若手起業家とベテラン経営者のタッグで、SESの成長の壁を乗り越える!「創業以来2年間、全員で頑張ってきたことが評価された」

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若手起業家とベテラン経営者のタッグで、SESの成長の壁を乗り越える!「創業以来2年間、全員で頑張ってきたことが評価された」

アナリティクスやデータ統合等のソリューションを提供するネイチャーインサイト株式会社は、オフラインでのマッチングをサポートするM&Aクラウドのファイナンシャルアドバイザリーチーム、M&A Cloud Advisory Partners(以下、MACAP)の支援を介して、SES事業を展開するPlaylist株式会社へ出資しました。同時にネイチャーインサイト会長の篠田 竜司氏はPlaylistの取締役に就任しました。

篠田氏は創業3期目の若い会社であるPlaylistのどんな部分に魅力を感じて出資に至ったのでしょうか。また、取締役に加わった理由は。ネイチャーインサイトの篠田氏、PlaylistのCEOの吉村 優太氏、COOの新垣 貴弘氏にお話を伺いました。

プロフィール

ネイチャーインサイト株式会社 会長:篠田 竜司(しのだ・りゅうじ)

1990年、AIエンジニアとして、AIエキスパートシステムの開発に携わり、推論エンジンの開発やナレッジベースの構築を行う。1992年、SAS(統計分析システム)に出会い、分析システムや情報系システムの開発に携わる。1994年、ネイチャーインサイト株式会社を創業。1995年、SASパートナー制度が発足され、第一期コンサルティングパートナーに認定される。2020年1月より、ネイチャーインサイト株式会社会長に就任(現任)。

Playlist株式会社 CEO:吉村 優太(よしむら・ゆうた)

2007年よりエンジニアとしてWEBシステム開発をメインにインフラ構築・設計等、様々な案件をベンチャー企業にて携わる。2020年、新垣と共にPlaylist株式会社を創業し、CEOに就任。

Playlist株式会社 COO:新垣 貴弘(あらかき・たかひろ)

SESベンチャーを中心に人事や営業領域で事業立ち上げからマネジメントを10年経験。主にSES事業の推進に関わる全てを担当。2020年、吉村と共にPlaylist株式会社を創業し、COOに就任。

人材採用の強化に向けて、初めての資金調達。「M&Aクラウドならスピーディーでスムーズ」

Playlist株式会社 CEO:吉村氏
Playlist株式会社 CEO:吉村氏

――Playlist様が資金調達を検討した理由を教えてください。

吉村 当社は2020年に創業し、今期3期目となる会社です。ちなみに私とCOOの新垣は沖縄出身で、5歳ぐらいからの幼なじみです。新垣が先に関東に出てきて、後から私が呼ばれて一緒に会社を始めたという経緯があります。

現在はSES(システムエンジニアリングサービス)事業をメインに展開しています。設立から3年、徐々に成長してきたのですが、成長スピードをもっと上げたいと感じていました。そのためにはどうしたらいいかと考えた時に、SES事業を主軸にしつつラボ事業開発に展開しようという結論に至りました。ラボ事業開発のサービス化に向けて人材採用を強化するために、資金調達に取り組むことにしました。

――資金調達の手段としてM&Aクラウドを利用した理由は?

吉村 当社の人事をサポートしてくれている方が、M&Aクラウド経由を利用して資金調達した経験を持っていたんです。彼の薦めで私たちもM&Aクラウドを利用することにしました。

理想を言えば、当社のSES事業とのシナジーがあり、お互いがビジネスをしやすい関係を保てる企業から資金調達したいと考えていましたね。

――実際、M&Aクラウドで資金調達を実施されてみて、いかがでしたか。

吉村 私たちはこういったかたちでの資金調達は初めてで、進め方は全くわかりませんでした。でも、M&Aクラウドの担当アドバイザーとやり取りして、出資先の選定から交渉、クロージングまで、短期間で進めることができました。スムーズに資金調達できたことに感謝しています。

