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成功するピッチ資料の作成方法とは?|作成の手順と14の構成要素を紹介


公開日:2021年8月31日  最終更新日:2022年11月18日

プレゼンよりも短い時間で、スピード感が重視されるピッチ。スタートアップにとって会社の知名度を高め、資金調達にもつなげられる有効な手段だといわれています。

本記事では目を引くピッチ資料の作成の方法を解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

参考記事:資金調達とは?具体的な方法・種類からメリット・デメリットまでわかりやすく解説!

ピッチとは

まずは「ピッチ」についてわかりやすく解説します。結論からいうと、ビジネスにおけるピッチとは、端的なプレゼンのことを指しています。

プレゼンテーションとピッチの違いは、テンポ感とスピードです。一般的なプレゼンよりも素早く、短い時間で実施することが大きな特徴で、実際に与えられる時間は1分から長くて10分程度の場合が多いです。

プレゼンテーションが成熟した企業などで用いられることが多いのに対し、ピッチは創業期の経営者が投資家などから資金を調達したい場合の説明などで利用します。

このため、ピッチは自社について前提知識を持っていない人に、一から事業やサービスの強み、市場の成長性などを説明する際に使われる手法だと認識しておくとよいでしょう

英語でピッチ(pitch)とは、テンポや調子を意味します。また、「ピッチを上げる」という表現は聞いたことがあるのではないでしょうか。このことから、素早く端的に示す「ピッチ」という言葉が生まれたとの説も唱えられています。

この記事では会社の買収について説明していきます。買収はM&Aの手法の一つですが、その特徴やメリット、デメリットについて触れていきます。

参考記事:
事業会社からの資金調達のリアルとは?注目スタートアップCEOが明かす資金調達の勘どころ

ピッチ資料作成の4つ手順

ここでは売り手側企業の視点から、企業売却の成功を左右するポイントを8つに絞って解説していきます。テンポよく、限られた時間でプレゼンを行うのにはコツが必要です。

ピッチ資料を作成するには、細かい構成要素を検討しますが、その前に、まずは4つの手順を明確にしておきましょう。

手順1:目的やターゲットを考える

ポイントの1つ目ですが、まずは買収や売却を行うにあたっての目的と、具体的な戦略を明確化することが挙げられます。

ピッチ資料を作成する際に大切なのは、そもそも何が目的でピッチをするのかです。「What」が明確になっていないと、ピッチはぼやけてしまいます

例えば、創業期の企業が成長していくためにピッチを行うのであれば、資金調達が目的になります。また、事業拡大を検討しているのであれば、アライアンス先に対してピッチをする必要があります。

このように、何をしたいのかを決めると自然にターゲットが決まります。

先ほどの例でいうと、資金調達をするのであれば、エンジェルなどの投資家や投資ファンドがターゲットになります。同様に、事業拡大を狙うのであれば、アライアンス候補先がターゲットになります。

このように何を、誰にするのかを明確にすることで、具体的なピッチ資料が作れるようになります。

手順2:構成の全体像をイメージする

目的とターゲットが明確になったら次は全体像をイメージします。

短い時間でピッチを行う必要があるので、すべてのスライドは目的を達成するための要素でなければなりません。いきなり具体的に書き出してしまうと、結果的に目的からずれてしまう構成になり、修正が必要になる可能性が高いです。

このため、全体の構成を実際に書き出してみることをおすすめします。順序に間違いはないか、客観的な根拠はあるかを注意して構成を作成してみましょう。

ポイントの2つ目として、M&Aアドバイザーとの契約とプラットフォームへの登録が挙げられます。

手順3:ストーリーを作りこむ

構成を作成したら、ピッチで語るストーリーを作り込みましょう。

短い時間のピッチで、相手に対して印象を残すためには共感を得る必要があります。そして共感を得るために有効なのがストーリーです。

ストーリーを作る際は、その課題を「誰でもなくあなたが」、「今」、「解決する必要があるのか」の3点が明確にわかるようにします。

すると、聞き手に対して強い思いを伝えることができるようになるので、記憶に残りやすいといわれています。

手順4:デザインを検討する

ピッチに使う資料のデザインはシンプルなものを使いましょう。

シンプルなデザインにすることで、聞き手は目で見て、想像しながら話を聞くことができます

話す内容が端的にまとまってない場合は、どれだけ綺麗にまとめても意味がないので、内容を重視しで、次にデザインの意識を持っておきましょう。

ピッチ資料の重要な14の構成要素

ここからは、ピッチ資料の構成要素について掘り下げます。どういった資料であれば、より訴求力が高まるのか、計14つの構成要素についてそれぞれわかりやすく解説していきます。

構成要素1:表紙【タイトル】

まずタイトルスライドは必ず入れましょう。

例えば、商品のブランドアイデンティティを満たすようなロゴや色でタイトルを構成すると、聞き手に対して伝わりやすい仕上がりになります。

構成要素2:顧客と課題

ピッチで紹介するビジネス、商品、サービスの顧客は誰なのかを明確に説明しましょう。

事業やサービスの顧客の設定をペルソナといいます。ペルソナの設定がしっかりしていないと全体的に説得力に欠ける印象を与えてしまいます

また、その顧客が抱える、何の課題を解決するのかを明らかにする必要があります。この際、「なぜ私が解決するのか」を盛り込むと、熱意が伝わりやすいピッチになるので意識してみてください。

