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株式会社NSアセットマネジメント

株式会社NSアセットマネジメント

【アジアゲートホールディングス×NSアセットマネジメント】上場企業と急成長企業がタッグで推進する、空き家問題解決の新たなソリューションとは?

ゴルフ・リゾート事業とリアルエステート事業を展開する株式会社アジアゲートホールディングスは2020年7月、不動産コンサルティング事業・不動産売買仲介事業・保険代理店事業を営む株式会社NSアセットマネジメントとグループ会社から事業と株式を譲受け、事業をともに運営することになりました。「社会に貢献する企業体の創造」を理念に掲げるアジアゲートホールディングスが、不動産投資家向けサービスに着目した理由とは。先行きの見えないコロナ禍のなか、交渉はどのような推移を辿ったのか。アジアゲートホールディングス代表取締役の松沢淳氏(写真中)と、NSアセットマネジメント代表取締役・藤山大二郎氏(写真右)、同取締役・薩摩賢幸氏(写真左)に話をうかがいました。

プロフィール

松沢淳(まつざわ・あつし)
1989年、株式会社住友銀行(現株式会社三井住友銀行)入社。その後、株式会社エム・ピー・テクノロジーズ(現アセンテック株式会社)取締役、フットワークエクスプレス株式会社(現トールエクスプレスジャパン株式会社)取締役、株式会社廣済堂社外取締役などを経て、2019年7月に株式会社アジアゲートホールディングス代表取締役社長に就任。
藤山大二郎(ふじやま・だいじろう)
大学卒業後、大手人材系企業に新卒で就職。不動産金融業界の顧客担当となり、当時最盛期だった不動産ファンド大手を中心に数多くサポート。その後、大手IT企業2社でECコンサルティング業務、Webマーケティング、新規ビジネス事業開発などに従事。28歳から不動産投資を開始し、わずか1年半で地方1棟マンション・アパートを中心に8棟100世帯を購入。30歳で会社を退職。自身も投資家として活動しつつ「誤った不動産投資をさせない」をモットーに、2016年、株式会社NSアセットマネジメントを設立。
薩摩賢幸(さつま・たかゆき)
秋田県出身。大学卒業後、新卒にて大手石油系ゼネコンでプラントエンジニアとして化学プラントの施工管理などの業務に従事。23歳の時より副業として不動産投資を開始。当時新卒2年目と低い属性であったために、少ない借り入れで高い投資効率を狙い、シェアハウス投資や法的に問題のある法的瑕疵物件に特化した投資に取り組み、2015年に月80万のCFを達成して会社を独立。2016年、株式会社NSアセットマネジメント設立と同時に取締役に就任。

「成長機会を逃したくない!」の思いで、ふわっと買い手探しを開始

――まず、NSアセットマネジメントさん(以下、NS社)の事業内容について教えてください。

藤山:
当社は「テクノロジー×不動産で、誰もが不動産投資に挑戦可能な社会を実現する」をミッションに、再建築不可物件や法的瑕疵物件(法令などにより利用方法に制限がある物件)活用の不動産コンサルティングのほか、個人の不動産投資家向けのWeb学習プラットフォーム運営、空室リスク・賃料変動などを分析できる不動産シュミレーションツールの提供、不動産の買取りプラットフォームの運営などを手がけています。

私自身、起業前から、会社員の傍ら不動産投資家として活動していました。その際に気になっていたのが、不動産業界の閉鎖性です。とりわけ個人の不動産投資家向けの情報は非常に不透明でブラックボックス状態でした。それをよいことに、悪質な不動産業者が何も知らない個人投資家をカモにするといったケースも。当時、私たち個人投資家が正確な不動産情報を取得したり不動産経営のノウハウを学ぶための最も確実な方法は、実績ある投資家同士の交流会でした。そんな交流会のひとつで出会ったのが、共同創業者で現・取締役の薩摩です。

薩摩とはすぐに意気投合。彼と話すたびに「アナログな不動産業界にテクノロジーを導入して、不動産投資にまつわる情報を透明化しよう。誰もが不動産投資に挑戦できる状況を実現して不動産の流動性が高まれば、相続や空き家問題を解決する端緒になるかもしれない」と、夢が広がっていきました。その夢を実現すべく、2016年に共同で当社を創業しました。

――創業後、事業は順調に拡大したそうですね。そのような状況でM&Aの検討を始めたのはなぜですか?

