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株式会社virtual spaces

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【サイバーステップ×virtual spaces】スカウトからわずか2週間で株式譲受。オンラインゲーム開発の上場会社が気鋭のVTuber事務所を迎えた理由

世界60カ国にユーザーを持つオンラインクレーンゲーム「トレバ」を中心に、多数のオンラインゲームを開発・提供するサイバーステップ株式会社は、2020年7月、VTuber事務所を運営する株式会社virtual spacesの全株式を取得し、子会社化しました。7月中旬に「M&Aクラウド」上でつながった両社は、面談後、デューデリジェンスや取締役会の承認、株式譲渡まで、すべて7月中に終えるというスピードM&Aを実現。さらに、M&Aから約40日後には、2社の協力体制の下で新しいVTuberのデビューにこぎ着けています。上場会社としては異例の速さでの株式譲受、そして新キャラクターの立ち上げに至った経緯について、サイバーステップ 代表取締役社長の佐藤 類氏(写真左)、virtual spaces 代表取締役の野澤 宏哉氏(写真右)に語っていただきました。

プロフィール

佐藤 類(さとう・るい)
1977年生まれ。98年国立東京工業高等専門学校卒。2000年にサイバーステップを設立。創業以来、「世界中を楽しくするエンターテイメントを世に送り出す」という信念のもと、事業を展開し、代表作であるオンライン対戦ゲーム「GetAmped」のグローバルな大ヒットをきっかけに、2006年に東証マザーズに上場。
野澤 宏哉(のざわ・ひろや)
1995年生まれ。2020年1月、前職の経験を活かし、VTuber事業を主軸とした株式会社virtual spacesを設立。「VTuberの新しいコミュニティ」を目指し、事業を推進。

歴史の浅い業界だからこそ、自由な挑戦ができる。新時代を切り拓くVTuber事務所を目指して

――virtual spacesさんは今年(2020年)1月の設立ですね。事業内容のご紹介と会社設立の経緯からお話しください。

野澤:VTuberのマネジメント事務所を運営しています。大手のVTuber事務所で経験を積んだ後、仲間を募って独立しました。
私は学生時代からエンターテイメント業界に興味があり、VTuber事務所の前は、TV番組の制作スタッフも経験しています。VTuber業界は、まだ市場が誕生してから4年ほどの歴史の浅い業界ですが、それだけに既成の慣習などにとらわれず、自由な挑戦がしやすい環境です。市場規模も今後大きく拡大していくことが見込まれる中、自分の力を思う存分試せるフィールドだと考えました。3月にはvirtual spaces所属のキャラクターをデビューさせ、YouTubeのチャンネル登録数は、開始2カ月で10万人を突破しています。

――どんなVTuber事務所を目指していらっしゃるのでしょうか?

野澤:VTuber業界では近年、作り込まれたキャラクターを演じるよりも、声優自身の個性をそのまま活かす形でのライブ配信などが人気を集めるようになっています。アニメの世界ではかなり前から、キャラクターだけでなく、その背後にいる声優にファンが付く現象がありますが、それに似た流れですね。
私はTVスタッフ時代にはドキュメンタリーの担当をしていたこともあり、リアリティのあるコンテンツ作りに関しては、VTuber業界とは一味違う経験を積んでいます。また、作品1本1本のクオリティを追求するという点でも、TV業界で学んだものを活かしていきたいと思っています。
リアルのアイドルの世界では、1980年代のおニャン子クラブや2000年代のモーニング娘。のように、それまでのアイドルのコンセプトを変えたグループがいますよね。同じように、私たちもかつて存在しなかった、新機軸のVTuberを生み出せる事務所になっていくことを目指しています。

――当初は野澤さんの自己資本100%で会社設立され、成長に向けたパートナーを探してこられたようですね。「M&Aクラウド」を知ったきっかけは何でしたか?

野澤:ネット検索です。「資金調達」「M&A」といったワードでヒットしたと思います。
売り手登録した後、すぐに事務局からフォローアップの電話があり、当社のニーズについてヒアリングを受けました。追って打診先の候補もお勧めいただき、レスポンスがすごく早いなという印象でしたね。サービス画面が見やすく、使いやすいのもよかったです。

――ありがとうございます。virtual spacesさんが6月に売り手登録された後、サイバーステップさんは7月に佐藤社長自ら、買い手として登録いただきました。佐藤社長が「M&Aクラウド」を知ったきっかけは何でしたか?

