくための資金が必要です。

この段階では、数千万円から数億円規模の資金調達が行われることが多く、調達した資金は商品開発速度の向上や、販売促進のためのマーケティング、優秀な人材の採用など、さらなる成長のために投入される例が多くみられます。

2:資金調達のタイミング

資金調達のタイミングとしては、運転資金が足りなくなってから準備するではなく、余裕をもって計画しておくことが重要です。

創業前後のシード期やアーリー期では、まだ商品やサービスのローンチ自体が行われておらず、またはローンチされていても市場での知名度は低く、まだ事業の安定性に欠ける段階です。

シリーズAでは、前の段階と比べて資金面での安定性は増しているものの、事業拡大のために必要な資金額が増加するため、早期の資金調達が必要となることに変わりはありません。資金不足の可能性が見えてから資金調達の準備をするのではなく、前もって資金調達の時期を検討しておく事が必要です。

3:資金調達方法の種類

シリーズAの段階での資金調達には、投資家や金融機関などいくつかの方法があります。ベンチャーキャピタル、エンジェル投資家、金融機関からの借り入れや融資が主な手法です。以下で具体的に説明していきます。

●ベンチャーキャピタル

スタートアップ企業を含む、いわゆるベンチャー企業に出資を行う投資ファンドのことをベンチャーキャピタル(VC)と呼びます。

ベンチャーキャピタルは、出資した企業の株式を受け取り、その後、出資先企業の上場やM&Aに際して、保有株式の売却を行うことで利益を出しています。

そのため、ベンチャーキャピタルから投資を受けることを検討する場合、高い成長性に裏打ちされた将来的なイグジット戦略(上場やM&A)が重要視されます。

●エンジェル投資家

エンジェル投資家とは、特に創業前後のスタートアップ企業に対して投資を行う個人投資家のことを指しますが、シリーズAの段階でも有力な出資元となりえます。

エンジェル投資家から投資を受けるメリットは、エンジェル投資家自身に経営経験がある事が多く、資金調達のみならず経営に対するアドバイスを受けられる場合がある点です。また、事業内容のみでなく経営陣の人柄なども総合的に見て投資の判断を行う点も特徴的といえます。

経営に対するアドバイスを受けられるという点では、度が過ぎると経営に対する介入にもなりかねないため、エンジェル投資家の出資比率については注意が必要です。

●借入や融資

ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家の他に、金融機関から融資を受けることも選択肢の一つです。スタートアップの資金調達では、政府系の金融機関である日本政策金融公庫から融資を受けることが多くあります。

日本政策金融公庫は、新規創業や中小企業の支援等を目的とした金融機関です。そのため、金融機関からの借り入れではあるものの、金利は非常に低く抑えられています。また、返済の猶予期間も存在し、民間の金融機関からの借り入れよりはるかに有利な条件での借り入れが可能です。

一方で、金融機関である以上、VCやエンジェル投資家とは別の観点で審査されます。事業計画書などを丁寧に作成し、成長性などを十分に説明する必要があることは基本ですが、日本政策金融公庫の融資目的と、自社の資金調達の目的が合致しているかどうかも留意すべきポイントです。

また、融資可能な対象について条件が設定されている場合もあります。具体的には、新事業育成資金であれば事業化されて7年以内であるという条件が付されています。

出典:日本政策金融公庫|新たな事業に挑戦する中小企業、ベンチャー企業向け融資制度

まとめ

シリーズAの資金調達についてイメージがつかめたでしょう。事業を拡大させる段階では、積極的に資金調達を行うことによって事業の成長が加速します。専門家に相談して、自社に適した資金調達方法を探ってみてはいかがでしょうか。

M&Aマッチングプラットフォーム「M&Aクラウド」では、会社を買いたい、出資したい企業が、欲しい企業の要件を記事として公開中です。買い手となる企業を手軽に探すことができるほか、会社売却や資金調達についてM&Aアドバイザーに無料相談することも可能です。お気軽にご相談ください。

M&Aに関するご相談

textsms

ご相談はこちらから

remove close
keyboard_arrow_up