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事業譲渡の際の決議の要否|株主総会での決議が必要な場合や議事録の雛形について

かんたんM&A力診断
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公開日:2022年3月31日  最終更新日:2022年9月15日

本記事では、事業譲渡の株主総会の要否、株主総会を開いた際の必要記載事項などをわかりやすくまとめています。

実務で役に立つ内容となっていますので、今後事業譲渡を行うための流れを知りたい方、事業譲渡を控えている経営者の方におすすめの記事です。

事業譲渡とは

事業譲渡とは、会社の事業の一部、あるいは全部を他の会社、個人に売却することを指します。譲渡する事業の範囲を個別で設定できるのが、事業譲渡の特徴です。

事業譲渡で譲渡されるものは、ある特定の目的のためにノウハウ、ブランド、自社の従業員などを含むあらゆる有形、無形の資産です。

事業譲渡とよく比較されるM&Aに株式譲渡がありますが、株式譲渡の場合は株式を移転し、包括的に会社の譲渡を行います。このため、契約によって個別の資産、負債などを移転させる事業譲渡とは性質が異なります。

事業譲渡は上記の通り、資産や負債、権利は個別の契約で定めるため、買い手企業にとっては簿外債務などのリスクが低減する特徴があります。

株主総会の特別決議による承認を要する事業譲渡とは

事業譲渡の特別会議が必要になるかには「重要な事業の譲渡」に該当するか否かが重大なポイントです。会社法では、譲渡する事業を量的基準と質的基準の双方から判断されています。

出典:e-Gov 法令検索 会社法 第四百六十七条

「重要な一部」とは?

株主総会の特別会議が必要になるかは「重要な一部」事業を売却するのかどうかです。ただし、この基準は量的基準と質的基準の2つで判断されます。

このほか、重要性の判断は、事業譲渡により生じる「競業避止義務」が、事業譲渡側に重大な影響を与えるかどうかでも判断されます。

1.会社法第四467条1項2号括弧(かっこ)書

会社法第四百467条では、会社が重要な一部の事業を譲渡する際、株主総会の決議が必要な旨が記載されています。ただし、譲渡する資産が全体の帳簿価格の五分の一の場合を超える場合であることも記載されているため注意が必要です。

このため、まずは譲渡する事業が総資産の五分の一を超えるかどうかを見極めることが、その後のフローを見極める判断基準として大切です。

出典:e-Gov法令検索 会社法 第四百六十七条

2.その他検討すべき事項

会社にとって重要な一部の譲渡となるかには、量的側面と質的側面が関わります。量的側面とは、その事業の売上、利益、従業員数などが会社全体の事業の10分の1を上回るか否かのことです。10分の1を上回る場合には、重要な事業を売却したと言えます。

質的側面では、事業譲渡によって生じる競業避止義務が譲渡会社の収益や譲渡後の事業活動に与える影響度合を考慮します。影響が大きいと判断される場合は重要な一部に該当します。

事業譲渡を行う場合の決議の要否

事業譲渡を行う場合は基本的に取締役会の決議が必要です。しかし、中には代表取締役単独で決定ができる財産の処分や、株主総会の特別決議が必要になるものもあります。

これらを分けるのが譲渡をする財産です。取締役会設置会社における譲渡財産が「重要」なものである場合、株主総会の特別決議が必要になりますし、「重要」な財産に該当しない場合には特別決議に該当しないこともあります。

ここからは、上記のフローをもう少しわかりやすくそれぞれ説明します。

出典:e-Gov 法令検索 会社法 第四百六十七条

重要な財産の処分に当たらない場合

まず取締役会の決議が必要か否かの分岐点になるのが、重要な財産の処分に該当するか否かです。重要な財産の処分に該当しない場合には、代表取締役の判断で処分が可能になります。

重要な財産に当たるかの基準は以下の要素で決定されます。

「財産の価値」「会社の総資産に占める割合」「保有目的」「処分の様態」「会社における取り扱い」の5つです。ただし、国税庁も上記の要素を総合的に判断すると説明していることから、明確な基準はありません。

重要な財産に該当しない場合には、そもそも総会決議事項に該当しないということになります。

出典:国税庁 重要な財産の処分若しくは譲受けの判定

重要な財産の処分に当たる場合

「処分をする財産」が重要な財産に該当する場合、取締役会の決議が必要です。「重要な財産の処分」は事業譲渡とは異なるため、重要な財産であっても株主総会の決議は必要ありません。