佐藤:M&Aクラウドさんは7月に資金調達の発表をされましたね。その記事を新聞で見たことがきっかけです。僕はオンラインのM&Aプラットフォーム自体は昨年から使っていて慣れていましたし、「M&Aクラウド」は中でも手数料率が安いので、ぜひ試してみたいと思いました。

――実際に使ってみた感触も教えてください。

佐藤:ITビジネスの売り手が多いので、当社にとってはすごく相性がいいです。

――スカウトも積極的にしてくださっていますね。virtual spacesさんにも、ご登録直後にスカウトされています。どんな点に注目されたのですか?

佐藤:VTuberビジネスは、オンラインゲームを開発・運営する当社にとって、非常に親和性の高い領域です。実際、社内で立ち上げにチャレンジしたこともありますが、業界知識を持つ人材がいなかったこともあり、そのときはうまくいきませんでした。M&Aは「オンライン」「エンターテイメント」などをキーワードに、昨年から検討していますが、中でもVTuberビジネスには特に関心を持っていました。
ちなみに、新卒採用をしていると、エンタメ業界のトレンドが毎年の応募者の志向によく表れるのですが、一過性の流行りで終わるものも多い中、VTuberやeスポーツなどは、すでにカルチャーとして根付きつつある印象があります。
そんな背景があったので、VTuber業界の経験豊富で、すでに独自キャラクターのデビューまで果たしているvirtual spacesさんを見つけたときは、できるだけ早くコンタクトしたいと思いました。

「互いを補い合う関係を作りたい」。フラットな視点で実現したスピードM&A

――面談時のお互いの印象をお聞かせください。

野澤:佐藤社長からは、特に独立の経緯やメンバーのやりたいことについて詳しく聞かれ、数字よりも思いの部分を大切にされる方なのだなと感じました。それまで1月に会社設立、3月にキャラクターのデビューと、慌ただしい日々が続いていましたが、佐藤社長からの質問にお答えしていくうちに初心に帰り、会社と事業のあり方を見つめ直す、貴重な機会になりました。

佐藤:今、野澤さんも話したように、経営陣がどれだけの情熱を持って事業に取り組んでいるかという点は、僕にとって重要なポイントです。当社がM&Aを検討しているのは、社内と同様に、社外からも有望な人材を発掘したい意図も大きいんです。
エンターテイメント業界では、一時大ヒットしたコンテンツでも、いずれはブームが落ち着くときが来るため、常に次の時代を見据えた新規事業開発が必要です。ただ、会社の規模が大きくなれば、同じ「総売上の1割程度の新規事業」を生み出すにも、当然ながらハードルは上がっていきます。当社では一時期、トップダウンで新規事業開発を強化しようとしたこともありますが、やはりリーダーの自発性と情熱がないと、なかなかヒットにまでは至らないことを痛感しました。
今では、リーダー自ら発案したプロジェクトが社内にいくつも走っていますが、当社の将来を思えば、もっともっとアグレッシブに、提案をぶつけてきてくれる人がたくさん出てきてほしい。今回野澤さんとお会いし、彼のエネルギーに触れて、自分たちの創業当時の熱い思いがよみがえってきたんです。ぜひ応援したいし、そのエネルギーとノウハウをサイバーステップに注入してほしいと感じました。資金繰りの関係で、「7月末までにまとめたい」という希望を聞いたときも、僕たちも資金面で困ったことは何度もありましたから、驚きはなかったですね。できる限りの協力をしたいと思いました。

――そこから驚異的なスピードでデューデリジェンス、契約書のすり合わせ、取締役会での承認を進められたのですね。すべてをスムーズに遂行できた秘訣は何ですか?

佐藤:virtual spacesは設立から日が浅かった分、精査すべき書類の量は少なくて済みました。当社は上場企業ではありますが、独立系で、無借金経営でもあり、比較的身軽に動けるということもありますね。
もちろん株式譲渡ですから、財務面、法務面で多数のチェックポイントがあり、担当者は大変だったと思います。ただ、重要なのは粗探しをすることではなく、お互いに足りない部分を補い合う関係を築くための基盤を確認すること。サイバーステップ自身も別に完璧な企業ではなく、アントレプレナーシップを持った人材育成という課題を抱えているからこそ、パートナーを求めているわけです。財務や法務の専門家と連携してデューデリジェンスを進めるにあたり、会社としてM&Aに臨む軸を明確にし、貫いたことがよかったのかなと思います。

――野澤社長は、クロージングに至る1カ月を振り返っていかがですか?