年商100億円のグループ企業を目指し、M&Aを検討。「有望な会社に巡り会うことができたことに感謝」

ネイチャーインサイト株式会社 会長:篠田氏
ネイチャーインサイト株式会社 会長:篠田氏

――ネイチャーインサイト様はM&Aをメインに検討されていました。その背景を教えてください。

篠田 我々は10年以内に年商100億円のグループ企業をつくることを目標に掲げています。そのため、既存事業の拡大を図りつつ、その他の成長手段として、当社の既存事業とシナジーのある企業のM&Aを検討していました。そこでM&A仲介会社から情報提供を受けるなど、普段から案件情報を収集していました。

――対象企業としてはどの分野を想定していましたか?

篠田 当社はデータ分析やデータエンジニアリングなどを強みとしている会社ですが、同じ領域で事業を展開している企業でなくても、IT関係であればシナジーを創出できる可能性はあると考え、幅広く検討していました。

――M&Aクラウドをご利用いただいて、いかがでしたか。

篠田 何よりも、結果としてPlaylistさんという有望な会社に巡り会うことができた点を感謝しています。M&Aクラウドのメルマガも購読していますので、引き続きM&A対象となる企業をご紹介いただくことを期待していますね。

「自分の経験を生かして貢献できる」希望していたM&Aスキームではないにも拘らず、出資を決意した理由

――今回のディールは、M&Aクラウドの担当アドバイザーが、ネイチャーインサイト様にPlaylist様をご紹介したところから始まりました。情報を見た時の第一印象は?

篠田 有望な会社だとは思ったのですが、「うちの希望とはちょっと違う」と感じたのが正直なところです(笑)。

先ほども言及した通り、私たちの目標は自社のグループを大きくすること。そのためにはM&Aによってグループ企業を増やしていきたいと考えています。今回は出資の案件で、グループにジョインしていただけないという点で、希望条件とは違ったんです。

ただ、ひとまずお会いしてお話を聞いてみようかと思いました。

――ご希望のスキームとは異なったものの、Playlist様に魅力は感じていらっしゃったということですね。初回のオンライン面談では、どのような内容の話があったのでしょうか。

吉村 新垣が中心となって、当社の事業内容について一通り説明しました。

新垣 私は営業としてSES事業に10年くらい携わってきて、いろいろな課題を感じており、ラボ開発というかたちにアップデートすべきだと考えています。ラボ開発ならSESに存在する課題がほぼ解決できると思っています。そういった私たちの考えや事業の展望をご説明しました。

篠田 この事業概要をお聞きする中で、これからPlaylistさんが挑戦していこうとしている道は、自分が通ってきた道と重なっているところが多々あることに気づきました。当初は出資のスキームは検討していませんでしたが、私が自分の経験を生かすことで、この会社に対して何らかのかたちで貢献できるのではないかと思ったんですよね。

――篠田様ご自身のご経験が生かせる可能性を見出されたのですね。その後はどのように交渉を進めていったのでしょうか?

篠田 初回のオンライン面談では、吉村さんとあまりお話しできなかったので(笑)、別途、対面の面談をセッティングしてもらいました。

吉村さんにいろいろな質問をぶつけて、一つひとつ答えてもらいましたね。サービス内容や事業計画に踏みこんだ質問をたくさんしたように記憶しています。

吉村 私はエンジニアなので、人と話をするよりキーボードを打つ方が楽でして(笑)、営業や交渉事はいつも新垣に任せてしまうんです。

当社からは、自社の強みについて再度しっかりとアピールをしました。特に、社内でしっかり教育ができること。また、社員同士のつながり、コミュニケーションを大事にしていること。その部分では他の会社に負けないとお伝えしました。

篠田 お話を聞いて、しっかりした会社だなと思いましたね。SES事業にはいくつかのポイントがあります。その部分がダメだったらどうにもならないのですが、Playlistさんはちょっとしたきっかけで絶対に良くなると思えました。

――そのSESビジネスのポイントとは?

