【ログリー×moto】ネイティブ広告のパイオニアと人気転職メディア。話題性抜群のタッグで、HR領域にイノベーションを起こしていく

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【ログリー×moto】ネイティブ広告のパイオニアと人気転職メディア。話題性抜群のタッグで、HR領域にイノベーションを起こしていく

ネイティブ広告プラットフォーム「LOGLY lift」の運営などを行うログリー株式会社は2021年4月、転職メディア「転職アンテナ」(https://tenshoku-antenna.com/)を運営するmoto株式会社の全株式を取得し、子会社化しました。発表直後、ログリー社の株価が大幅に上がるなど、話題性も大きい本件において、ログリー社を支援したのは、M&Aクラウドのプロフェッショナル部隊、M&A Cloud Advisory Partners(MACAP)。moto社をサポートした「サイト売買Z」(https://www.site-z.com/)との連携のもと、成約までの道のりを伴走しました。その経緯と今後の事業展開について、ログリー 代表取締役社長の吉永 浩和氏(写真左)、moto 代表取締役の戸塚 俊介氏(写真右)に語っていただきました。

プロフィール

吉永 浩和(よしなが・ひろかず)

1977年生まれ。早稲田大学大学院情報生産システム研究科博士後期課程修了。博士(工学)。大学院在籍中の2006年にログリー株式会社を創業、代表取締役社長に就任。2018年6月、東証マザーズ上場。

戸塚 俊介(とつか・しゅんすけ)/ moto

1987年長野県生まれ。地方ホームセンターやリクルート、SMSなど複数社へ転職してきた自身の経験をもとに、転職情報サイト「転職アンテナ」を立ち上げ。現在は転職に特化した広告配信サービス「AdAntenna」も運営している。著書に『転職と副業のかけ算』(扶桑社)。

初手から買い手が熱烈アピール! 「SNSも著書も、全部見てます」

――「転職アンテナ」の概要紹介からお願いいたします。

戸塚:私自身の転職経験をもとに、転職サイトや転職エージェントの選び方、使い方など、転職ノウハウを紹介している転職メディアです。直近2020年9月期で、約3億円の売上を上げています。

――人気メディアに成長した秘訣を教えてください。

戸塚:いち転職者として、当事者目線で情報を発信していたことが大きな要因だと思います。就職や転職、結婚、家や車の購入といったタイミングで参考になる情報は、自分に近い人の具体的な体験談です。「自分と似た境遇の人が、こういう選択をした場合、どうなったのか。失敗しないためにはどうしたらいいのか?」というリアルな情報を求めている人が多いので、ここにフォーカスしてきました。私の場合、地元のホームセンターからキャリアをスタートして、リクルートやSMSなど複数社に転職してキャリアップをしてきたので、その経験を通じて得た転職活動の知見を自分なりに発信してきました。それが読者に支持される要因になったのではないかと思います。

――今回、運営会社の売却をお考えになった背景をお話しいただけますか?

戸塚:2018年に法人化して以来、私個人の資本だけで可能な限りの成長施策を打ってきました。まだまだやれることはあるものの、2019年に新たに別法人を立ち上げていたこともあって、そちらにも自分のリソースを割かなければならない状況でした。そうした中で、今後「転職アンテナ」の成長スピードをさらに上げていくためには、他社の資本を入れた方がよいのではないかと考えるようになり、2020年9月ごろから売却に向けて動き始めました。いくつかのエージェントと話をする中でサイト売買Zさんにお任せしました。

――当社には11月半ば、サイト売買Zの銭谷さんからご連絡いただきました。

サイト売買Z 銭谷:案件規模の大きい本件でフェアな交渉を進めるためには、売り手と買い手のエージェントを別にすべきだと思ったんです。私はM&Aクラウド CEOの及川さんとは以前、別のサイト売却案件に関して連携させていただいたことがありました。また、及川さんがSNSなどで発信されているM&A業界のあり方に対する思い、本来サポート役であるはずの仲介会社が主導権を持っている現状への課題感に、私が深く共感していたこともあります。思いを同じくするM&Aクラウドさんと共に、motoさんにとってベストな解を追求できればと考えました。

――買い手候補に関して、戸塚さんはどんな希望をお持ちでしたか?

