【CARTA HOLDINGS×OKPR】“人”の魅力が成約の決め手。広告+PRから生まれる幅広いソリューションで、時代のニーズに応えていく

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【CARTA HOLDINGS×OKPR】“人”の魅力が成約の決め手。広告+PRから生まれる幅広いソリューションで、時代のニーズに応えていく

株式会社CARTA HOLDINGSのグループ会社・株式会社VOYAGE GROUPは、2020年2月、株式会社OKPRホールディングスのデジタルコミュニケーション・PR事業を譲り受け、新たに株式会社OKPRを設立しました。PR支援会社として存在感を発揮し、順調に導入先を拡大していたOKPRがなぜ他社傘下に入る道を選んだのか、そしてWeb広告に関わる幅広い事業を展開するCARTA HOLDINGSは、OKPRのどこに魅力を感じ、同社を迎えてどんな展望を描くのか――。「M&Aクラウド」で出会った株式会VOYAGE GROUP 取締役・土井健氏と株式会社OKPR 代表取締役・漆畑慶将氏に、成約に至ったポイントを聞きました。

プロフィール

土井 健(どい・けん)

2008年、同志社大学を卒業後、(株)サイバードへ入社。モバイル広告代理店事業立ち上げに従事。2011年にECナビ(現 VOYAGE GROUP)に入社。同グループ会社fluctに出向し、メディアコンサルタントとしてスマートフォンSSP「fluct」の立ち上げに参画。日本最大級のSSPに育て上げ、2014年に株式会社VOYAGE GROUPの執行役員、2016年にfluctの代表取締役に就任。2020年には株式会社VOYAGE GROUPの取締役、並びに株式会社サイバー・コミュニケーションズの社長室室長に就任。メディア領域の企業を中心としたM&Aや出資領域、PR領域、次世代型TVマーケティングプラットフォーム「PORTO tv」事業を管掌。

漆畑 慶将(うるしばた・けいすけ)

父親の影響で小学生からPCに興味を持ち新聞制作や動画制作、HP制作に打ち込む。2001年に個人事業主として起業しHP制作業をメインとして展開。高校生のときには月間4000万PVのサイトを作り上げる。大学卒業後は大手放送局やITベンチャー企業へ就職。2016年に株式会社OKPRを創立し、PR事業を展開。三菱UFJ銀行などのデジタル企画部門への出向経験も持つ。 2020年2月よりVOYAGE GROUPへとジョインし現在に至る。

事業拡大にリソースが追いつかず、機会損失が課題に

――まず、OKPRさんの事業内容を教えてください。

漆畑:スタートアップやシード期の企業をメインのクライアントとして、PRとデジタルコミュニケーションを支援する事業を展開しています。スタートアップ企業は想いをもって創業しているだけに、「いい商品だからお客様は振り向いてくれるだろう」というプロダクトアウト型の発想になりやすいのですが、社外の人から見たプロダクトの印象は、作り手側の思いとは異なっていることが多いものです。そのギャップを踏まえたうえで、最適なPR戦略を提案し、実行していくのが当社の役割です。

「PR」というと、日本国内では「広告」と混同されがちな面がありますが、スタートアップがこれまでにない商品・サービスを市場に出していくためには、適切な「PR」が非常に重要。その価値を分かっていないがために、後発企業においしいところを持っていかれてしまうケースも見られます。そんなもったいない失敗をなくしていくためにも、当社ではPR活動全般はもちろん、時にはさらに上流のサービスの戦略企画や差別化、ポジション取りの立案からのサポートも行います。2016年の設立から約4年、この間に急成長したクライアント企業もあり、またオープンイノベーションに取り組む大手企業の案件を受けたりと、中堅・大手企業の案件を手掛けるケースも増えてきました。

――ビジネスが順調に拡大する中でM&Aを視野に入れた理由はなんですか?

漆畑:事業が成長するにつれ、人的リソースに課題を感じるようになったんです。私を含めて数名体制だったので、まずバックオフィスの手が足りない。契約書のレビューに相当な時間をいただいてしまったこともあります。PR支援の実務面でも、私が現場の案件をこなしながらメンバーの育成も手掛けるという状況で、しだいに案件の優先度を付けざるを得なくなりました。育てていけば大きくなりそうな可能性のあるプロジェクトであっても、まだ投資段階にあるような案件の依頼は、お断りするケースも出てきてしまったんです。

折しも東京オリンピック・パラリンピックが今夏に予定されており(その後、新型コロナウイルス感染症の拡大により2021年に延期)、日本企業のPR活動が大きく変わりそうな状況でもありました。この広がるチャンスをしっかり取り込める体制をつくっていくためには、まず人員体制を拡充することが必須。さらには広告やクリエイティブといった、PR事業の隣接分野のノウハウも獲得したいところです。こうした思いから、外部の力を借りることを検討するようになりました。

――それで「M&Aクラウド」にご登録いただいたわけですね。2019年8月の登録後、さっそく数社に打診していますよね。打診先は、どのように選んでいたんですか?

