「初めてのM&Aでも“安心感”があった」。出会いから約2ヶ月で事業譲渡を実現した2社が語る、成約までの道のりと決め手

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「初めてのM&Aでも“安心感”があった」。出会いから約2ヶ月で事業譲渡を実現した2社が語る、成約までの道のりと決め手

ITサービスを中核としたグループを形成する株式会社アイティエルホールディングス傘下のグロースアンドコミュニケーションズ株式会社は2022年10月13日、株式会社ダイヤモンドファンタジーから、フリーランスITエンジニアの活動を支えるサービス『HORNO(オルノ)』(https://horno.jp)を譲受しました。

M&Aクラウドで事業譲受に至った経緯や今後の展開について、株式会社アイティエルホールディングス 代表取締役社長兼グロースアンドコミュニケーションズ株式会社 代表取締役社長の佐々井 文吉氏、グロースアンドコミュニケーションズ株式会社 取締役執行役員 営業部ゼネラルマネージャー兼SES事業部ゼネラルマネージャーの野村 幸一郎氏、株式会社ダイヤモンドファンタジー 社長室 春木 ほの氏にお話を伺いました。

プロフィール

株式会社アイティエルホールディングス 代表取締役社長 グロースアンドコミュニケーションズ株式会社 代表取締役社長:佐々井 文吉(ささい・ぶんきち)

企業信用調査会社、経営コンサルティング会社を経て、上場IT企業にて経営企画室に所属し、主にM&Aと新規事業開発、子会社マネジメントに携わる。2018年12月に(株)アイティエルホールディングスに転職し、2019年12月に同社代表取締役社長に就任、2020年7月にグロースアンドコミュニケーションズ(株)代表取締役社長に就任し、現在に至る。

グロースアンドコミュニケーションズ株式会社 取締役執行役員 営業部ゼネラルマネージャー SES事業部ゼネラルマネージャー:野村 幸一郎(のむら・こういちろう)

1982年愛知県生まれ。舞台の裏方として国内外での活動ののち、2015年9月に株式会社グロージェント(現グロースアンドコミュニケーションズ株式会社)へ入社。エンジニアとしてECサイト開発などに従事し、その後営業部へと異動。各拠点での営業活動や採用活動、組織編成などにも取り組み、部門の責任者を経て2021年7月に取締役執行役員に就任。

株式会社ダイヤモンドファンタジー 社長室 マネージャー:春木 ほの(はるき・ほの)

IT企業にてシステムエンジニアリングサービスの営業を経て、2015年11月に株式会社ダイヤモンドファンタジーへ入社。ITソリューション事業部営業部に所属し、マネージャーとして営業部のマネジメントに携わる。その後2022年10月に社長室へ異動。現在は事業部を越えて社内の業務改善、生産性向上に取り組んでいる。

M&Aクラウドはサポートが充実。初めてのM&Aでも“安心感”があった

春木 ほの氏
春木 ほの氏

――今回、事業売却を検討された経緯についてお伺いできますか?

春木 当社はデジタルマーケティング事業、ITソリューション事業のほか、自社サービスを展開しています。自社サービスの一環として、フリーランスITエンジニアのキャリアを支援するサービスを提供していました。

ビジネスモデルには大きな可能性を感じていましたが、別の新規事業を立ち上げるためにリソース配分の優先度を考慮し、売却を検討していました。

――ありがとうございます。M&Aクラウドに登録された経緯を教えてください。

春木 当社の代表が知り合いから紹介されたことがきっかけでした。サイトを拝見すると、UIもしっかりしていてわかりやすく、とても良いサービスだと思ったのが第一印象です。2022年7月に登録したのですが、他社のサービスは使わず、M&Aクラウド一本で売却活動を始めました。

――M&Aクラウドを利用してみていかがでしたか?

春木 初めてのM&Aで不安もあったのですが、担当者の方に細かくサポートしていただけたので、とても安心感がありましたね。サービスやシステムについて丁寧にご説明いただいたり、打ち合わせにも同席していただいたりして本当に助けていただきました。

M&Aクラウドは使い勝手が良く、交渉のやり取りもスムーズにできる

佐々井 文吉氏
佐々井 文吉氏

――アイティエルホールディングスさんが買収を検討した理由を教えてください。

佐々井 アイティエルホールディングスには子会社が11社あり、IT企業に特化した企業グループを形成しています。これらの子会社は基本的にM&Aを通じて取得してきました。M&Aに取り組む理由は明快で、新しく会社を興すよりも時間的なロスが少ないこと、その後のグロースもスムーズだからです。

『世界に未だないITプラットフォームを構築し、日本から世界に向けて新たなマーケットを開拓する』というビジョンにて事業を展開しており、グループの拡大を図るために、買収先は常に探しています。

――M&Aクラウドに登録していただいた理由を教えてください。

佐々井 一つは情報収集のためです。当社は日々情報収集をして、光る原石を見つけたら買収する方針で事業を進めており、M&Aに関するさまざまなサービスに登録しています。なかでもM&Aクラウドは、UIがしっかりしていてとても見やすい。交渉相手とのやり取りもスムーズにできるので、結果的にM&Aクラウドを一番見ています。

M&Aでは、買い手にとっても売り手にとってもスピード感が大事です。スピーディに対応するために、部下に任せず私が常に新着情報をチェックしています。M&Aクラウドは、必要十分な情報が1ページに漏れなく記載されていて、慣れると素早く閲覧できるのでとても使い勝手が良いです。

――今回のディールが始まったきっかけは?