藤山:
当社の強みである再建築不可物件や法的瑕疵を抱える物件を対象にしたコンサルティングは高い専門性が必要なため競合も少なく、業績は順調に伸びていきました。また、私たちのノウハウを伝える教育プラットフォームも、多くの個人投資家から好評を持って迎えられました。創業から2年後には薩摩と「成長を加速するためにIPOで資金調達をしよう」と話し合うようになり、IPO経験者や監査法人など、さまざまな立場の人に話を聞きに行ったんです。

すると、どうやら現在の状況からIPOまで持っていくには、少なくとも5年はかかるらしい。でも、そんなに時間がかかるのでは成長のチャンスを逃してしまうと思ったんです。IPOすること自体が目的ではなく、事業が波に乗っているタイミングでさらに成長を加速するための方法を考えていたわけですから。そこで、IPO以外で事業の成長を加速できる手段を検討することにしました。実はその時まで、僕らには「企業を大きくするならIPO」という思い込みがあったんです。他にどんな手段があるかは、あまり把握していなかった。それから改めて情報収集を始めて、「M&Aを経て大手企業にグループ入りするという手段もありそうだ」と気づきました。情報収集の過程でM&Aクラウドのセミナーにも参加しました。そしてM&Aクラウドに売り手企業として登録したというわけです。

――M&Aクラウドに登録してからアジアゲートホールディングスさん(以下、アジアゲート社)と成約するまで約1年半。比較的期間があきましたよね。何か事情があったのですか?

藤山:
約1年半の間、もちろんアジアゲート社以外にも多くの企業と話をしました。それでも決まらなかったのは縁という部分もありますが、自分たちが将来どのような企業になることを望むのか、そのために最適なM&Aの手法は何か、それを詰めきれていなかったからだと思います。つまり、少しふわっと動いてしまっていた。

それで、改めて自分たちの事業の現状と将来目指すべき像、それに適したM&Aの手法をM&Aクラウドのアドバイザーと検討し直すことにしたんです。空白期間の1年半の多くは、そこに費やしました。ただ、事業を見つめ直す過程で改善すべき点を見つけることができましたし、今となっては有意義な時間だったと感じています。

社会貢献できる事業のM&Aを模索。空き家問題解決の糸口を見つけた!

――アジアゲート社が買い手としてM&Aを検討するようになったいきさつを教えてください。

松沢:
当社はシールド工法に強みを持つ建設会社として創業し、「社会に貢献する企業体の創造」を理念として、ゴルフ場やリゾートの企画・運営事業、不動産アセットマネジメント事業へと業容を拡大してきました。株式店頭公開の時代を経て、2004年にはJASDAQスタンダード市場に上場しています。

長らく当社の柱となってきた3事業も、建設事業以外の存在感が高まるに従い、事業間でシナジーが生まれづらくなっていました。そこで「社会に貢献する企業体」としてより社会的効用を高めるために、建設会社はグループ外にお譲りし、他の2事業と親和性の高い事業を展開する企業にグループ入りしていただきたいと考えたのです。もちろん新規事業をゼロから自社で展開する方法もあるとは思いますが、スピード感を持って成果を出すことも経営者としての使命。そこでM&Aを活用することにしました。

――M&Aを模索する過程では、NS社以外の多数の売り手から連絡があったと聞いています。なかでも、NS社に目を留めたのはなぜですか?

松沢:
今回のM&Aでは、既存事業とシナジーがあるのは当然として、どうしても譲れない基準がありました。「社会に貢献する企業体の創造」を理念に掲げる当社と、価値観を同じくする企業とビジネスに取り組みたかったのです。

この点NS社は、我々の条件に合致していました。さきほど藤山さんも言っていましたが、NS社のビジネスは不動産投資の普及を通じて不動産取引を活発化し、ひいては空き家問題や相続問題の解決にも寄与するものです。近年、放置された空き家の実態が報じられる機会も増えてきましたが、将来的に国内の空き家問題はより深刻になるはずで、NS社の事業は立派な社会貢献だろうと考えました。また、同社のセミナーでは投資家同士の交流を積極的に勧め、意見交換をうながしています。自社に不利な情報が流れないようセミナーで投資家同士の交流を禁じる企業も多いなか、個人投資家に利益を提供する姿勢を徹底している点にも共感しました。