戸塚:「転職アンテナ」を今後大きく成長させていくためには、人材か、あるいはインターネット広告といった「転職アンテナ」と近しい領域において、何らかの仕組みやシステム、ソリューションをお持ちの上場企業がよいと考えていました。

――当社からサイト売買Zさんを通じて、買い手候補のリストアップと絞り込みを進め、12月初旬にログリーさんとの初面談をセッティングさせていただきました。Web面談ながら、大変な盛り上がりだったそうですね。

M&Aクラウド 岸:ログリー COO 池永さんの第一声が、「motoさんのご著書もTwitterも、全部見てます!」でしたね。

戸塚:初対面でしたが、あまりにも私のことをよくご存じなので、とても不思議な感じでした(笑)。2回目はリアルでお会いしましたが、変わらず熱い思いを持ってくださっていて、私も「ログリーさんと組む形が、自分にとってベストなのでは」と思うようになっていきました。

吉永:当社で今までさまざまな案件を検討してきた中で、“人”はとても大きな要素です。実際、事業自体は魅力的な案件でも、推進する人との相性に疑問を感じ、見送ったケースもありました。SNSでの書きぶりなどを見ると、その人の人となりは、伝わってきますよね。だから私も、今回の面談を担当した池永も、事前のリサーチは入念に行います。それが恐らく、ファーストコンタクトの際の盛り上がりにつながったのでしょうね。

最終判断の決め手は“人”の有無。「M&A後」のキャリアを高める選択とは

――面談にはCOO 池永さんとCFO 岸本さんのお二人で臨まれたのですね。吉永さんは随時報告を受けられていた形でしょうか。

吉永:初回面談の前、M&Aクラウドさんから案件紹介があった時点から、相談は受けていました。その際、PV数や売上の大きさにインパクトを受けたことに加え、事業領域そのものにも可能性を感じました。

当社は2018年に上場して以来、M&Aを成長戦略の1つに掲げてきました。戦略推進にあたり、特に重視している点が3つあります。1つ目は、その会社のアセットが、当社にとってどんな意味を持つのか。ここでいう「アセット」には、BSに載っている資産だけでなく、ノウハウなど無形のものも含まれます。当社にそれと近しいものがあるか、ある場合は、両者を掛け合わせることでどのようなシナジーが期待できるのか。また、当社内に近しいアセットが存在しない場合も、それはそれで、新たなアセットの取り込みという評価になり得ます。

次に、先ほども触れた“人”も重要なポイントです。人が付いてこない案件の場合、M&A推進の難易度は比較的低い一方、M&A後に事業を安定させるまでに、どうしても時間がかかります。これまで事業を率いてきた人と当社メンバーがタッグを組み、新たな推進体制を構築することができれば、一番望ましいですね。

もう1つ、将来の事業展開のオプションも考えておく必要があります。特にメディア事業に関しては、どんな人気メディアであっても、3年後、5年後にどうなっているかは誰にも予測できない部分があります。「転職アンテナ」も、現状大きな集客力を持っており、当社の広告事業とのシナジーが見込めることは間違いない。とはいえ、この事業を土台とした次の打ち手に関しても、見通しは付けておきたい。そう考えたときに、HRという領域は、市場規模の大きさからいってもとても魅力的だと感じました。

――戸塚さんはログリーさんに対して、どんな印象を持たれましたか?

戸塚:池永さんからネイティブ広告事業について説明を受けた際、「とても親和性がありそうな事業だな」と感じました。これまでのメディア運営経験を通じて培った肌感覚ではありますが、一緒に事業を伸ばしていける気がしましたね。

――お互いに相手の事業領域に可能性を見出していかれたのですね。

戸塚:池永さんとの面談時には、教育領域で何か事業をできないかという話もいただきました。転職を通じて自身のバリューアップを実現してきた私の経験を生かし、「個人の価値の最大化」という観点で、事業化できたら面白そうだと。

吉永:motoさん自身のバリューアップの考え方には、池永だけでなく、私もご著書を読んで共感していました。私自身は1回就職した後、すぐ起業したので、転職経験はありません。ただ、人が成長していくうえで、会社に対する帰属意識よりも、「自分がどうなりたいか」という意識が大切だという点では、全く同じ考えを持っているんです。

社員にもよく「ゴールを描いてほしい」と言っているのですが、3年後、5年後に目指す姿が描ければ、自ずとそこに向かうための設計図ができる。自分本位の目的意識を持っている人ほど、高いパフォーマンスを出すことができ、結果的には会社に対する貢献度も大きくなるはずです。

今回、motoさんをグループに迎えられたら、私が今まで言ってきたことを、実体験を通じて伝えてくれる人ができます。だから、先ほどお話しした「アセット」という観点では、「転職アンテナ」もさることながら、motoさん本人のウェイトも大きかったんです。motoさんが来てくれるかどうかで、判断はかなり変わっていたでしょうね。

――戸塚さん自身はその点、どのように考えていたのですか?