事業の全部または重要な一部の譲渡に当たらない場合

事業譲渡における譲渡財産が、元会社の全部または重要な一部の譲渡に該当しない場合には、株主総会は不要です。取締役会の決議を実施し、反対株主の株式買取請求を受理して手続きは終了です。

出典:e-Gov 法令検索 会社法 第七百八十五条

事業の全部または重要な一部の譲渡に当たる場合

事業の全部または重要な一部の譲渡に当たる場合には、基本的には株主総会の特別決議を開く必要があります。ただし、全てのケースで特別決議を実施するわけではありません。

特熱決議を実施しなくてもよいケースは、譲渡により譲り渡す資産価値が純資産額の20%以下の場合と、譲渡先が特別支配会社に該当する場合です。

特別支配会社とは、会社の議決権を10分の9以上保有している会社のことです。ここでは、売手側の株式を買手側が既に90%以上保有している場合と整理しておくとわかりやすいでしょう。

出典:e-Gov 法令検索 会社法 第四百六十八条

株主総会による特別決議が必要な場合の株主総会について

株主総会による特別決議が必要となるのは、譲渡する資産が「事業の全部または重要な一部の譲渡に当たる場合」でしたが、実際の手続きはどのように進めればよいのでしょうか。

ここからは、株主総会の拾集手続きと、株主総会の開催と議事録作成についてそれぞれわかりやすく解説します。

株主総会招集

取締役会設置会社の場合、株主総会の決定を取締役会で決定し、代表取締役が株主総会の招集を行います。

株主総会の招集決定の際には、株主総会の日時、場所、議題、当日欠席の株主に対して書面による議決権を認めるかを決定します。株主総会は少なくとも、事業譲渡の効力発生日の前日までに特別決議の承認を取る必要があるので注意しましょう。

また、株主総会の招集通知は、公開会社は株主総会の日の2週間前まで、非公開会社の場合は株主総会の1週間前までに送付します。

出典:e-Gov 法令検索 会社法 第四百六十七条

株主総会開催と議事録作成

株主総会を開催すると議事録の作成が必要です。

そして作成した議事録は会社内本店で10年間保管し、株主や債権者からの要求があった際にはいつでも閲覧できるよう準備をしておかなければなりません。

議事録には、会社の意思決定が記録されているため、その内容についても決まりがあります。ここからは、必須項目と事業譲渡契約書の添付について解説します。

出典:e-Gov 法令検索 会社法 第三百十八条

必須項目

株主総会を開催し、取締役会議事録を作成する際には必ず記録に残す項目があります。

まず1つ目は株主総会が開催された日時と場所です。近頃ではテレビ会議システムを活用した出席も一般化しましたが、その際は「テレビ会議システム」などと記載の必要があります。

2つ目に株主総会の議事の経過の要領とその結果も記載が必要です。事業譲渡における株主総会の場合には、譲渡する事業の内容を特定し記載が必要です。また、その議論における経過と結果について記す必要があります。

3つ目に株主総会に出席した取締役・執行役・会計参与・監査役及び会計監査人の氏名または名称も必須項目です。

4つ目に株主総会時に議長がいる場合、その議長の氏名を記載することも忘れないようにしましょう。

5つ目に議事録の作成に係る職務を行った取締役の氏名も欠かさず残すようにしましょう。

以上が必須項目に必要な内容です。

出典:e-Gov 法令検索 会社法施行規則 第七十二条 3項

事業譲渡契約書を添付

事業譲渡の場合には、事業譲渡契約書も合わせて添付するようにします。事業譲渡契約書とは、事業を譲渡、譲り受ける際に必要となる契約書のことです。

事業譲渡は個別契約になるため、財産の範囲の指定を明記する必要があります。そのため、入念な中身の精査を行いましょう。

事業の重要な一部の譲渡を承認する株主総会議事録の雛形について

株主総会議事録の雛形を作成する際は、「開催日時」「開催場所」「出席取締役」「議長」「株主の出席」「議決権の状況」「議事の経過要領と結果」などの項目を忘れないようにしましょう。

上記の内容を記載した後は、議案を記載し、全てが株主総会で承認可決した旨を記載します。その後、議長と出席取締役が記名押印をする欄を作成しましょう。

なお、この際、必ず日付を落とさないようにしましょう。

出典:e-Gov 法令検索 会社法施行規則 第七十二条 3項

まとめ

本記事では、事業譲渡の際における決議の要否、株主総会の決議が必要な場合とその対応についてわかりやすく解説しました。

事業譲渡は、株主総会を実施する必要があるのか、ないのかなど手続きが少し複雑に見える反面、一度全体の流れを理解するとわかりやすい内容です。本記事を貴社の事業売却にお役立てください。

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