佐々井 今回の案件はプラットフォームアドバイザーの方からお声をかけていただきました。バラエティに富んだ多くの案件から、当社の嗜好に合った案件を紹介していただくことができました。

成約の決め手はサービスに対する思い入れと、コンセプトへの共感

野村 幸一郎氏
野村 幸一郎氏

――初回面談の印象はいかがでしたか?

佐々井 春木さんはとてもしっかりした方で、説明もわかりやすく、話しやすい印象でした。会社の方針をしっかり理解されていて、M&Aに関してすべて任されているということで、安心して話を進めることができました。

春木 代表の佐々井さんと面談するということで、初めは緊張しました。ただ、高い温度感で興味を持っていただいていることを感じました。大事に育てたサービスをしっかり受け継いでいただけそうという印象でした。

佐々井 一通りお話を聞いて、私からは買収の意向をお伝えして、条件面も提示しました。私はM&Aで面談する際は、基本的に買収するつもりで臨んでいます。条件面も初めにお伝えするようにしています。その方がお互いに時間も気も使わずスムーズに進められますからね。

――その後はどのように交渉を進めたのでしょうか。

佐々井 株式譲渡の場合はアイティエルホールディングスの傘下に入ってもらいますが、今回は事業譲渡だったので、子会社のどこかの事業に組み込む必要があります。最も適していたのがグロースアンドコミュニケーションズだったので、野村にバトンタッチしました。

基本的にお譲りいただく前提で、野村と春木さんで詳細を詰めてもらいました。両社は同じ業界で共通する課題感もあることから、スピード感をもって対応できたと思います。

野村 譲受の話を聞いて事前にサービス内容を見たところ、しっかりとしたコンセプトを持って展開しているなと思いました。情報配信力も量・質ともに充実していて、サービスに対する強い思い入れを感じましたね。

春木 本サービスはフリーランスのITエンジニアとの関係値を大切にしてきました。ですからデザインからコピーの文面まで温かさを感じられるものにしています。

サイト上のコンテンツも、エンジニアの方に生涯現役で長く活躍していただくため、正しい情報を伝えていきたいという思いを持って制作しました。そのようなコンセプトを野村さんに説明し、ご理解いただいてうれしく思いました。

野村 当社はSES事業を主体として、正社員のエンジニアを中心に「成長」というキーワードを重要視して活動しています。春木さんからフリーランスのITエンジニア支援に対する事業の思いを聞いて、当社が大切にしている考え方と融合すればよりグロースさせられると思いました。

8月1日の条件提示からサービスを譲受した10月13日まで、2週間に一度くらいのペースで打ち合わせを行いました。そこで頂いた情報を社内で精査し、質問を投げて、それに対してまた回答をいただくという流れで進みました。

――最終的に成約の決め手となった要因は?

佐々井 最初の打ち合わせから交渉過程も含め情報伝達もスムーズで、極めて真摯にご対応していただけたことが一つの成功要因だと思います。また、当社が大切にしているビジョンと合致するイメージを持てたことも決め手となりました。

春木 今回の売却では10社弱との接点がありましたが、アイティエルホールディングスさん、グロースアンドコミュニケーションズさんの対応は最も早かったです。スピード感を持って判断していただいたことも、お譲りしたいと決断した決め手です。

「ますます発展を」。出会いから半年で譲渡後のサービスをリスタート

――契約締結後、どのような動きがありましたか?

野村 サービスについては一部文面の変更や、付帯サービスの変更、サーバー側の設定変更などを行いました。システム面での引き継ぎ、改修にあたってはダイヤモンドファンタジーの技術者2名にサポートいただきました。それらを終えて2023年1月16日にリニューアルオープンしました。

――今後どのようなビジョンを描いていますか?

野村 今後はサービスコンセプトを引き継いで、フリーランスのITエンジニアがキャリアを形成できるように、付帯サービスやコンテンツの充実を図り、グロースさせていきたいと思っています。

春木 私たちが実現できなかったこともいろいろあります。今回の改修で新しく作っていただいた部分を含めて、この先かたちが変わってもサービスが継続し、ますます発展していくことを心から願っています。

当社としては今後リソースを再配分して、既存事業および新規事業に注力していきます。

――これからM&Aを検討している方へアドバイスをお願いします。

春木 M&Aクラウドはサポートが充実しています。わからないことはとにかく聞いてみる。そこがポイントだと思います。親切に教えていただけますよ。また、譲渡にあたって確認すべき点を整理して、資料としてお渡しできる状態で準備しておくといいかと思います。

佐々井 M&Aに慣れていない会社は不安に感じるかもしれません。でも、M&Aクラウドのように、売り手企業の立場でしっかりフォローしていただけるサービスを利用すれば不安はありません。

あとダイヤモンドファンタジーさんとも、今回をきっかけに取引が始まりそうです。両社にとって、ビジネスチャンスが広がるようなM&Aができることが理想的ですね。

――本日はどうもありがとうございました!



■本ディールの経緯
2019/04/11 アイティエルホールディングスが『M&Aクラウド』に登録
2022/06/30 ダイヤモンドファンタジーが『M&Aクラウド』に登録
2022/07/13 ダイヤモンドファンタジーがアイティエルホールディングスに打診
2022/07/22 初回面談(WEB)
2022/08/26 2回目面談(WEB)
2022/08/30 3回目面談(WEB)
2022/09/07 4回目面談(WEB)
2022/10/13 事業譲渡契約締結



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本ページに掲載している情報には、M&Aが成立するに至る経緯に加え、インタビュー時点での将来展望に関する記述が含まれています。こうした記述は、リスクや不確実性を内包するものであり、環境の変化などにより実際の結果と異なる可能性があることにご留意ください。

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