事業環境の変化が激しく、M&Aニーズが日々変化するブイキューブ社。M&Aクラウドはどのような状況でも買収・提携先の検討に活用できる!

  • 株式会社ブイキューブ

    買い手:株式会社ブイキューブ

  • タメニーアートワークス株式会社(法人向けイベント企画運営事業『イベモン』事業)

    売り手:タメニーアートワークス株式会社(法人向けイベント企画運営事業『イベモン』事業)

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事業環境の変化が激しく、M&Aニーズが日々変化するブイキューブ社。M&Aクラウドはどのような状況でも買収・提携先の検討に活用できる!

2023年2月20日、株式会社ブイキューブが、タメニー株式会社の連結子会社であるタメニーアートワークス株式会社の法人向けイベント企画運営事業『イベモン』事業を取得しました。

本件は、オフラインでのマッチングをサポートするM&Aクラウドのファイナンシャルアドバイザリーチーム、M&A Cloud Advisory Partners(MACAP)が支援した案件です。

事業譲受に至った経緯や今後の展開について、株式会社ブイキューブ 事業企画本部 イベントDX推進グループ グループマネージャーの八幡 和憲氏、営業本部 副本部長の小田 直樹氏にお話を伺いました。

プロフィール

株式会社ブイキューブ 事業企画本部 イベントDX推進グループ グループマネージャー:八幡 和憲

早稲田大学卒業後、2016年株式会社ブイキューブに新卒入社。官公庁や教育業界の法人営業を担当。2019年より企画部門に移り、新規ビジネスの創出や販売企画・運営推進を行う。現在はイベントDX事業の統括として、事業戦略立案/運営・関連プロダクト管理・新規ビジネスの創出・マーケティングまで幅広く担当。

株式会社ブイキューブ 営業本部 副本部長:小田 直樹

2008年ブイキューブ入社。約10年間で500社以上のお客様のイベント支援やオンボーディングに携わる。また、ウェビナー事業のアライアンスや事業提携案件を担当。2020年よりマーケティング部門の副本部長を兼任し、マーケティング〜セールス領域の全般を管掌。現在は、営業本部 副本部長としてイベントDX営業を統括。

イベントDX事業のさらなる拡大を目指し、M&Aで企画力を強化

事業企画本部 イベントDX推進グループ グループマネージャー:八幡氏
事業企画本部 イベントDX推進グループ グループマネージャー:八幡氏

――今回のディールにおける八幡さんと小田さんの役割を教えてください。

八幡 私はイベントDXの事業責任者としてビジネスデューデリジェンス(DD)を担当し、イベモン事業の買収についてお話を進めさせていただきました。

小田 私は事業取得後のPMIを主に担当し、4月からはイベモン事業のグループマネージャーを兼任しています。

――イベモン事業は、ブイキューブ社の「イベントDX事業」に加わることになりました。そもそもイベントDX事業とは?

八幡 イベントDX事業は、さまざまな分野のオンラインイベント、またはハイブリッドイベントの開催を支援しています。イベントDXに限らず当社が提供する共通の価値の一つに「SaaS+Service」があります。つまりSaaSというシステムに加え、プロフェッショナルサービスによって各分野のDXを支援していくということです。

イベントDXにおいてもSaaS+Serviceモデルが強みになっています。具体的には、ウェビナー配信ツール『V-CUBEセミナー』などのSaaSを提供すると同時に、国内最大規模の人的・設備的リソースを生かしてイベントの企画・準備から実配信までを担い、お客様のイベント運営を一貫してサポートしています。

支援するイベントで多いのは、製薬会社のウェブ講演会、株主総会、採用説明会などBtoB分野です。このようなイベントのオンライン化の動きは以前からありましたが、コロナ禍で一気に加速しました。

――どのような理由でM&Aを検討していたのでしょうか?

八幡 当社はSaaSカンパニーなので、SaaSを軸にイベントDX事業を発展させてきました。ところがコロナ禍でWebミーティングツールの利用が一般的になり、小規模なオンラインイベントならば専門会社に依頼しなくても開催できる状況になりました。

今後もイベントDX事業を拡大させるには、サービス面、特に企画力を強化する必要がある、と。そのための手段として、M&Aによって外部のリソースを取り込むことを検討していたというわけです。

小田 オンラインイベントが当たり前の時代になったからこそ、そのうえで“何を行うか”という企画力がより大事になっています。どうしたらイベントが盛り上がるか、もっといいセミナーができるか、といったことに顧客の興味・関心が向けられるようになっているので。今回、タメニーアートワークス社の法人向けイベント事業であるイベモンを譲り受けたのも、その企画・コンテンツ力に期待してのことです。

――今回は弊社アドバイザーが成約までサポートさせていただきましたが、『M&Aクラウド』でも買い手企業としてご掲載いただいています。これまでに利用されてきた印象はいかがですか?

八幡 募集業種にマッチする売却情報をプッシュ型で頂けるので、一定程度、当社の方針や事業領域に関連のある数多くの案件を気軽に見ることができ、興味をもつ案件にはピンポイントで検討・交渉を進められるという利用者にとって効率性の高いプラットフォームだと思います。

また、様々な規模・業種の案件を取り扱っている『M&Aクラウド』は、事業環境の変化が激しくM&Aニーズも日々変化する当社にとって、どのような状況でも買収・提携先の検討のために活用しやすいサービスですね。

本件の交渉時のコミュニケーションは、オンラインを中心に業務を行っている当社でもチャットベースでのやりとり等、柔軟に対応いただき、スピーディーに進められました。

「非常にいいシナジーが生まれる」高い企画力を示す事業内容

営業本部 副本部長:小田氏
営業本部 副本部長:小田氏

――八幡さんはDDから担当されたとのことですが、イベモン事業を最初に知った時の印象は?

