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会社引き継ぎの5つのパターン|引き継ぎの主な流れ8つと成功のポイントも紹介


公開日:2021年5月27日  最終更新日:2021年5月27日

会社の後継者がいない時どうする?

事業承継

中小企業のオーナーにとって、長年営んだ事業の承継は重要な課題です。後継者が見つからなければ、最終的には会社を廃業(清算)することになり、従業員の職と今まで築いてきたブランドが失われてしまいます。

しかし、 現時点で後継者候補がいなかったとしても、会社を引き継ぐことは可能です。後継者へ会社を引き継ぎ、会社を存続させる方法をご紹介します。

会社の引き継ぎが進む背景

帝国データバンクの「全国企業後継者不在率動向調査(2020年)」によると、全国の約26万6000社のうち、約65.1%にあたる約17万社で後継者不在という結果でした。

後継者不在の企業の割合は高いように思えますが、実のところ後継者不在率は3年連続で緩やかに低下しています。背景には、中小企業庁が2017年からはじめた「事業承継5ヵ年計画」によって「事業承継補助金」が運用されるなど、事業の引き継ぎを支援する制度の運用が開始されたことなどが考えられます。

参考記事:M&Aで事業承継補助金を申請する4つのポイント|対象者や募集要項も解説|M&A to Z

前出の 調査によると、親族への承継の比率は下がり、一方で内部昇格や外部招へいの比率が上がっていることから、「親族以外」への事業承継が増えていることが分かります。

会社の引き継ぎの5パターン

事業承継で会社を後継者へ引き継ぐ方法は、大きく分けて5つあります。それぞれにメリット・デメリットがありますので、5つの事業承継方法の注意点やポイントを解説します。

パターン1:親族への引き継ぎ

親族への引き継ぎは「同族承継」とよばれ、オーナー経営者の子どもやその配偶者など、親族へ経営を引き継ぐことをいいます。

親族へ引継ぐことで創業家としての地位を継続することができ、社内外の関係者から受け入れやすいというメリットがあります。また株価評価も、相続税評価にもとづく株価算定で行い比較的低い株価にて譲渡が可能です。

その反面で、後継者としての適格性判断が甘くなるため、親族内に後継者としての資質が備わった人材がいない場合、うまく引き継げないケースもあります。また、相続税が高くなり、納税資金の確保が困難になることもあります。

出典:No.4102 相続税がかかる場合|国税庁

パターン2:従業員への引き継ぎ

従業員への引き継ぎは「社内承継」とよばれ、同族以外の共同経営者や従業員へ経営を引き継ぐことをいいます。

従業員への引き継ぎでは、業務に精通しているため、後継者としての教育期間が短縮可能です。また、日ごろから仕事ぶりから後継者としての適格性を判断でき、判断に時間がかからないというメリットがあります。

その反面、中小企業は会社のオーナーが社長自身であることが多いため、後継者は株式取得のための多額の資金が必要となります。また、債務の個人保証の引き継ぎが困難なケースもあります。

パターン3:外部人材への引き継ぎ

親族内・会社内に後継者候補がいない場合は、外部から人材を招へいし、事業承継を行う方法もあります。 例を挙げると、取引先や融資元の金融機関から後継者を招くという方法です。

外部人材への引き継ぎでは、社内にしがらみのない人物であるため、大胆な改革に取り組めるというメリットがあります。その反面、金融機関との調整など、引き継ぎに伴う手続きで多くの手間が発生します。

引き継ぐ人材は、株式取得のための多額の資金が必要となります。また、債務の個人保証の引き継ぎが難しい場合もあります。

パターン4:会社売却による引き継ぎ

親族・社内・外部のいずれにも会社を引き継げる人材が見つからない場合は、会社を売却するという選択肢もありM&A(Mergers and Acquisitions・会社の合併と買収)とよばれます。M&Aというと大企業の合併のイメージがあるかもしれませんが、多くの中小企業の事業を引き継ぐ目的で活用されている方法です。

売却による引き継ぎでは、多くの選択肢から経営の適任者を選ぶことができるため、適切な経営手腕を持つ承継者に会社の経営を引き継ぐことが可能です。さらに、創業者利益としてまとまった資金を現金化できるメリットもあります。加えて、譲渡先事業とのシナジー効果で飛躍的な事業成長を期待できます。

デメリットとしては、M&A後も一定の引き継ぎ期間が必要となることです。また、株式の譲渡益に関わる相続税・贈与税の負担が大きくなる場合があります。

パターン5:一部事業のみの引き継ぎ

M&Aには、一部事業のみを売却して引き継ぐ選択肢もあります。一部の事業を売却し、規模を縮小したうえで経営を継続するため、改めて後継者の選定が必要です。

また、一部事業の売却は企業の財産や権利を個別に移転する手続きであるため、株式譲渡で経営権を譲渡するより手続きが煩雑となります。事業用財産の譲渡益が大きい場合、相続税・贈与税の負担が大きくなる場合があります。

会社の引き継ぎを行なうメリット

事業承継により会社を引き継ぎできれば、経営者がリタイア後も事業は存続し、後継者により事業が成長する可能性もあります。

また、 廃業(清算)を避けることで従業員の雇用が守られ、長年にわたって取引のあった取引先や関係者へのマイナスの影響を避けることができるでしょう。

会社の引き継ぎを行なうデメリット

会社の引き継ぎを行うこと自体にデメリットはありません。ただし、先ほど解説した通り、会社の引き継ぎには5つの方法があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。したがって、自社の状況にマッチした引き継ぎ方法を採用する必要があります。