漆畑:OKPRのビジネスを補完してくれそうな、広告やクリエイティブに強い企業かどうかという点と、カルチャーフィットできそうかどうかも考えました。とはいえ私はM&Aは初めてだったので、まずは名前を知っている企業に連絡しながら、徐々に感覚をつかんでいったかたちです。

――その後、CARTA HOLDINGSさんとの交渉が始まったのは10月。同社が「M&Aクラウド」に掲載を開始してすぐに漆畑さんから打診されましたが、前々から注目されていたんですか?

漆畑:はい。事業の行く末について知人に相談していたとき「OKPRはVOYAGEさんと相性がよさそうだよね」と言われたことがあって、ぜひ一度話をしてみたいと思っていました(注・株式会社CARTA HOLDINGSは株式会社VOYAGE GROUPの持株会社)。ただ、「直接アプローチするのはハードルが高いな…」と思いあぐねていたところ、タイミングよく「M&Aクラウド」に掲載されたんです。運命を感じてすぐに打診しました。

200ページの資料に詰まった“大志”に感銘。「この人と働きたい」

――CARTA HOLDINGSさんとしては今回のM&Aにはどのような狙いがあったのか、改めてお聞かせください。

土井:当社は2022年に向けた中期経営計画の中で、ネット広告市場において、広告主からメディアまで、あらゆる領域でサービスやプロダクトを展開していく“垂直統合”を掲げています。グループ内の機能統合に加えて、今後は「広告」の枠を越え、クライアントにアプローチできる新たな切り口も獲得していきたいと考えたときに、「PR」という方法もあるなという思いは持っていました。なので、漆畑さんから連絡いただいたときには、すぐに面談を設定しました。

――会ったときの印象は、お互いにいかがでしたか?

土井:漆畑さんからは“大志”のようなものを感じました。「会社を作って売却して終わり」ではなく「本気で社会に変革を起こしたい、その目的達成に向けたパートナーが欲しい」という意思が伝わってきたんです。これなら、たとえジョイン後に困難に直面しても、乗り越えていけるだろうと考えました。
なにしろ初回の面談で、200ページに及ぶ説明資料を紙で持ってきていただきましたからね(笑)。これは絶対に本気だし、馬力があるなと。漆畑さんはテクノロジーに明るいタイプなのに、あえて紙で持ってきたところも、「面白い人だな」と思いました。

――その200枚に、漆畑さんの“大志”が詰まっていたのですね。

漆畑:冒頭で触れたようなPR事業にかける思いに始まり、時代に合った価値を提供し続けるために現在挑戦していること、今後新たにやりたいことなどなど、たっぷり盛り込ませていただきました(笑)。人員体制面をはじめ、抱えていた課題についても、その場でざっくばらんにお話ししたところ、とても親身になって聞いてくださって。「一緒にやっていきましょう」と何度も言っていただきました。M&Aの進め方については勝手が分からなかった中、「こんなラフな形で相談に乗ってもらえるのか」と驚きましたし、「これはもうCARTAさん以外の選択肢はないな」という気持ちになりました。

土井:私の方も、まず、PRという当社にとって新たな事業領域が魅力でしたし、それ以上に、漆畑さん個人の能力の高さに引き付けられました。技術面から顧客対応までマルチにこなせるスキルもそうですが、マインド面もすごいんですよね。常識で考えれば無理と思えるような目標に向かって、楽々と一歩を踏み出し、壁を突破していく。今のCARTA HOLDINGSにはなかなかいないキャラで、人材としてもぜひ欲しいと感じました。

――初回の面談から意気投合したわけですね。となるとその後、今年2月の事業譲渡の発表までスムーズに進行したのでしょうか?

土井:そうですね。初回に私がお会いして好感触だった旨を、ほかのボードメンバーにすぐ伝えました。2回目の面談は1週間後。その後も毎週お会いするくらいのペースで話を進めました。取締役会の事前合意も早々に取れていたので、スピード感のある進行だったと思います。

――デューデリジェンスの際に苦労された点などはありませんでしたか?