戸塚:正直、「転職アンテナ」のみでの売却という選択肢も考えてはいました。ただ、「転職アンテナ」は、私の個人的な経験なしには成り立たないサイトであることと、私自身のキャリアという観点で見た時にも、上場会社の子会社における代表という立場で、事業の成長を加速させる経験をできるのは面白いのではないかと考えました。

私はサラリーマンとしていろいろな企業を経験してきましたが、代表という立場で仕事をしたことはありません。個人の力で伸ばしてきた「転職アンテナ」を、次は組織の力でどう伸ばしていくかという点を今後はしっかりと考えていこうと思っています。

そういう意味でも、今のログリーをつくってきた吉永さんはじめ経営陣に直接指導いただきながら、組織の経営陣としてのスキルを身につけられる環境というのは、願ってもないチャンスです。これを逃す手はないと思い、私の方から「一緒にやらせてください」とお伝えしました。

吉永:それを聞いた時点で、私もゴーサインを出しました。「転職アンテナ」そのもののポテンシャルについては、池永が前職でメディア事業に関わっていたこともあり、早い段階で検証できていたんです。本件の最大かつ唯一の懸念点が“人”の有無だったので、motoさんが決断してくれてよかったです。

HR領域にイノベーションをもたらす、新事業をつくっていく

――グループ入りから約1カ月が経ちました。今は主にどんな取り組みをされていますか?

戸塚:まずは「転職アンテナ」をテクニカルな側面から強化していくために、制作実務の仕組み化やSEOのブラッシュアップを進めています。池永さんの人脈を頼りにWebライティングの第一人者のアドバイスをいただけることが大きいですね。

吉永:moto社とは、「転職アンテナ」以外の事業も立ち上げていきたいので、今後は戸塚さん自身が実務をこなしているわけにはいかなくなります。人を採用し、組織として回していく体制を整えるため、基盤づくりに注力しているところです。

――新事業としては、どんなことをお考えなのでしょうか。

戸塚:まだ話し合っている最中ですが、HR領域に参入するとっかかりとしては、HRテック事業がよいのではと考えています。

――ログリーさんがHRテック事業とは、少し意外な感じを持たれる方もいそうですね。

吉永:私はそもそもログリーを立ち上げたときから、「広告事業の会社をつくりたい」と考えていたわけではないんです。「テクノロジーを活用して、さまざまな産業界にイノベーションを起こしていきたい」というのが根底にある思いで、初めから多角化を想定していました。ネイティブ広告事業からスタートし、当初はそこに注力していましたが、最近はFinTech事業やeスポーツ事業の領域でも、取り組みを始めています。

同じように、HRテック事業でも、ログリーの持つテクノロジーを活用して、イノベーションを起こしていきたい。HR領域でどんな価値を出せるか、具体的な検討はこれからですが、他社がやっていないことを実現することにはこだわりたいですね。

サービスのコンセプトをつくっていくうえでは、これまでも話題に上がってきた「個人の価値の最大化」という軸を大切にしたいと考えています。世の中の流れを見ても、最近は副業を許容する動きなどが出てきて、コロナ禍で一層加速していますよね。会社至上主義ではなく、自分本位主義の時代が来ていると思います。

戸塚:「転職アンテナ」が多くのユーザーに支持されてきたのは、求職者目線を大切にしてきたからだと思うんですよね。HR領域で完全に求職者に寄ったサービスはまだ多くないと思うので、このあたりを攻めていきたいなと思っています。

今後のmoto株式会社のミッションは、とにかく結果を出して利益を伸ばしていくことに尽きます。それがひいては、私自身の次の市場価値に繋がっていくことになると思うので「ゼロからサービスを作って上場会社に売却した人」で終わるのではなく、「M&Aしたことで売却先に大きく貢献した人」を目指すべく、事業に取り組んでいきたいと思っています。

吉永:うまくいったらもう一度、今度は3年後あたりに取材に来ていただきたいですね(笑)。

今回の案件はオフラインでサポートいただきましたが、当社はM&Aクラウドさんのオンラインプラットフォームも活用しています。この属人的なM&A業界において、プロセスの仕組み化、透明化にチャレンジし、すでに成果も上げているM&Aクラウドさんには、大いに期待しているところです。

ただ、M&Aは成約した時点で終わるわけではなく、大事なのは、その後本当に成果につながるかどうかですよね。その点でも、本件が好事例になるようにしていきたいと思っています。

M&Aクラウド 岸:当社としても、ご成約の先にある真の成功を見据えながら、サービスを進化させていきます。

――吉永さん、戸塚さん、本日はありがとうございました。


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本ページに掲載している情報には、M&Aが成立するに至る経緯に加え、インタビュー時点での将来展望に関する記述が含まれています。こうした記述は、リスクや不確実性を内包するものであり、環境の変化などにより実際の結果と異なる可能性があることにご留意ください。

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