構成要素3:課題の放置

ピッチ資料には、なぜ課題が放置され続けてきたのかを盛り込むようにしましょう。

課題が放置されていた理由や根拠をきちんと説明しないと、そもそも放置され続けて問題ない課題なのではないかという結論になる可能性があり、問題解決の必要性が欠けてしまうからです。

その際は事業やサービスの主語を「自身」だけに設定するのではなく、顧客も求めている理由を示さないと、課題を解決する意味がなくなってしまう恐れがあります。

構成要素4:課題の解決

課題を解決する妥当性を示した後は、なぜ放置され続けていた課題を今なら解決できるのかを説明できるようにしましょう。

根拠に欠けてしまうと、課題解決の実現性が小さくなってしまいます。

構成要素5:解決方法

解決方法は『How』にあたる部分です。解決方法を具体的に落とし込むことで、そのビジネスに対する具体性が上がります。

そして、他にも解決方法がある場合には、なぜその解決方法を選ぶのかまで言及することで、さらに具体性が高まり、事業の独自性も高まります。

構成要素6:ミッション

ミッションはピッチにおいて最も大切な要素の一つです。ミッションとは「なぜ自分がその課題を解決しなければならないのか」を言語化することです。

このミッションでこそ、大きな熱意を表現できます。実際にこうした熱意を重要視する投資家もいます。

構成要素7:マーケットサイズ

実現したいビジネスがどの分野・領域にあてはまるのか、その規模はどのくらいなのかを説明します。

マーケットサイズについては、より客観的な情報が求められます。例えば、どれほど有効なピッチ、ビジネスを考えたところで、マーケットサイズが小さければ投資のメリットがないため、出資を受けられる可能性は低くなります

このような弱点を補完できるビジネスを考案し、その妥当性をアピールすることがピッチでは大切です。

構成要素8:プロダクトやサービス紹介

どれほど自社のビジネスモデルについて説明したところで、実際のプロダクトやサービスがなければ理想だけで終わります。

これを避けるために、自社のプロダクトやサービスを言語化して説明することはとても大切です。

実際にデモ動画などを用意して説明すると具体性が高まり、投資家に対する説得の材料となります。

構成要素9:トラクション【定量的根拠や数値予測】

トランクションは、どれだけ顧客を引き込めたかを意味します。このため、牽引性と呼ぶこともあります。

すでに自社プロダクトをリリースしているのであれば、実際に顧客がどれほど引き込まれたのか定量的根拠を示すのが効果的です。この他にも、実際の売上、成長率、サービスの継続率などを算出し、定量的に示すのが大切です。

足元の顧客数の伸びなどから、将来の予想数値を示してピッチを行うのも良いでしょう。

構成要素10:競合状況

自社のサービスを紹介するには、競合の状況を比較して示すのが効果的です。

自社の特徴を示すためには、他社との比較が大切です。仮にマーケットサイズが大きくて、競争環境が激しい市場に後発で参入するのであれば、どうやって競合に勝つのかという説明が必要になります。

他社と自社との違いを示すためにはポジショニングマップというものが使われることがあります。視覚的に他社との違いがわかりますので、ぜひ利用してみてください。

構成要素11:戦略と競合優位性

競合状況を分析した後は、他社とは違う自社の戦略を説明するようにしましょう。

会社の戦略としては大きく分けて3種類あります。コストリーダーシップ戦略、集中戦略、差別化戦略です。

スタートアップに多い差別化戦略を用いる場合は競合優位性を活かしてマーケットの中でどのように顧客を取得するのかを説明しましょう。

構成要素12:ビジネスモデル

ピッチ資料の中では、わかりやすい図を用いて自社のビジネスモデルを説明する必要があります。

説明は(1)サービス、(2)お金、(3)商品、(4)価格という順番で構成されることが多いようです。この4点が明確になっていないと、ピッチ相手に自社のビジネスの核が伝わりません。

ビジネスモデルをうまく図に落とし込むことができない場合は、ヒト(取引先)、モノ、カネの「流れ」を意識してイラストにまとめてみるとよいでしょう。

構成要素13:経営チーム

誰が会社を経営するのかを紹介することも大切です。

ビジネスの構想がしっかりしていても、理想を実現できる経営陣、チーム体制が整っていなければいつまで経っても現実化できません。

なぜそのチームメンバーであれば理想を現実化できるのか、何か実績はあるのかを明確に盛り込むようにしましょう。

構成要素14:資金調達概要

ピッチ開催の目的が資金調達である場合、必ずその旨をピッチ資料の中に折り込むことが大切です。この際、資金調達をどのように行うのか、その金額はいくらなのか、使途は何なのかを明確にする必要があります。

投資家は、出資したお金が何に使われているのかわからないと不安をいだきます。そのような事態を避けるためにも、何にお金を使うのかを明確化して資金調達を依頼することが大切です。

まとめ

本記事では、ピッチとは何か、当事者に訴えかけられるピッチ資料の作り方を解説しました。

アメリカから始まったピッチは、日本でも幅広く取り入れられ、今後ますます重要性が高まっていきます。ピッチ資料を作る際に、本記事をぜひ参考にしてみてください。

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