漆畑:海外出張中に、時差がある中で会計書類をそろえなければいけなくなったのはちょっと大変でした。必要な時に必要な書類をすぐ出せるよう日頃から整理しておくこと、特にできるだけ電子化しておくことは大切だなと思いました。紙で保存されているものをスキャンする手間って結構大きいので。

――CARTA HOLDINGSさんにとっても、本件は「M&Aクラウド」を利用してM&Aを成立させた初めての事例になりました。土井さんは過去多くのM&Aを手がけてこられたと思いますが、「M&Aクラウド」を利用した感想を教えていただけますか?

土井:これまで当社では、基本、ボードメンバーが自分たちの人脈を使ってソーシングしていました。自分たちで動く分、案件の確度は高いのですが、それぞれ本業も忙しいメンバーなので、負担も大きかったんです。その点、オンラインプラットフォームに情報を掲載しておくだけで、漆畑さんのようなよい方にどんどん出会えるというのは、すごく楽だなと思いました。売り手からのオファーも、当社の概要やM&Aの目的などを読んだうえで頂いているので、的確なものが多かったですね。UIに関しても、直感的に理解できましたし、ステータス管理機能もしっかり作り込まれていて、使いやすかったです。

バックオフィスの悩みから解放され、PR事業のプラットフォーム化にチャレンジ!

――2月に事業譲渡のリリースを発表されてから、4カ月が経とうとしています。漆畑さん、VOYAGE GROUPへのジョイン以降の歩みを振り返っていかがですか?

漆畑:まず、バックオフィスの心配をせずに済むようになったのは非常に大きいです。さっそく人員も配置していただき、PR実務について教える際も、簡単なインプットですぐに要点をつかんでもらえるんですよね。さすがCARTAのようにカルチャーがしっかり根付いたうえで成長している会社には、優秀な人が集まっているなと実感しています。おかげで以前から取り組みたかった新しいビジネスモデルについても、仕込みを始めることができています。

CARTA HOLDINGSは2年前にVOYAGE GROUPとサイバーコミュニケーションズが統合してできた会社ですので、タイミング的にもダイナミックな展開を期待できます。グループ内のさまざまな部門のメンバーから、日々いろいろな刺激を受けています。

――VOYAGE GROUPだけでなく、サイバーコミュニケーションズのメンバーとも、すでに協業の機会が生まれているのでしょうか?

漆畑:そうですね。たとえば、サイバーコミュニケーションズの地方支社を通じて、地場の企業の悩みについて情報共有してもらったり。OKPRの経験値を活用して、新たにサービス化できそうな内容もあり、ワクワクしながらディスカッションしています。

――OKPRの今後のビジョンを教えてください。

漆畑:まずは今、トライアルを始めているプラットフォーム型のサービスをできるだけ早く軌道に乗せ、労働集約型のビジネスモデルからの脱却を図っていくことが大きな目標です。

グローバル競争が激化する中、今後、あらゆる業界・産業でPRやブランディングがますます重要になっていきます。OKPRはもともとSNSなど各種デジタルツールの活用に強みを持っていることに加え、CARTA傘下に入ったことで提供できるソリューションの幅が大きく広がりました。こうした強みを活かして、さまざまな業界の皆さんの情報発信に関する悩みに応えていきたいです。
PRのあり方は時代とともに変わっていくものですが、今回の新型コロナウィルス感染症の拡大を受けて、また新たな変革期に入ったと感じています。「確かな情報をしっかり届けていく」という原点に立ち返りつつ、この機会にPRの重要性を広めていきたいと考えています。

――最後に、CARTA HOLDINGSの今後のM&Aの方針についてもお聞かせください。

土井:引き続き、広告とその周辺領域でクライアントの課題解決に取り組んでいる企業には高い関心を持っています。「周辺」といっても本当に幅広く、今回のようなPR領域もあれば、インフルエンサー関連の領域などもあり得ます。M&Aのお話を頂き、少しでも可能性を感じた際は、どんどんお会いしていきたいと考えています。
検討にあたり、事業シナジーを考慮するのはもちろんですが、私たちが何より大事にしているのは、「誰と働くか」というカルチャーフィットの部分です。そこが合わないまま一緒になっても、結局何も進まないし、何もできない。もちろん状況次第で気を遣う部分はありますが、現場のマネージャーなども含め、できるだけ多くの方に事前に会って相性を確かめながら、よい関係づくりを模索していきたいです。

――今後も「M&Aクラウド」を窓口に、よい出会いが生まれますよう願っております。本日はありがとうございました。


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本ページに掲載している情報には、M&Aが成立するに至る経緯に加え、インタビュー時点での将来展望に関する記述が含まれています。こうした記述は、リスクや不確実性を内包するものであり、環境の変化などにより実際の結果と異なる可能性があることにご留意ください。

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