――emy productsさんは7月上旬に「M&Aクラウド」に登録され、33社に打診、7社と面談後、9月頭までに3社からの出資が決まりました。オズビジョンさんのほか、撮影用品メーカー、会計事務所と、多彩な顔ぶれの3社になりましたね。

平賀　「M&Aクラウド」経由でなければ、出会うことのなかった3社だと思います。3社とも、Web面談1回、リアル面談1回でスムーズに決定いただきました。プロダクトのローンチを控えて、調達を急いでいた中でのこの展開は本当にありがたかったです。

――当社のカスタマーサポートから、「M&Aクラウド」掲載会社の中で、スタートアップ投資に積極的で、D2C領域に関心の高そうな会社をピックアップし、打診先候補としてご提案しました。

平賀　中には数社、当社ですでに当たっていた先も含まれていましたが、大多数は僕の知らない会社でした。特に撮影用品メーカーさんをおすすめいただいたときは、びっくりしました。コア事業の領域が当社とはあまりにも離れていて、接点がないように感じたためですが、実は同社はここ数年、全く新規の事業領域に積極的にチャレンジされていて、グループ会社の中には特にウェルネス領域に関心を持って投資先を探している会社もあるそうなんです。会計事務所さんもスタートアップへの投資に非常に熱心な会社ですし、おすすめをいただいたおかげで、こうした会社にアプローチできてよかったです。

――サービスの使い勝手に関してはいかがでしたか？ 率直なご意見をお聞かせください。

平賀　各社のM&A担当の方と直接やり取りを始められるので、リファラルで紹介してもらう場合とは、スピード感が全然違います。僕にとっては、その点が一番大きかったですね。

ただ、33社とほぼ同時進行でやり取りした中で、マイページ内が煩雑になり、見づらさを感じた期間はありました。打診見送りになった会社は別のフォルダに移動するとか、自動で仕分けされる機能があると便利だと思います。

――事業会社から出資を受けるのは、今回の3社が初めてですか？

平賀　はい、そうです。今のタイミングでは、まだ詳細をお話しできない部分もあるのですが、3社とは今後密にコミュニケーションを取りつつ、ベストな提携の形を探っていきます。3社とも非常に親身になってくださっているので、今後のコラボレーションにワクワクしています。

――今回のご経験を踏まえ、これから資金調達をお考えの経営者の皆さんに向けて、アドバイスをお願いします。

平賀　資金調達には就職活動と似ている面があり、幅広い会社に当たって経験を積むことが大事だと感じました。特に「M&Aクラウド」のようなプラットフォーム経由で出会った会社の場合、リファラルでつながった会社と比べて、人物よりも事業計画そのものに着目いただいている分、質疑を通じて新たな課題を発見する機会も多く、自分のプレゼンテーションを磨くヒントも得られやすいです。時間的にも精神的にも大変なことが多いですが、いろいろな意味で会社と自身をレベルアップさせてくれる経験だと思います。果敢にチャレンジしていきましょう！

――「M&Aクラウド」への記事掲載を決めてくださった理由を教えてください。

鈴木　今、当社のM&Aチームの一員として動いてくれているメンバーの中に、当社の出資先の経営者がいて、彼からすすめられました。彼はシリアルアントレプレナーで、以前、売り手として「M&Aクラウド」を使っていたことがあるようです。元ユーザーの推薦なので、信頼できると思いました。

営業担当の方の対応もよかったです。最初の説明も丁寧でしたし、何か分からないことがあれば、彼に連絡すれば大丈夫だろうという安心感がありました。

入江　もともと仲介会社は使っていたのですが、仲介会社の場合は先方からの紹介を待つことになり、自分たちからアクションできない点に物足りなさを感じていました。「M&Aクラウド」では、自分たちで売り手を検索してスカウトができますし、売り手から直接オファーをもらうこともできる。マッチング後のやり取りも、売り手担当者とダイレクトにできるので、非常にスムーズです。自分から動きたい買い手にとっては、とてもいいサービスだと感じます。

――利用開始後、期待にそぐわなかった点などはありませんでしたか？

入江　今のところないですね。売り手側にスタートアップが多いのも、当社のニーズにはマッチしていますし。買い手側も売り手側も、カジュアルにメッセージができるので、気軽にスカウトや打診ができる点も気に入っています。特に打診いただいた会社に見送りのご連絡をする際、メールなどでやり取りしている場合には、適切な文面を考えるのもかなりの負担になります。スカウトを断る売り手の方も、それはきっと同じですよね。「M&Aクラウド」では、「見送り」はボタン一つで連絡できるので、余計な気を遣うことなく、精力的な活動ができると感じています。