会社引き継ぎの8つの流れ

会社の引き継ぎでは後継者の育成なども必要となるため、スムーズに引き継ぎするために早い段階から準備する必要があります。そこで、会社の引き継ぎではどのようなことが必要となるのか、8つのプロセスに分けて解説します。

出典:事業承継ガイドライン|中小企業庁

1:会社と経営者の状況を明らかにする

会社の経営状況・経営課題・経営資源を見える化したうえで、現状を客観的に把握することから始めましょう。次に、商品力や開発力における強み・弱み、成長の可能性、利益を生み出す仕組みを検証します。強みをより活かし、弱みをどう改善する必要があるか、方向性を見出すことが大切です。

現状把握は経営者自身でも行えますが、外部の専門家や金融機関などに客観的に評価してもらうことで、より効率的に取り組むことができます。

2:引き継ぎ候補者を選定し育成する

候補者の選定は、まず後継者に必要な人材要件を定義し、それに見合った人材を親族や社内から探します。

たとえ社内から優秀な人材を選定した場合であっても、経営者としてすぐに力を発揮できるとは限りません。後継者となる人材に合わせ、経営者としての育成プランを立てて実行していくことになります。相応の時間が必要なため、計画的に、年単位でスケジュールを組むケースもあります。

社内での教育には、現経営者による直接指導、複数部門を経験させる、経営幹部として経営に参画させるといった方法があります。

社外での教育には、取引先などで勤務経験を積んだり、子会社の経営を任せたりする方法があります。また、外部セミナーやビジネススクールで経営について学ぶことも有効です。

会社に引継ぎ候補者がいない場合

親族や社内で事業を承継される候補者を見いだせない場合、第三者への事業承継を検討しましょう。

全国の商工会・商工会議所、中小企業支援センター、事業承継の候補者となる後継者とのマッチングに取り組んでいる場合もあるため、活用することをおすすめします。

また、 インターネット上で引き継ぎ先を探せるマッチングプラットフォームを活用すれば、より広く承継者を探すことが可能です。

3:引き継ぐ事業などの内容を決める

事業を売却する場合、会社ごと売却する場合と、一部の事業のみを売却する場合があります。会社をそのまま引き継いでもらいたいのか、一部の事業だけ残したいのか、経営者自身の考えを明確にすることが大切です。

また、 従業員の雇用・処遇の現状維持や社名の存続など、引き継ぐ条件があればまとめておくとよいでしょう。売却条件は売却先企業との交渉により決定しますが、事前に条件を決めておくことで、条件に合った引き継ぎ相手を見つけやすくなります。

4:引き継ぎ計画を立て事業承継計画書を作る

親族や従業員へ事業を引き継ぐ場合は、会社の中長期の経営計画に、事業承継の時期や具体的な対策を盛り込んだ「事業承継計画書」を作成します。

「事業承継計画書」には、事業承継の基本方針として、誰にいつまでに引き継ぐかといった人の承継方針と、資産についてどのように引き継いでいくかについて記載します。

5:関係各所に会社の引き継ぎを知らせる

いつ誰に会社を引き継ぐかを決めるのは経営者自身が行いますが、実際に事業承継を進める際には、関係者に理解してもらうことが今後の取引において重要となります。

タイミングを見計らって、従業員・株主・取引先・取引銀行への説明を行うと良いでしょう。

6:経営権の引き継ぎを行なう

経営権の一般的な定義は、従業員に対して契約に基づいて指揮する権利、生産手段に関して総合的に管理する権利、生産方式・財務・人事に関する決定権を指します。

株式の過半数を所有することが経営権の獲得につながりますので、次に解説する株式の譲渡を行うことで経営権の引き継ぐことが可能です。

7:株式の引き継ぎを行なう

法人の場合、経営者が持つ株式を後継者に譲渡しますが、譲渡の方法は、相続・贈与・株式売買のいずれかで行います。

従業員へ引き継がれる場合は、経営者から従業員に対して株式が売却する株式譲渡という手段を用いることが多いでしょう。

譲渡対象の株式が自由に譲渡できない「譲渡制限株式」の場合は、株主総会や取締役会での承認が必要になります。また、当然ながら後継者が資金を用意できないと譲渡はできないため、買取資金の有無についても注意を払う必要があります。

8:実務の引き継ぎを行なう

事業承継計画で定めた後継者の育成計画に沿って後継者を育成し、最終的に実務の引き継を行います。 事業承継は中小企業が発展するきっかけになることもあるので、後継者が新しい視点で実務に取り組めるよう支援することも大切です。

会社の引き継ぎを成功させるためのポイント

よい承継者選びこそが、事業承継を成功させるポイントです。 親族や社内に適任者が見つからない場合は、第三者へ事業を譲渡することもできますが、いずれにしろ、事業をしっかり引き継ぎ発展させてくれるかどうかを見極めることが必要です。

計画をたてて会社の引き継ぎを行おう

TOB

現時点で親族や社内に後継者として適任な人材がいなかったとしても、外部人材の招聘や売却による事業譲渡という方法で事業を引き継ぎ、存続させることは可能です。

しかし、事業承継には多くの課題があり、時間をかけて入念な準備を行い、計画的に進める必要があります。

事業承継をサポートする補助金や税制の優遇措置もありますので、早い段階から事業承継について検討することをおすすめします。

M&Aマッチングプラットフォーム「M&Aクラウド」では、事業承継型M&Aを応援をしています。お気軽にお問い合わせください。

                   

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