もちろん、他社との差別化が完成していることも見逃せないポイントでした。NS社は扱いが難しい再建築不可物件や法的瑕疵物件などへの投資ノウハウを個人投資家に提供しています。高度な知見を要するうえに手間もかかるため、大手企業であっても容易にまねできません。非常に独自性がありエッジの効いたソリューションだなと関心したことを覚えています。

コロナ禍でも信頼関係は変わらず。成長に向け、選択肢を最大限確保するM&A手法を採用

――4月に基本合意をリリースした直後、コロナ禍に見舞われました。世間に先行き不透明感が広がるなか、M&Aを完結できた理由はなんですか?

松沢:
景気減速が懸念される状況で不動産関連事業をM&Aすることにリスクを伴うのは確かです。事実、商業用不動産の一部では、賃料の減額交渉が始まっているという報道もありました。そんな状況が住居用不動産にまで波及すれば、投資家の物件買い控えが発生しかねません。社内からも本件に対する慎重論が聞こえてきました。

しかし、私にはこれまでの交渉過程で、NS社のビジネスは当社の将来に必要だという確信ができていました。どうしても本件を成功させたかった。そこで、慎重論への説明材料を作ろうと、藤山さんから足元の動向のデータをいただきました。すると、Webセミナーの動員人数はむしろ増加しているし、不動産市場全体としても売買の期ズレこそ発生しているものの案件自体がなくなっているわけではない。どうやらコロナの影響は限定的だと。あとはデータと熱意を武器に、慎重論に対して丁寧に説明しました。結果として当初の見込みより多少時間はかかったものの、無事に完結まで漕ぎつけたかたちです。

藤山:
当社は以前からWebマーケティングに力をいれて集客しており、オンラインセミナーの開催にも取り組んでいたことから、コロナ禍でも大した影響はないだろうという自信はあったんです。それに、当社が得意とする法的瑕疵物件は、不景気で競売が増えれば市場に出てくる物件数も増えます。コロナは、むしろ追い風になる可能性すらありました。ただし、未曾有の事態においては、それも仮説に過ぎません。だからアジアゲート社が不安を抱くのはよく理解できました。そこで、とにかく連絡を密に取り合い、足元のデータを細かく提供するよう心をくばりました。データを見てもらえれば納得していただけるだろうと考えたんです。

とはいえ基本合意にいたった直後のコロナ騒動でしたから、かなり動揺したのは確かです。本件の進行が止まってしまう可能性についても考えました。薩摩とは「いっそのこと、こちらからM&Aの打診を取り下げようか」などと話しあったこともあります。心理的に相当参っていたんですね。ただ、そんなときM&Aクラウドのアドバイザーである村上さんからのアシストが大きな支えになりました。

――コロナ禍という特殊な環境で案件を進めるなかで、M&Aクラウドのアドバイザーである村上からのサポートが役立った場面があったのですね。

松沢:
当社の要望にスピード感を持って対応していただいたのは助かりました。コロナで社内から慎重論が出てきた際、村上さんにすばやくご対応いただきスピーディーに説明資料を作成できたことが、本件成功のひとつのカギでもあったと思っています。

藤山:
アジアゲート社へのデータの提供から、本音で話せる環境づくりまで、広く的確にサポートしていただきました。私たちが心理的に動揺しているときでも、冷静な視点からのアドバイスを受けられたのは幸いでした。

そもそも、村上さんの働きかけでアジアゲート社との初回面談が松沢さんとのトップ面談になったことも、当社にとっては大きなポイントです。実はそれまで「上場企業は物ごとを決めるのが遅い」という印象があったんです。それが、打診から1週間でトップ面談まで組んでいただけた。「アジアゲート社はスピード感がある。当社の事業の進め方ともマッチするのでは」と好印象を持って交渉をスタートできました。

村上:
いつも意識していることではありますが、今回はコロナで先が見えない状況ということもあり、とくに「お互いに腹を割って話せる環境」をつくることに注力しました。M&Aは条件の駆け引きが交渉の大きな割合を占めるというイメージをもたれやすいのですが、重要なのは当事者同士のゴールのすり合わせです。本件はアジアゲート社とNS社でM&A後のあるべき姿がうまく共有され両社の覚悟もできていたので、なんとしても成功していただきたかった。スピード感を持った対応ができたのは、その表れでもありますね。