篠田 採用、教育、営業です。エンジニア採用は当社も含め、どの企業も苦労しています。IT分野の経験者を採るのは難しい。そうすると未経験を採用するしかありません。未経験者を採用したら、次の課題は教育です。その教育の仕組みがないと人材が育たないので、SES事業を拡大させることは難しいんです。Playlistさんは教育に力を入れ、カリキュラムなど教育制度も充実している。だから成長させがいがあると考えました。

ちなみに採用については、当社よりも非常にうまくやられていると感じました。

吉村 Playlistでは、SNSを効果的に活用して人材採用するノウハウを持っています。経験者の採用は難しいものの、未経験者の採用については継続的に行えています。また、未経験者を経験者に育て上げる仕組みもあります。さらに篠田さんの知見と資金をお借りすれば、成長を加速させることは可能だと思います。

――事業ポイントを押さえた企業だったからこそ、出資のスキームを前向きに検討されるようになったんですね。

篠田 対面での面談後に、「出資だけではなく、私が取締役として事業に関われるならぜひご協力したい」とお伝えしました。

私も若い頃に会社を立ち上げてすごく苦労した経験があります。成功の方程式はないのですが、このやり方では上手くいかないということは、これまでの経験からわかっています。Playlistさんに私が参画し、この経験をお伝えすることで、失敗を減らしたり、遠回りを回避しながら大きく成長するためのお役に立てると思いました。

吉村 出資に加え取締役としての参画というお話を聞いて、大変嬉しかったです。創業以来2年間、全員で頑張ってきたことが評価された結果だと思いました。

社員や取引先にとって「お気に入り」の会社になることを目指して

――9月20日にクロージングを迎えました。今後はどのようなかたちでの協業をお考えでしょうか?

篠田 すぐにシナジーを出すのは難しいだろうと思いますが、まずは当社の案件やお客様を紹介し、営業活動の部分で支援したいと思います。

吉村 篠田さんにいろいろと教えていただきながら、人材の採用や教育、売上拡大に力を入れていきます。

当社からネイチャーインサイトさんに提供できることもあると考えます。例えば当社では、音声チャットツール『Discord』を導入しリモートワーク環境でのコミュニケーション強化を図るなど、いろいろな新しいことにチャレンジしながら、他社とは違うSESのノウハウを確立しています。そういったノウハウを共有したり、あるいは人的リソースを提供したりすることで、ネイチャーインサイトさんとのシナジーを創出していきたいです。

――改めて今後の意気込みをお聞かせください。

吉村 当社のミッションは、「世界中で自分だけのお気に入りを見つけてもらう」です。社員にとってお気に入りの場所になりたいし、取引先にとってお気に入りの会社になりたい。Playlistという社名も、お気に入りという意味合いを込めて名づけています。今後もこの信念を崩さずに、Playlistらしく成長していけたらと思います。

篠田 先ほど申し上げた通り、SESのポイントは採用、教育、営業です。ここに力を入れることで、ある程度は成長できます。ただ、どこかの段階で壁にぶつかり、成長が止まることがあります。そこで問題となるのはおそらく社員の定着率です。その壁を乗り越えて次のステージに行けるかどうかは、どれだけ社員を大切にできるかにかかっています。

「社員を大切にする」とはどの経営者も言いますが、口で言うだけでなく本当に実践することが大事。そのあたりは私も苦労しながら学んできたので、Playlistさんにアドバイスできることはたくさんあります。速やかに次のステージへと駆け上がれるよう導いてあげられればと思います。

――様々な方面で「お気に入り」を増やしていくような、ご両社の協業を楽しみにしています。貴重なお話をありがとうございました!



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本ページに掲載している情報には、ディールが成立するに至る経緯に加え、インタビュー時点での将来展望に関する記述が含まれています。こうした記述は、リスクや不確実性を内包するものであり、環境の変化などにより実際の結果と異なる可能性があることにご留意ください。

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