野澤:書類の準備など初めてのことも多く、大変ではありましたが、僕にとってはそもそも1月の起業自体が初めての経験で、その後も初めて尽くしの日々が続いていましたから。「また一つ、新たな経験ができた」というポジティブな気持ちの方が強かったです。
「M&Aクラウド」に登録した時点では、どちらかというと第三者割当増資を想定していたのですが、今回、結果的に持株全てを譲渡する形になり、今後は事業運営に専念できる環境が整いました。これからはサイバーステップさんの力も借りながら、よりダイナミックなチャレンジができるようになり、想定以上のラッキーな展開だったと思っています。

VTuber業界の知見+ゲームで培ったデザイン力。M&Aから40日で新キャラデビュー!

――グループイン後、9月には早くも新体制の下で、新キャラクターのデビューを実現されました。両社のコラボレーションによるプロジェクトをどのように進めたのでしょうか?

佐藤:当社にはもともとゲームキャラクターのデザイナーがおり、中にはVTuberを手掛けたいメンバーもたくさんいます。こうした社内リソースを活用するとともに、野澤さん主導で新しい人材の採用も行い、virtual spacesのメンバーはM&A前の4名から8名へと倍増させました。さらに、当社メンバーとのコラボレーションをスムーズにし、かつ家賃も抑える施策として、日野市にあったvirtual spacesのオフィスを杉並区の当社内に移転。virtual spacesのメンバーの持つVTuber業界の豊富な知識と、当社のクリエイティブ力を掛け合わせたプロジェクト体制を、早期に始動させることができました。

野澤:キャラクターのデザインは、グループ入り前は外注していましたから、同じフロアのデザイナーと協働できるようになり、企画の面でも実務の面でも格段にパワーアップしました。スピード感が全然違いますし、実力のあるデザイナーたちと密に意見交換しながらキャラクターづくりを進めていく中で、virtual spacesのメンバーも大いに刺激を受けました。発想が広がったおかげで、3月にデビューしたキャラクターとはまた違った、ユニークなキャラクターを生み出すことができたと思っています。

佐藤:スピード感に関しては、当社内で新規事業を立ち上げる場合には、企画から2、3年かかるのが普通です。それが今回、すでに自力で第一歩を踏み出していたvirtual spacesの皆さんを外から迎えたことで、M&Aから約40日間で、当社にとっての新領域であるVTuberビジネスにおいて、新キャラクターのデビューまでこぎ着けることができました。当社は今後も積極的にM&Aに取り組んでいくつもりですが、今回このような成功例を作れたことは、大きな自信になります。

――最後に、野澤社長の今後のビジョンをお聞かせください。

野澤:冒頭お話しした、VTuberの新時代を切り拓くキャラクター作りを目指して、既成概念にとらわれないチャレンジを続けていきます。現状、VTuberといえばバーチャルなアイドルのイメージが浸透していますが、アニメやゲームにさまざまなキャラクターがいるように、VTuberにもアイドル以外のいろいろな路線があり得ると思うんです。どんな層にどんなキャラクターがフィットするのか、市場の声を吸い上げつつ、私たちにしか作れない魅力あるキャラクターを、サイバーステップのメンバーと共に生み出していきたいです。

――今後の展開を楽しみにしています。お二人とも、本日はありがとうございました。


■本ディールの経緯
2020年6月10日 virtual spacesが「M&Aクラウド」に登録
2020年7月13日 サイバーステップがvirtual spacesをスカウト
2020年7月15日 両代表が面談
2020年7月16日 基本合意
2020年7月30日 サイバーステップの取締役会にて株式取得決定 
2020年7月31日 契約締結

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M&A企業情報

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サイバーステップ株式会社

事業概要
世界60カ国にユーザーを持つオンラインクレーンゲーム「トレバ」を中心に、オンラインゲームの開発、提供を行っています。オンラインパチンコ、ブラウザで遊べるノベルゲームなど、新サービスも続々開発中です。
アピールポイント
上場企業としての信用力や資金調達力、金融機関とのパイプなどを活用し、ベンチャー企業の成長を支えます。特に、グローバルな事業展開に関しては、当社の経験とネットワークを生かしたサポートが可能です。
更新日: 2020/09/01 公開日: 2020/09/01
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