――今回、段階を分けて株式を譲渡することでグループ入りした企業とのシナジーを活用しつつIPOも狙いうる、いわゆる「2段階EXIT」の手法を用いたM&Aになりました。同手法によるM&Aは近時注目を浴びていますが、本件で採用した背景について教えてください。

松沢:
NS社はIPOの検討をきっかけにM&Aの発想にいたったということなので、IPOの可能性も残しておいたほうが全社のモチベーション高く事業を進めていただけるかな、という配慮もあります。上場手続きは膨大な労力を要します。ベンチャー企業が自力でゼロからIPOを目指すより、上場企業のグループにジョインしつつ改めてIPOを目指すべきかを考える、目指すならグループの力を借りる、という方針は理にかなったものだと思います。特に、IPOはゴールと考えられがちですが実はスタートラインなのです。NS社も当社にグループ入りしたことを契機に、何のために上場すべきか、上場後はどうするのか、改めて考えていくことになると思います。

藤山:
当社はIPOについてあまり具体的なイメージを持たずに走り始めていた部分もあります。松沢さんのおっしゃるとおり、これからアジアゲート社とお付き合いしながら改めて方針を立てていきたいと思います。

M&A発表後、株価は約30%上昇。期待に応え、新市場の開拓と深耕進める

――7月の事業譲渡契約締結のリリース後、アジアゲート社の株価は約30%上昇しました。アジアゲート社の新たな取り組みに市場は期待を寄せているものと思います。M&A後の手応えはいかがでしょうか?

松沢:
M&A後、すでにNS社と共同で2,3のアイディアを動かし始めています。現在は市場調査やニーズの確認に入っている状態です。最終的な意思決定には至っていないため皆様に詳細をお伝えできないのは残念ですが、NS社とのシナジーに手応えを感じています。投資家のみなさんの期待に応えるべく、今後も新たなマーケットの開拓と深耕を進めていきます。

藤山:
グループ入り直後から、組織が前に進んでいると実感しています。たとえば内部統制の構築など、アジアゲート社と一緒にならなければ、数年先まで手が回らなかったと思います。スタートアップは数字を作ることを優先しなければならない状況もありますから。適正な組織づくりが前進していることで、本業へ全力投球して事業を大きくできるという安心感がありますね。


――今後M&Aを検討する企業に向けたアドバイスなどがあればお聞かせください。

松沢:
M&Aは、最終的には縁がものをいいます。合うときは合うし、合わないときは合わない。割り切って、多くの企業とどんどん話したほうがいいと思います。売り手も買い手も、怖がらずに、イメージに合うと思ったら前に進むべきですね。もしイメージと違ってもくじける必要はない。そして、「これ」と思った企業に対しては、最後まで諦めないことです。大きなディールには、くじけそうになるタイミングが何度かあります。でも、その諦めない気持ちがあれば必ず良い結果に結びつくと思います。

藤山:
売り手企業としては、自社がどういうかたちでM&Aを成功させたいのかというイメージを、ある程度はっきり持っているほうがいいと思います。僕らは、ふわっとしたイメージで動き出してしまって時間がかかったので。

ただ、一方で矛盾するようでもあるんですが、どうしても将来像が固まりきらないようなら、とりあえずM&Aクラウドに登録して買い手に打診を始めたり、アドバイザーに相談するという手もアリだと思います。買い手企業の側から有益な示唆をいただけることも多くありますから。当社も、買い手企業からいただいた示唆を生かして事業の将来像を見つめ直した結果、アジアゲート社にグループ入りが叶いました。

アジアゲート社とは、目標に向かって気持ちよく働いていけそうな手応えを感じています。せっかくいただいたご縁を生かし、事業展開を加速していきたいと思います。

■本ディールの経緯

・ NS社からアジアゲート社に打診
・打診から1週間後、初回面談で松沢氏・藤山氏のトップ面談が実現
・デューデリジェンス開始
・2020年4月 基本合意をリリース
・2020年5月 新型コロナウィルス感染拡大による緊急事態宣言発令
・2020年7月 事業譲渡契約締結をリリース

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