八幡 企画・コンテンツの強化という私たちの要望と合致した事業だったとはいえ、イベモンは今まで自分たちが取り組んできた事業とは全く異なる性質のものだったので、自分の経験の範囲では理解が難しい部分もありました。

例えばホームページの内容も当社とは全く違いました。我々が扱っているのは、大規模な講演会や株主総会など、絶対に失敗できないイベントが多いので、ホームページでもシステムの安定性や実績を前面に強調しています。

一方のイベモンは、表彰式や周年イベント、入社式などの「社内イベント」を専門とする事業です。ホームページでは、イベントをいかに盛り上げるかという、企画力や演出力の部分を前面に打ち出しているので。

小田 我々としては、イベモンの展開しているような社内イベントを、サービスの一環として注力したいと考えているところでした。社内イベントを成功させるには企画が重要です。参加者の満足度が高い企画を立てて、しっかりと運営できなければ、企業と従業員のエンゲージメントを高めることにつながりません。そんなことをまさに実践していたのがイベモンだと思いました。

私はイベモンのことをもともと知っていて、興味があったんです。今回の話を聞いた時には、非常にいいシナジーが生まれるのではないかと予感していました。

ブイキューブ社が国内事業を買収するのは8年ぶり

――交渉はどのように進んだのでしょうか?

八幡 初回の面談は当社の副社長とCFOと先方で行われました。その後、2回目の面談を経て、DDを進めることになった頃から私が加わりました。主にイベモン事業の責任者とやり取りをさせていただきました。

――どのようなことをDDでは確認しましたか?

八幡 私はイベントDX事業の事業責任者なので、財務面ではなく、事業内容ですね。例えば、「売上の構造はどうなっているのか」「単価はいくらか」「イベントの種類や回数、主なターゲットはどのような業種・規模の会社か」「イベモンが選ばれる理由、いわゆる『バリュー・プロポジション』は何か」などを中心にお伺いしました。

また、働く人も重要な確認項目です。イベモン事業には正社員15名、アルバイト15名ほどが在籍しています。「誰がどのような業務を担当しているのか」「メンバー構成や各メンバーの持つノウハウは何があるのか」「どう働いているのか」など細かくヒアリングしていきました。

タメニーアートワークス社の担当者には、こちらの質問した意図を的確に理解していただき、スムーズにやり取りが進んだのはとても助かりました。

――最終的な事業の買収を決断された要因は?

八幡 DDが終わりにさしかかるなかで、先方のキーパーソンと我々で面談を行いました。イベント企画や運用を担当している責任者と話した時に、すごく納得感があり、頼もしさを感じたんです。盛り上がる社内イベント企画の作り方にもフォーマットがあり、属人的ではないノウハウに落とし込まれているなど、私たちが求めていたものにフィットする事業だったことがよくわかりました。

そして、彼らのチームと当社のイベントDX事業が協力することで、すごくいいイベント事業をつくれるのではと思いました。そういった私なりの結論を副社長とCFOに伝えたところ、「良かった」とホッとしていました(笑)。

――小田さんはいつごろから参画されたのでしょうか。

小田 成約が決まったタイミングから入りました。タメニーアートワークス社の営業責任者やイベント運営に関する責任者と面談し、成約後のPMIに向けた話し合いを進めました。当社として、国内の事業を買収するのは8年ぶりくらいのことです。ワクワクすると同時に身が引き締まる思いがしました。

あらゆる形態のイベントに対応できる事業への発展を目指す

――2023年2月20日にイベモン事業の取得を発表され、3月31日に吸収分割を実施されました。現在までPMIはどのように進んでいますか?

小田 まずはお互いを知るために3月中旬ごろ、当社のボードメンバーとイベモン事業のメンバーで交流会を行いました。4月からはイベント事業が繁忙期になるので、できるだけ既存顧客の案件に影響を与えないよう慎重にPMIを進めていきました。

具体的には、営業系と映像制作系の2つに分かれていたグループを一つに統合したくらいです。今のところは問題もなく順調に進んでいます。

事業取得の発表以降、当社の営業メンバーからは「イベモンで何ができるの?」「どんな企画ができるの?」とたびたび聞かれています。イベモン事業に対する期待の大きさが伺えます。実際にお客様に社内イベントの提案をするなど、少しずつ営業面での連携も始まっています。

――今後はどのような形でシナジーを創出していこうとお考えでしょうか。

八幡 お互いの強みをお互いが生かした事業を展開していきます。イベモン事業では、これまでイベント配信に『ZOOM』しか利用していなかったのですが、今後は当社の多様なSaaSプロダクトを利用できることになり、より幅広い形でオンラインイベントやハイブリッドイベントを開催できるようになります。

また、当社にとっては、強みである「SaaS+Service」のService部分に社内イベントの企画という新たな強みが加わることになりました。これにより、今まで提案できなかったイベントもお客様に提案できるようになります。

小田 リアルイベントについても期待しています。イベモン事業は、オンラインばかりでなくリアルイベントの開催実績も多数持っています。ブイキューブのイベントDX事業とイベモン事業のメンバーが連携することで、オンラインも、リアルも、ハイブリッドも、あらゆるイベントをワンストップで担える事業として発展していきたいですね。

――ありがとうございました。イベントDX事業、およびイベモン事業のますますの発展を期待しています!



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本ページに掲載している情報には、M&Aが成立するに至る経緯に加え、インタビュー時点での将来展望に関する記述が含まれています。こうした記述は、リスクや不確実性を内包するものであり、環境の変化などにより実際の結果と異なる可能性があることにご留意ください。

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